最近は、私の作った道具を試してくださっている県外の施設の方と話をする機会ができたり、養護教育に取り入れてくださる先生が何人かいらっしゃいます。それで、直接の情報を少しは知ることができるようになりました。全て私の想像で作ったので、現場の声を聞くことができて初めて、自分で作った物がどんな物だったのかがわかるような気がしています。
私にとって、補助具を作って最も良かったことは、常識的な考えをしないようにする訓練ができたことです。「革はこうでなくてはいけない」とか、「基本はこうだ」という考えを捨てる訓練ができたのが、何よりも自分のプラスになりました。
片手に刻印を持ち、もう片方の手のハンマーで叩くという私たちがふだん行っている作業方法も、いろいろある作業方法の中の一つの形にすぎませんでした。補助具を考える中でいろいろな発見があり、楽しいものでした。
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