→R上の近傍概念と、そのバリエーション |
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実数aの両隣は、どういう実数なのか、知りたいことがある。 しかし、実数は、切れ目なく続いているので、「この実数が、実数aの隣だ」と明示することはできない。 実数aの隣の実数を表す、「実数aに限りなく近い実数」という表現をこしらえることもできるが、 そうしたところで、「この実数が、《実数aに限りなく近い実数》だ」と明示できないことに変わりなく、事態は改善しないまま。 それでは、「実数aの両隣の実数」を探すのをあきらめて、 「実数aの前後をまたぐ《切れ目のないゾーン》」をとって、このゾーンの幅を縮めていくとき、 「実数aの前後をまたぐ《切れ目のないゾーン》」に、どういう実数がふくまれているのかを、調べるという方針に、 転換すればいいではないか。 このときに使われる「実数aの前後をまたぐ《切れ目のないゾーン》」が、他ならぬ「実数aのε近傍」。 |
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【はじめに読むべき定義】
・「R上の点aのε近傍」とは、《点aからの距離がε以内の点》をすべてあつめた《Rの部分集合》のこと。 【正確な定義】・実数全体の集合Rに、距離dをいれた、距離空間 (R,d)を考えたときの「点aのε近傍ε-neighborhood」「aを中心とする開球」とは、 【距離d(a,b)=|a-b|と定義した1次元ユークリッド空間の場合】
実数全体の集合Rに、d(a,b)≡|a-b|で定義された距離をいれた、1次元ユークリッド空間を考える場合、 ![]() |
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・点a∈Rの除外ε近傍(a deleted ε-neighborhood of a )U*ε(a)とは、
点aのε近傍から、点aを除外した Uε(a)−{a} 。
すなわち、 距離d(a,b)として、U*ε(a)={ x∈R | 0<d(a,x)<ε}
半径εは正ならばどんなに小さくてもよい。
・距離をd(a,b)=|a-b|と定義した1次元ユークリッド空間においては、
U*ε(a)={ x∈R | 0<|x-a|<ε} = Uε(a)−{a} [FischerDef.3.1(3.4)(p.207)]
= (a−ε,a )∪(a,a+ε) [FischerDef.3.1(3.5)(p.207)]
半径εは正ならばどんなに小さくてもよい。
cf. R2におけるε近傍、Rnにおける除外ε近傍、距離空間一般における除外ε近傍定義
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