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下記設定のもと、対応の「原像・逆像 inverse image 」という概念は定義される。 A : 集合 B : 集合 b : 集合Bの元。つまり、b∈B 「f:A→B」:集合Aから集合Bへの対応 |
[文献]・松坂『集合・位相入門』第1章§3.D (p.27); |
定義 |
・「『集合Bの元』bの、対応fによる原像・逆像 inverse image」とは、 『集合Bの元』bを、『対応fによる像』のなかに含む「集合Aの元」の集合 { a∈A | b∈f(a) } のこと。 ・記号 f−1(b) で表す。 ・もちろん、 「『集合Bの元』bの、対応fによる原像・逆像 inverse image」は、 集合Aの部分集合になっている。 f−1(b)={ a∈A | b∈f(a) } ⊂ A ※ b∈f(a) ⇔ a∈f−1(b) |
[例]![]() 上の図例では、 ・「fによるb1の逆像」f−1(b1)={a1,a3}、「fによるb2の逆像」f−1(b2)={a4} 、 「fによるb3の逆像」f−1(b3)={a1,a3} 、「fによるb4の逆像」f−1(b4)=φ となっている。 |
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下記設定のもと、対応の「逆対応 inverse correspondence 」という概念は定義される。 A : 集合 B : 集合 b : 集合Bの元。つまり、b∈B 「f:A→B」:集合Aから集合Bへの対応 |
[文献]・松坂『集合・位相入門』第1章§3.D (p.25);・『岩波数学事典』項目57関係B対応(p.157) ※具体化:1変数関数の逆対応 [注意]・どのような「対応f:A→B」についても、「対応fの逆対応」は存在し、なおかつ、「対応fの逆対応」も対応の定義を満たす。 ・だから、 「対応f:A→B」の下位類型の一つである「写像」に関しても、 どんな「写像f:A→B」であれ、「写像fの逆対応」は存在し、 なおかつ、「写像fの逆対応」は、対応の定義を満たす。 ・ただし、ここで問題となってくるのは、 「写像fの逆対応」が、写像の定義を満たすかどうか である。 結論から先に言えば、 「写像fの逆対応」が写像となるかどうかは、一概にはいえない。 写像fがどのタイプであるかによって決まる。 この点は、写像の逆写像・逆関数を参照。 |
定義 |
・「対応f:A→B」の逆対応 inverse correspondenceとは、 集合Bの各元bに対し、fによる逆像f−1(b)を定める「集合Bから集合Aへの対応」 のこと。 ・「対応fの逆対応」を、記号「f−1」で表す。 |
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図例 |
・左図の「対応f:A→B」の逆対応は、右図になる。![]() ![]() ・左図の「一意対応f:A→B」の逆対応は、右図になる。 ![]() ![]() ・左図の「一意対応f:A→B」の逆対応は、右図になる。 ![]() ![]() ・左図の「一意対応f:A→B」の逆対応は、右図になる。 ![]() ![]() |
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下記設定のもと、 「一対一対応 one-to-one correspondence 」という概念は定義される。 A : 集合 B : 集合 b : 集合Bの元。つまり、b∈B 「f:A→B」:集合Aから集合Bへの対応 |
[文献]・『岩波数学事典』項目57関係B対応(p.157)・高橋『経済学とファイナンスのための数学』2.1(p.28):単射と同義としている ・志賀『集合への30講』12講(p.71):全単射のことを一対一対応と呼んでいる。 ・『解析演習ハンドブック1変数関数編』1.1.18(p.5):一対一対応は全単射の別名。 ※「一対一対応」を全単射の別名とするテキストもあれば、 「一対一対応」を独自の概念として定義するテキストもあり、 「一対一対応」の語義には、文献間で揺れがみられる。 このノートは『岩波数学事典』で提示された語義に依拠。 [関連事項]・対応の諸類型:分類基準/一意対応/写像/単射/一対一写像/全射/全単射→一覧表:対応の分類基準と6分類の定義 →ベン図:対応の6分類の包含関係 [図解] 始集合に属す各元に対して、一対一対応で許される割り当てかた [終集合Bの元を一個も割り当てない] [終集合Bの元を一個割り当てる] ![]() ![]() |
定義 |
[逆対応・一意対応を用いた定義]「集合Aから集合Bへの一対一対応f」とは、下記条件を満たす対応「f:A→B」のこと。 [条件1] 対応「f:A→B」が一意対応。 かつ [条件2] 対応「f:A→B」の逆対応「f−1:B→A」も一意対応。 [逆対応・一意対応の意味に遡った定義]「集合Aから集合Bへの一対一対応f」とは、下記条件を満たす対応「f:A→B」のこと。 [条件1] 対応fはどの『fの始集合Aに属す元』に対しても、 『終集合Bに属す元』を一個も割り当てない または、 『終集合Bに属す元』一個を割り当てる ( ∀ a∈A ) ( f(a)=φ または f(a)=一元集合 ) かつ |
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[条件2] どの『終集合Bに属す元』についてであれ、 対応fによって同一の『fの終集合Bに属す元』を割り当てられた『fの始集合Aに属す元』の個数は、0個または1個。 ( ∀ b∈B ) ( f−1(b)=φ または f−1(b)=一元集合 ) [図解] 終集合の各元に対して、一対一対応で許される割り当てかた [始集合Aの元を一個も割り当てない] [始集合Aの元を一個割り当てる] ![]() ![]() [一対一対応ではない対応とは?]下記の割り当てがなされるならば、対応「f:A→B」は、一対一対応ではない。・同一の『fの始集合Aに属す元』に対して、『fの終集合Bの元』を二個以上割り当てる(下図) ![]() ![]() ・二個以上の『fの始集合Aに属す元』に対して、同一の『fの終集合Bに属す元』を割り当てる(下図) ![]() ![]() |
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図例 |
・左図の対応「f:A→B」は一対一対応。 なぜなら、「f:A→B」は一意対応 かつ fの逆対応「f−1:B→A」(右図)も一意対応になっている。 ![]() ![]() ・左図の対応「f:A→B」は一意対応だが、一対一対応ではない。 なぜなら、「fの逆対応「f−1:B→A」(右図)が一意対応ではないから。 ![]() ![]() ・左図の対応「f:A→B」は一意対応だが、一対一対応ではない。 なぜなら、「fの逆対応「f−1:B→A」(右図)が一意対応ではないから。 ![]() ![]() |
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※婚姻制度という例における一対一対応 |
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