リハビリテーションの作業療法や養護教育の作業学習などで、レザークラフトはよく行われている作業種目です。私が片手作業用に製作した補助具を中心に、紹介致します。
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実施例
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刻印ホルダー


 補助具を考えることは、ほとんどの場合は固定の方法を考えると言うことでした。ふだん何気なく行っている手の動作は、あまり意識していなくても、固定するという動作を多く含んでいるのだと思います。
 ここでは、刻印を固定するためのホルダーを紹介します。



「刻印ホルダーA」

 このホルダーは3個目くらいに作った物です。ホルダーは1個目の物からゴムを利用して固定する方法を採用しました。身近にあり安く、操作が楽にできます。片手での刻印の取り外しが十分に可能です。ゴムが伸縮して刻印がある程度自由に動くので、叩いたときの衝撃が適当に逃げてくれるように思います。

 構造は至って単純です。V時の切り込みを入れた板に、重りとなる鉛を取り付けた物です。ゴムは小さなヒートンで取り付けています。
 切り込みは2カ所に入れていますから、使い方によっては2種類の刻印を取り付けておくこともできると思います。

 欠点は、片手での取り回しがやや不便なことと、ハンマーを刻印に当てるときの角度が悪いと、刻印がにげてしまうことです。
試しに底にベルクロをつけてみました。
革片をつけて傾けたところです。 ホルダーがはみ出したときの調整に。



「刻印ホルダーB」

 このホルダーは、最も新しい物です。今まで重りとして使っていた部分に、刻印の取り付け部分を直接設けました。この方法により小型化が可能になりました。ただし、この試作品は鉛を利用しているので、工具としての完成にはほど遠い物です。適切な素材を用いれば、実用性のある工具になると私は思っています。

 このホルダーの使い方については、「模様を入れる・叩く」の項目でもあらためて紹介します。

 欠点は、試作品の刻印の固定方法では、片手で簡単に刻印の交換をすることができないことです。金属加工の専門家の手を借りれば、良い道具になりそうな気がします。

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「刻印ホルダーC」

 このホルダーの特徴は、刻印を傾けて固定することが自由にできることです。ほかの重りを使ったホルダーでは、重りの部分が革との接地面になっていましたが、このホルダーでは重りが本体にぶら下がる形になっています。そして、刻印自体がホルダーの足となっています。

 接地面が少ないので滑りやすくなってしまいました。そのために足の部分にゴムを巻いて滑り止めとしました。刻印の固定はネジ止めです。




「刻印ホルダーD」

 このホルダーは、手のひらや手首に取り付けて使用します。刻印を差し入れる口をすり鉢状に削ってあり、刻印の交換が簡単にできるようになっています。
 このホルダーでもゴムを使っています。

部品は単純。
手首に装着。 手のひらに装着。



「刻印ホルダーE」

 このホルダーは、「作業療法とレザークラフト」に紹介されていた写真を基に作りました。
 ホルダーに刻印を装着して、腕の力で革に押し当て、模様を施すということでした。刻印を叩くという通常の方法とは全く違ったもので、まさかという気持ちがあり、実物を作ってみようと思いました。

 私なりの作りにしたのは、ゴムを使ったことと、差し込み口にすり鉢状のテーパーをつけて、刻印の交換を簡単にしたことです。

 私が実際に使ってみて思ったことは、刻印をはっきりと施すのは難しいと言うことでした。でも、カービングのシェードなどのならし作業には大変便利に使うことができました。刻印に限らず、いろいろなものが装着できそうですし、使い道が広い道具なのかもしれません。


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「刻印ホルダーF」

 フリーアーム式の刻印ホルダーです。可動部分が4カ所あります。
 アイデアは可能性があるかもしれませんが、完成度は低い試作品でした。素材を変えていくつかトライしましたが、もっと適切な部品を使わないと、いいものにはならないようです。

 フレキシブルシャフトも試してみようと思いましたが、今ひとつ気持ちが乗らず、作るところまでは行きませんでした。

 試作としては失敗したものですが、こういうタイプのホルダーがあってもおもしろいと思っています。



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