被団協新聞

非核三原則見直し発言に抗議

日本被団協は、第47回定期総会で以下の特別決議を採択しました。

                             

〔特別決議〕 「非核3原則」の見直し発言に抗議する

 福田康夫官房長官は、5月31日、「非核3原則は変わることだってある」「核兵器を日本が持つことは、理屈から言えば持てる」などと発言した。
 これに先立って、安倍晋三官房副長官は、「大陸間弾道弾の保持についても憲法上問題ない」などとのべていた。  私たち広島・長崎の原爆被害者は、この発言を重大に受け止めている。核兵器を持つということ、大陸間弾道弾を持つということは、核兵器の使用を前提にするものである。唯一の被爆国である日本が、核兵器による犠牲者=ヒバクシャを世界に新たにつくり出そうとする発言である。
 世界のどこにもヒバクシャをつくるなと叫び続けている私たち被爆者の願いを、踏みにじる発言である。
 核兵器ほど強力な武力はないのであり、これがなぜ「武力による威嚇」「武力の行使」を禁止し、「戦力は保持しない」と明記している日本国憲法に違反しないのか、私たちは政府の勝手な解釈に戦慄を覚える。
 今年1月、アメリカ政府がアメリカ国会に提出した「核戦略態勢の見直し」計画では、朝鮮半島、台湾海峡などでの有事には核兵器を使うことをシナリオに組んでいた。その場合の日本の支援・参戦問題が論議されていたが、今度の政府首脳らの発言はこれに呼応するものである。

   

 私たち原爆被害者は、抗議を込めて要求する。
 1 政府首脳らは、核兵器の所有を容認する発言、非核3原則を見直す発言を撤回せよ。
 2 日本政府は、非核3原則を直ちに法制化せよ。
 3 日本政府は、被爆国としてのイニシアティブを発揮し、核兵器廃絶のための国際会議を早急に開催するよう尽力せよ。

2002年6月5日
日本原水爆被害者団体協議会第47回定期総会