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アメリカの7回目の臨界前核兵器実験に抗議

10月1日、日本被団協はアメリカの臨界前核兵器実験に対し、東京、埼玉、神奈川の被爆者とともにアメリカ大使館前で抗議行動をおこない、以下の文書を大使館を通じてクリントン大統領に送りました。

1999年10月1日

アメリカ合衆国大統領
ウイリアム・J・クリントン閣

日本原水爆被害者団体協議会
代表委員 伊東 壮
代表委員 伊藤サカエ
代表委員 山口 仙二
事務局長 藤平 典

臨界前核兵器実験に抗議する

 貴国は、10月1日(日本時間)、7回目の臨界前核兵器実験を行なった。われわれは貴国が昨年9月に、2005年までの7年間に、毎年4回の割で臨界前核実験を行なう予定であることを発表して以来繰り返し、核兵器にかかわるすべての実験を取りやめるよう要求してきた。
  それは、われわれ自らが体験した地獄の苦しみくり返されてならないとねがうからである。貴国が投下した原爆によって家族を殺され、自らも後障害に苦しんでいるわれわれ被爆者は、「この地球上に核兵器の犠牲者を2度とつくり出してはならない」と心から願っている。この悲願を踏みにじる貴国と貴大統領に、満身の怒りを込めて抗議する。

 貴国は臨界前核兵器実験はCTBT(包括的核実験禁止条約)に違反しないと言い張っているが、核兵器の性能維持と新型核兵器の開発につながる実験であることになんら変わりはない。
  核兵器の使用については、先に国際司法裁判所で「国際法違反」の勧告的意見がでたところである。昨年末の国連総会は、一日も早く核兵器廃絶の国際条約締結の交渉を始めるよう決議した。今年5月のハーグ市民平和会議も、核兵器廃絶条約の促進をアジェンダにかかげた。
  貴国の臨界前核実験の強行は、こうした国際世論に逆行する暴挙である。貴国が核抑止論の立場をとり続けていることが、インド、パキスタンはじめ諸国に核兵器の拡散を誘発し、地域的な核戦争の危機を招いていることを見るべきである。

 私たちは全人類の名において貴閣下に要求する。
1 臨界前核兵器実験の計画を中止せよ。
2 他国に率先して核兵器の放棄を宣言せよ。
3 核兵器廃絶への実効ある行動を開始せよ。
4 期限を切って核兵器を廃絶するための核兵器廃絶国際条約を締結せよ。