集合関数
定義:集合関数set function・区間関数interval function・点関数point function
[『岩波数学辞典(第三版)』項目163 (p.432);伊藤『ルベーグ積分』I§3(p.11)
高木貞治『解析概論』108節集合の測度(pp.403-5) ; 高橋『経済学とファイナンスのための数学』p.28;
クラメール『統計学の数学的方法:第1巻』6.2集合関数と点関数(pp.47-48)]
(舞台設定)
X : 集合、
: 集合Xの部分集合系(族)
(本題)
集合Xで定義された
-集合関数とは、
に属す「集合Xの部分集合」A
すなわち、A⊂X かつ A∈
を満たす集合A
に対して定義された関数のこと。
(つまり、定義域が集合Xの部分集合系(族)
となる関数。)
また、
集合関数で、値が実数値であるものを、実数値集合関数 real valued set function、
集合関数で、値も集合(値域が集合系(集合族))であるものを、集合値関数と呼ぶ。
実数全体の集合Rないしその直積Rkで定義された集合関数で、定義域がRないしRkでの左半開区間であるものを、
特に、区間関数interval functionと呼ぶことがある。
これに対して、
集合Xで定義された点関数とは、
集合Xに属す各元に対して定義された関数であり、これは、通常いうところの「写像」「関数」のこと。
→実数値関数
※特殊な集合関数:有限加法的測度、測度、完全加法的集合関数、
※集合関数の例:リーマン積分、区間の長さ、矩形の面積、直方体の体積、Rn区間のn次元体積、
R上区間塊の長さ、R2上区間塊の面積、R3上区間塊の体積、Rn上区間塊のn次元体積
reference
日本数学会編集『岩波数学事典(第三版)』 岩波書店、1985年。項目162A(pp.428-429), 163 (p.432)
伊藤清三『ルベーグ積分』I予備概念§3点関数と集合関数(p.11-3)
高橋一『経済学とファイナンスのための数学』新世社、1999年。 pp.1-4.
Cramer, Harald,1946 Mathematical Methods of Statistics, Princeton UP.
=クラメール『統計学の数学的方法:第1巻』東京図書、1973年、6.2集合関数と点関数(pp.47-48)。
高木貞治『解析概論:改訂第3版』岩波書店、1983年、第9章Lebesgue積分,I.概括論, 108集合の測度(pp.403-5).