被団協新聞

北朝鮮の核実験実施に抗議

北朝鮮の核実験実施に抗議する
直ちに6カ国協議を再開せよ

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、9日午前、地下核実験を行なったことを発表した。
  61年前の戦争で、実際に核戦争の地獄を体験したわれわれ原爆被害者は、核兵器は人類絶滅を目的とした悪魔の兵器以外のなにものでもないことを指摘し、すみやかな核兵器の廃絶を世界に訴え続けてきたものとして、北朝鮮の核兵器の実験実施に、怒りをもって強く抗議する。
  北朝鮮からの報道によれば、放射能汚染の危険はない、北東アジアの平和と安全に寄与するとしている。しかし、核兵器の開発実験は放射能漏れなど環境破壊の問題ではなく、まさに、人類との共存が許されない、人類絶滅兵器を手にもつ意思の表明にほかならず、北東アジアにさらなる緊張をもたらした。
  われわれ原爆被害者は、いかなる理由があろうとも、核兵器を国の安全を保持する兵器として選択することを断じて許すことはできない。地球上には2万発以上の核兵器が実戦配備され、その使用の危機は依然去っていない。核兵器の使用は地球と人類の破滅をもたらすだろう。

  北朝鮮の核実験実施に対して、われわれ原爆被害者は強く抗議し、北朝鮮と核保有国、国連総会に以下のことを要求する。

1. 北朝鮮は、核兵器の開発・実験をただちにやめよ。
2. 6カ国協議を直ちに再開し、北東アジアの非核化の協議を開始せよ。
3. アメリカをはじめとする核保有国は、核兵器廃絶にむけての2000年NPT再検討会議の合意を誠実に実行せよ。
4. 国連総会は核実験完全禁止条約(CTBT)の完全実施と核兵器禁止条約の締結をめざせ。

2006年年10月10日
日本原水爆被害者団体協議会