集合関数の例
4 直方体の体積
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集合関数、集合関数の例(リーマン積分、区間の長さ、矩形の面積)
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Rn上区間塊のn次元体積)
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集合関数の例
4-a 3次元区間の体積
[伊藤『ルベーグ積分』I予備概念§3点関数と集合関数:例2(pp.13-4);高木『解析概論』113節Euclid空間区間の体積(pp.421-3).
志賀『ルベーグ積分30講』2講(p.9-14);3講TeaTime(pp.22-3) ;9講(p.63);
Halmos, Measure Theory8.Measure on intervals (pp.32-7).]
(
設定)
R3: 3つの「実数の全体の集合」Rの直積。R×R ×R={ (x ,y ,z ) |x ∈Rかつ y ∈R かつ z ∈R }
I
:
type 1: 左半開区間(a, b] ={ x | a<x≦b } (ただし−∞< a< b<+∞),
type 2: (−∞, b] ={ x | x≦b } (ただし−∞< b<+∞)、
type 3: (a , ∞) ={ x | a<x } (ただし−∞< a <+∞)、
type 4: (−∞, ∞)=実数全体の集合R
type 5: 空集合φ
のいずれかのかたちのR上の区間の直積で表せるR3上の区間
つまり、
φ
(a1, b1]×(a2, b2]×(a3, b3]={ (x,y,z) | a1<x≦b1かつ a2<y≦b2かつ a3<y≦b3 }
(ただし−∞< a1< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(a1, b1]×(a2, b2]×(−∞, b3] (ただし−∞< a1< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< b3<+∞)
(a1, b1]×(a2, b2]×(a3, ∞] (ただし−∞< a1< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3 <+∞)
(a1, b1]×(a2, b2]×(−∞, ∞] (ただし−∞< a1< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞)
(a1, b1]×(−∞, b2]×(a3, b3] (ただし−∞< a1< b1<+∞, −∞< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(a1, b1]×(a2, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< a1< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(a1, b1]×(−∞, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< a1< b1<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
・
・
・
(−∞, b1]×(a2, b2]×(a3, b3] (ただし−∞< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(−∞, b1]×(a2, b2]×(−∞, b3] (ただし−∞< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< b3<+∞)
(−∞, b1]×(a2, b2]×(a3, ∞] (ただし−∞< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3 <+∞)
(−∞, b1]×(a2, b2]×(−∞, ∞] (ただし−∞< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞)
(−∞, b1]×(−∞, b2]×(a3, b3] (ただし−∞< b1<+∞, −∞< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(−∞, b1]×(a2, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(−∞, b1]×(−∞, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< b1<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
・
・
・
(a1,∞]×(a2, b2]×(a3, b3] (ただし−∞< a1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(a1,∞]×(a2, b2]×(−∞, b3] (ただし−∞< a1+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< b3<+∞)
(a1,∞]×(a2, b2]×(a3, ∞] (ただし−∞< a1 <+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3 <+∞)
(a1,∞]×(a2, b2]×(−∞, ∞] (ただし−∞< a1 <+∞, −∞< a2< b2<+∞)
(a1,∞]×(−∞, b2]×(a3, b3] (ただし−∞< a1 <+∞, −∞< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(a1,∞]×(a2, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< a1 <+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(a1,∞]×(−∞, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< a1 <+∞, −∞< a3< b3<+∞)
・
・
・
(−∞,∞]×(a2, b2]×(a3, b3] (ただし−∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(−∞,∞]×(a2, b2]×(−∞, b3] (ただし−∞< a2< b2<+∞, −∞< b3<+∞)
(−∞,∞]×(a2, b2]×(a3, ∞] (ただし−∞< a2< b2<+∞, −∞< a3 <+∞)
(−∞,∞]×(a2, b2]×(−∞, ∞] (ただし−∞< a2< b2<+∞)
(−∞,∞]×(−∞, b2]×(a3, b3] (ただし−∞< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(−∞,∞]×(a2, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(−∞,∞]×(−∞, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< a3< b3<+∞)
・
・
・
のいずれか
※これらは、R3の部分集合となっている。
I : 上記のR3上の区間Iとして考えられ得るもの全てを集めてきた集合系(族)。
※上記のR3上の区間Iは、どれも、R3の部分集合だから、
Iは R3の部分集合系(族)となっている。
※以上のように、I, Iを定義するとき、 I⊂ R3かつI ∈I は満たされている。
(定義:集合関数Ψ)
関数Ψを、
(i) 区間Iが(a1, b1]×(a2, b2]×(a3, b3] (−∞< a1< b1<+∞,−∞< a2< b2<+∞,−∞< a3< b3<+∞)のかたちの区間であるとき、
Ψ(I) = (b1−a1) (b2−a2) (b3−a3)
※a1< b1, a2< b2, a3< b3だから、常に、Ψ(I) =(b1−a1) (b2−a2) (b3−a3)>0となる。
(ii) 区間Iがφであるとき、
Ψ(φ) = 0
(iii) 区間Iが上記以外のかたちをした区間(つまり無限区間)であるとき、
Ψ(I) =+∞
という値のとりかたをする関数と定義する。
・このΨ(I)が、R3上の区間Iの体積と呼ばれるもの。
※活用例:R3上区間塊の体積、3次元ルベーグ外測度
(性質)
1. 定義域が、R3の部分集合系(族) I となるので、
この関数Ψは、R3で定義されたI-集合関数となる。
2. 値域は「広義の実数」R*上の区間[0,+∞]。つまり、0≦Ψ(I)≦+∞。Ψ(I)=0となるのはI=φのケースのみ。
※値域はあくまで「広義の実数」であって、実数ではない。
「広義の実数」では、実数における演算が拡張されているので(主に+∞、−∞)注意。
集合関数の例
4-b 3次元区間の体積とその一般化
[伊藤『ルベーグ積分』I予備概念§3点関数と集合関数:例2(pp.13-15);高木『解析概論』113節Euclid空間区間の体積(pp.421-3).]
(
設定)
R3: 3つの「実数の全体の集合」Rの直積。R×R ×R={ (x ,y ,z ) |x ∈Rかつ y ∈R かつ z ∈R }
I :
type 1: 左半開区間(a, b] ={ x | a<x≦b } (ただし−∞< a< b<+∞),
type 2: (−∞, b] ={ x | x≦b } (ただし−∞< b<+∞)、
type 3: (a , ∞) ={ x | a<x } (ただし−∞< a <+∞)、
type 4: (−∞, ∞)=実数全体の集合R
type 5: 空集合φ
のいずれかのかたちのR上の区間の直積で表せるR3上の区間
つまり、
φ
(a1, b1]×(a2, b2]×(a3, b3]={ (x,y,z) | a1<x≦b1かつ a2<y≦b2かつ a3<y≦b3 }
(ただし−∞< a1< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(a1, b1]×(a2, b2]×(−∞, b3] (ただし−∞< a1< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< b3<+∞)
(a1, b1]×(a2, b2]×(a3, ∞] (ただし−∞< a1< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3 <+∞)
(a1, b1]×(a2, b2]×(−∞, ∞] (ただし−∞< a1< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞)
(a1, b1]×(−∞, b2]×(a3, b3] (ただし−∞< a1< b1<+∞, −∞< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(a1, b1]×(a2, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< a1< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(a1, b1]×(−∞, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< a1< b1<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
:
:
(−∞, b1]×(a2, b2]×(a3, b3] (ただし−∞< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(−∞, b1]×(a2, b2]×(−∞, b3] (ただし−∞< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< b3<+∞)
(−∞, b1]×(a2, b2]×(a3, ∞] (ただし−∞< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3 <+∞)
(−∞, b1]×(a2, b2]×(−∞, ∞] (ただし−∞< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞)
(−∞, b1]×(−∞, b2]×(a3, b3] (ただし−∞< b1<+∞, −∞< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(−∞, b1]×(a2, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(−∞, b1]×(−∞, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< b1<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
:
:
(a1,∞]×(a2, b2]×(a3, b3] (ただし−∞< a1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(a1,∞]×(a2, b2]×(−∞, b3] (ただし−∞< a1+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< b3<+∞)
(a1,∞]×(a2, b2]×(a3, ∞] (ただし−∞< a1 <+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3 <+∞)
(a1,∞]×(a2, b2]×(−∞, ∞] (ただし−∞< a1 <+∞, −∞< a2< b2<+∞)
(a1,∞]×(−∞, b2]×(a3, b3] (ただし−∞< a1 <+∞, −∞< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(a1,∞]×(a2, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< a1 <+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(a1,∞]×(−∞, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< a1 <+∞, −∞< a3< b3<+∞)
:
:
(−∞,∞]×(a2, b2]×(a3, b3] (ただし−∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(−∞,∞]×(a2, b2]×(−∞, b3] (ただし−∞< a2< b2<+∞, −∞< b3<+∞)
(−∞,∞]×(a2, b2]×(a3, ∞] (ただし−∞< a2< b2<+∞, −∞< a3 <+∞)
(−∞,∞]×(a2, b2]×(−∞, ∞] (ただし−∞< a2< b2<+∞)
(−∞,∞]×(−∞, b2]×(a3, b3] (ただし−∞< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(−∞,∞]×(a2, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
(−∞,∞]×(−∞, ∞]×(a3, b3] (ただし−∞< a3< b3<+∞)
:
:
のいずれか
※これらは、R3上の左半開区間(a,b] ×(c,d] × (e,f]は、R3の部分集合となっている。
I : 上記のR3上の区間Iとして考えられ得るもの全てを集めてきた集合系(族)。
※上記のR3上の区間Iは、どれも、R3の部分集合だから、
Iは R3の部分集合系(族)となっている。
※以上のように、I, Iを定義するとき、 I⊂ R3かつI ∈I は満たされている。
f1 (x) , f2 (x) , f3 (x): : R上の実数値関数(つまり、f: R→R)で、R上単調増加関数。
(
定義:集合関数Ψ)
関数Ψを、
(i)区間Iが(a1, b1]×(a2, b2]×(a3, b3] (−∞< a1< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)のかたちの区間であるとき、
Ψ(I) ={ f1 (b1)−f1 (a1) } { f2 (b2)−f2 (a2) } { f3 (b3)−f3 (a3) }
※f1, f2, f3は単調増加関数で、a1< b1, a2< b2, a3< b3だから、常に、Ψ(I) >0となる。
(ii) 区間Iがφであるとき、
Ψ(φ) = 0
(iii) 区間Iがそれ以外のかたちの区間であるとき、
Iに含まれる任意の
(a1, b1]×(a2, b2]×(a3, b3] (−∞< a1< b1<+∞, −∞< a2< b2<+∞, −∞< a3< b3<+∞)
のかたちの区間J
に対して、
Ψ(I) = sup { Ψ( J ) }= sup { { f1 (b1)−f1 (a1) } { f2 (b2)−f2 (a2) } { f3 (b3)−f3 (a3) }}
※f (x)は単調増加関数で、a1< b1, a2< b2, a3< b3だから、常に、Ψ(I) >0となる。
という値のとりかたをする関数と定義する。
・このうち特に、f1 (x)= f2 (x)= f3 (x)= x とした際のΨ(I)が、R3上の区間Iの体積。
(性質)
・定義域が、R3の部分集合系(族)I となるので、
この関数Ψは、R3で定義された実数値I-集合関数となる。
・常に、Ψ(I)≧0で、Ψ(I)=0となるのはI=φのケースのみ。
(参照)
日本数学会編集『
岩波数学事典(第三版)』 岩波書店、1985年。項目162A(pp428-429), 163 (p.432)
伊藤清三『ルベーグ積分』I予備概念§3点関数と集合関数(p.11-3)
高橋一『経済学とファイナンスのための数学』新世社、1999年。 pp.1-4.
Cramer, Harald,1946 Mathematical Methods of Statistics, Princeton UP.
=クラメール『統計学の数学的方法:第1巻』東京図書、1973年、6.2集合関数と点関数(pp.47-48)。
高木貞治『解析概論:改訂第3版』岩波書店、1983年、第9章Lebesgue積分,II.Lebesgueの測度および積分, 113Euclid空間区間の体積(pp.421-3).