海外出張費にかかる消費税の処理を教えてください。



 消費税は、国内で行われる資産の譲渡等と保税地域から引き取られる課税貨物に課されます。したがって海外出張費のうち、国外での宿泊費、交通費等には消費税は課されません。また、輸出免税という規定があり、国内から国外への旅客運賃などは消費税が免除されます。以下、具体的に見ていきましょう。
【消費税の課されるもの】
  • 海外出張のための支度金(基本通達11-2-1参照)
  • パスポート交付申請等の事務代行費等
  • 海外出張のための予防接種料
  • 国内での運賃(空港までの運賃など)や国内における出発前夜の宿泊費(基本通達7-2-4参照)
  • 成田空港や関空内の旅客サービス施設使用料

【消費税の課されないもの】
  • 海外出張日当(海外出張のために支給する旅費や日当)
  • 海外出張のための航空運賃(基本通達7-2-4参照)
  • 外国における宿泊費、食事代、交通費等
  • 国内と海外出張者との通信(電話・電報・郵便・ファックスなど)

【参考:基本通達7-2-4】
 消費税法第7条第1項第3号(国際輸送等に対する輸出免税)に規定する国内及び国内以外の地域にわたって行われる旅客又は貨物の輸送は、国内から国外への旅客若しくは貨物の輸送又は国外から国内への旅客若しくは貨物の輸送(以下「国際輸送」という。)をいうのであるが、国際輸送として行う旅客輸送の一部に国内における輸送(以下「国内輸送」という。)が含まれている場合であっても、次のすべての要件を満たす場合の国内輸送は、国際輸送に該当するものとして取り扱う。 (1)当該国際輸送に係る契約において国際輸送の一環としてのものであることが明らかにされていること。 (2)国内間の移動のための輸送と国内と国外との間の移動のための国内乗継地又は寄港地における到着から出発までの時間が定期路線時刻表上で24時間以内である場合の国内輸送であること。
【参考:基本通達11-2-1】
 役員又は使用人(以下「使用人等」という。)が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし、若しくは転任に伴う転居のための旅行をした場合又は就職若しくは退職をした者若しくは死亡による退職をした者の遺族(以下11-2-1において「退職者等」という。)がこれらに伴う転居のための旅行をした場合に、事業者がその使用人等又はその退職者等に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行について通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに係る支払対価に該当するものとして取り扱う。 (注)1 「その旅行について通常必要であると認められる部分の金額」の範囲については、所基通9-3(非課税とされる旅費の範囲)の例により判定する。 (注)2 海外出張のために支給する旅費、宿泊費及び日当等は、原則として課税仕入れに係る支払対価に該当しない。