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アメリカの18回目の臨界前核実験に抗議

2002年8月30日

アメリカ合衆国大統領
ジョージ・W・ブッシュ 殿

日本原水爆被害者団体協議会

われわれは、アメリカの臨界前核実験に厳重に抗議する

米国は本日(現地時間29日)、通算18回目となる臨界前核実験をネバダ州の核実験場で行なった。このことは、ブッシュ政権が、世界世論の非難をよそに、新たな核兵器の開発と爆発をともなう核実験の再開をももくろむ、「核態勢見直し」政策をどこまでもおし進めようとしていることを明白に示している。
 核兵器の廃絶は人類生存にとっての緊急の課題であり、アメリカの核態勢の見直しは、2000年5月NPT再検討会議での「自国の核兵器の完全な廃絶を達成するという明白な約束」を反故にする裏切り行為であり、許すことはできない。
 ブッシュ政権は、イラクに対する核兵器使用をも選択肢に入れた先制攻撃の脅迫を露骨に行っており、9.11以降の、国連憲章、国際法を無視した覇権的、単独行動主義には目に余るものがある。
広島・長崎でアメリカの原爆を受け、非人道残虐きわまる体験をしたわれわれ被爆者は、ブッシュ政権のこの傍若無人の行為に対して、渾身の怒りをこめて抗議する。

われわれは、アメリカ政府に要求する
臨界前核実験の計画をただちに放棄せよ。
 「核態勢見直し」政策を撤回し、NPT再検討会議での「自国の核兵器の完全な廃絶を達成するという明白な約束」を誠実に実行にうつせ。
 核兵器廃絶の国際条約締結のための多国間交渉をただちに開始せよ。