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北朝鮮の核実験予定に対する声明

北朝鮮の核実験実施声明に憂慮し、直ちに計画の撤回を求める

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)外務省は、10月3日、核実験を行うことを発表しました。
  61年前の戦争で、実際に最初の核戦争の地獄を体験した私たち原爆被害者は、核兵器は人類絶滅を目的とした悪魔の兵器以外のなにものでもないことを指摘し、すみやかな核兵器の廃絶を世界に訴え続けてきました。
  61年たった今日も、原爆の放射線による後遺症と、心に刻まれた癒されない傷によって苦しみ続けている私たちは、北朝鮮の核兵器開発の方針を容認することはできません。実験実施計画のすみやかな撤回を要求します。
  アメリカに対抗する外交手段として、北朝鮮は核兵器の開発を進めていることを、これまでもたびたび表明してきました。北朝鮮のこのような危険な言行、瀬戸際外交について、私たちは、抗議あるいは声明をもって憂慮を示し、根本的な解決の道として6カ国協議の役割に期待することを表明してきました。
  一方で、核保有国は、核兵器の廃絶をめざす2000年NPT再検討会議の合意を誠実に実行に移そうとはせず、いぜんとして、核抑止論の神話をつくりあげ、核兵器による防衛政策を捨てようとしていません。さらに、最近のアメリカとインドの原子力協力協定に示されるように、インドの核兵器保有にお墨付きを与えるアメリカのダブルスタンダードは、核兵器の廃絶を願う世界の潮流に水を差すものです。
  私たちは、北朝鮮の核兵器開発政策を撤回させるために、アメリカをはじめとする核保有国の核兵器廃絶への誠実な意思と努力を強く求めるものです。
  いかなる理由があろうとも、核兵器を国の安全を保持する兵器として選択することを、原爆被害者は断じて許すことはできません。

  北朝鮮の核実験実施声明を受けて、私たちは以下のことを要求します。

1. 北朝鮮は核兵器開発の方針を放棄し、実験の計画を直ちに撤回すること。
2. すみやかに6カ国協議を再開し、話し合いをもって、北朝鮮の核兵器開発、実 験のたくらみを中止させること
3. アメリカを先頭として、核保有国が核兵器廃絶にむけての誠実な証を示すこと。

2006年年10月6日
日本原水爆被害者団体協議会