*エヴァ・へラー 作 M・ゾーヴァ 絵 『思いがけない贈り物』 講談社
クリスマスイヴの夜のこと。サンタの手元にはひとつの人形が残った。パソコンで調べてみると……クリスマスに人形をもらわなかった子は、女の子が6人、男の子が234万8167人!早速、サンタクロースは6人の女の子の家に行くことにする。でも、どの子も必要がないようだ。では、そのお人形は誰のためのものなのだろう?
タイトル『思いがけない贈り物』の意味が最後によく分かる。
*E・T・A・ホフマン 『くるみ割り人形とねずみの王様』 河出文庫
クリスマス・イヴの日、シュタールバウム家の子供たちフリッツとマリーはたくさんのプレゼント、特にドロッセルマイヤーおじさんのプレゼントを楽しみにしていた。今年のプレゼントは見事なお城だったが、マリーはみんなへのプレゼントである、くるみ割り人形の方を気に入ってしまう。
その日の夜、人形遊びをしていたマリーは、くるみ割り人形とねずみ達の闘いに巻き込まれてしまい……。
チャイコフスキーのバレエの元になったメルヘン。
*M・ボンド 作 P・フォートナム 絵 『パディントンのクリスマス』 福音館文庫
クリスマスがもうすぐやってくるころ。くまのパディントンは、ブラウンさんの奥さん(パディントンが住んでいる家のお母さん)に、買い物に連れて行ってもらえることになった。パディントンが買いたいものは、ブラウン一家やお友達へのクリスマス・プレゼントだ。
クラムボールド・アンド・ファーンズという、有名な老舗へと連れて行かれたパディントンが起こす事件とは?
「くまのパディントン」シリーズの2作目。
*ローリー・ムーア 作 網中いづる 絵 『サンタクロースの忘れもの』 新潮社
クリスマス・イヴ。高慢ちきなエルフのおもちゃ職人アーベンは、ひょんなことからいたずら好きの女の子、アイヴィの家に置き去りにされてしまう。
来年のクリスマスにサンタがアイヴィの家に来てくれる保証はなく(アイヴィが「よい子」ではないから)、ふるさとの北極に帰るためにアーベンはいろいろな方法を考えるのだが……。
*風間賢二 編 『クリスマス・ファンタジー』 ちくま文庫
ファンタジー、SF、ホラーなど12篇で編まれたアンソロジー。収録作品は以下の通り。
「道」(シーベリイ・クイン)、「墓堀り男を盗み去った鬼どもの話」(ディケンズ)、「新クリスマス・キャロル」(アーサー・マッケン)、「岸の彼方へ」(A・ブラックウッド)、「クリスマス・プレゼント」(ゴードン・R・ディクスン)、「ガニメデのクリスマス」(アイザック・アシモフ)、「クリスマスの出会い」(ローズマリー・ティンパニー)、「ジャックと火の国の王女」(メアリ・ド・モーガン)、「ハッピー・バースデイ、イエスさま」(フレデリック・ポール)、「クリスマスの恋」(フランク・R・ストックトン)、「幸運の木立ち」(H・ラッセル・ウェイクフィールド)、「サーロウ氏のクリスマス・ストーリー」(ジョン・ケンドリック・バングズ)
*柏葉幸子・作 高畠純・絵 『モンスター・ホテルでクリスマス』 小峰書店
ぞくぞく月のハックション日。人間でいうところのクリスマスイブ。
それぞれにクリスマスを楽しむモンスターたちは、ホテル近くの公園に人が倒れているのを発見する。にもつの入った大きな袋を持った、その人物を、モンスターたちは宅配の人だと勘違いするのだが……。
*酒井駒子 『よるくま クリスマスのまえのよる』 白泉社
ぼくのところには、サンタさんはこないのかもしれない……。そう思う男の子のところに、ふたたび、「よるくま」がやって来た。クリスマスもサンタさんも知らない「よるくま」に、ぼくはサンタさんになってあげた。すると、ふしぎなことが……。
偕成社『よるくま』の続編。
*スズキコージ 『クリスマス プレゼントン』 ブッキング
夜の空から降り続ける雪。町を覆いつくすような雪空の朝、あるレストランの前に雪で作られたラッパ男が現れた。誰が作ったのかさっぱりわからない様子のみんなとは違い、メリーという少女はその周りにあった足跡をたどり、ひろばに作られた雪だるまがあやしいのではないかと思う。
その夜、町のひろばを見張っていたメリーの見たものは……。
*田口ランディ 『その夜、ぼくは奇跡を祈った』 大和出版
フォルクローレというマイナーな民俗音楽を職業にしている僕たちに、クリスマス・イヴに仕事が入った。場所は、浜松セント・マリア病院。僕と、室井(デュオを組んでいる相手だ)は、久しぶりの仕事に大喜びで浜松に向かう。ところが、僕たちの予想とは違い、演奏を聞かせる相手は子供達ではなかったのだ。(「クリスマスの仕事」)
クリスマスの話を集めた短編集。他に、「一番星」「恋人はサンタクロース」を収録。
*竹下文子 『おてつだいねこのクリスマス』 金の星社
しましまねこは、おてつだいねこさん。今日は住んでいる家のおばさんのお友達がやってくるので、準備をしたり、お茶を出したり、大忙し。お友達はケーキ屋さんをやっていて、何とねこさんにクリスマスのお手伝いをして欲しいと頼むのだった。どきどきしながら、お手伝いを承知したねこさんだが……。
*若竹七海 「サンタクロースのせいにしよう」 集英社
失恋の痛手を癒やすために引越しを考えていた柊子は、友人から紹介された松江銀子という女性との同居を始めることにした。「変わっている」と友人から言われていた銀子だが、「少年のような顔の美人」で、しかも「俳優で監督でエッセイスト」の松江丈太郎の娘だという。
同居開始から半年、銀子との生活を十分楽しんでいた柊子だが、実は近所に問題が。鈴木という「おばさん」がゴミの分別収集にうるさく、他人のゴミの中身を人にいいふらすような人だったのだ。
そうこうするうちに、クリスマス当日になってしまい、 「鈴木さん」を中心としたある事件が発生して……。