返還されないチェーン店加盟金は損金経理できますか。


Q. 小売店を営んでいますが、この度あるチェーン店にフランチャイズ店として加盟しました。その際、加盟金として300万円支払いました(将来、返還されません)が、この300万円は損金として処理してよいでしょうか?
A. 返還されない支出=損金と考えがちですが、その支出の効果が1年以上に及びものは、一時の損金として処理することはできません。  契約内容がわかりませんが、フランチャイズ店の加盟であれば、契約期間がわずか1年ということは考えられません。通常10年程度の契約期間かと想像します。この場合、その支出の効果は1年以上に及びますから、一時の損金ではなく繰延資産として計上します。  さて、その場合の償却期間ですが、契約期間が10年であれば10年で償却すべきでしょうか? 令64条1項2号には「その支出の効果の及ぶ期間」で償却せよ、とあります。また、基本通達8-2-1には、「一定の契約をするに当たり支出した繰延資産についてはその契約期間をそれぞれ基礎として適正に見積もった期間による」とあります。適正に見積もるのは難しいですが、フランチャイズ加盟金と似た趣旨の「ノーハウの頭金等」が5年とされていますので、実務的にはノーハウと同じく5年で償却されることが多いようです。契約期間が5年未満で、かつ、契約の更新に際して再び一時金の支払いが必要な場合は、その有効期間の年数とすることもできるかと思います。もっとも、フランチャイズ加盟契約の契約期間が5年未満ということは、ちょっと考えにくいのですが。