被団協新聞

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「被団協」新聞2015年 5月号(436号)

2015年5月号 主な内容
1面 核のない世界へ ヒロシマ・ナガサキのねがい 初参加がんばります
ニューヨークでおまちしています
2面 NPT会議へ各地で壮行会
非核水夫の海上通信129
3面 広島県被団協 若者に伝えたいヒロシマ 大学生と共同で70年企画
さよなら原発まつり
4面 相談のまど 医師から「高齢者の子宮がん健診は不要」と言われましたが…

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初参加がんばります

日本被団協NPT代表団



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二世の役割果たす 蛯名滿(宮城)
 NPT再検討会議に初めて参加させていただきます。責任の重さを感じる一方、せっかくの機会なので、全世界の人々に唯一の被爆国の代表として、「核のない世界」の実現を目指して被爆の実態を語り、見てもらって理解と協力を得られるよう努力します。団のみなさんと力をあわせて活動し二世としての責任を果たそうと考えています。




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固い決意抱き 家島昌志(東京)
 NPT再検討会議に派遣予定の東友会代表は、被爆者7人、二世2人ですが、胎内被爆者をはじめ被爆体験の記憶のない若い人たちが中心です。
 身内の被害や家族から聞いた話など、原爆の被害を深刻に受け止め、学習を重ねるなかで、二度と核戦争の被害者を出してはならないという固い決意を抱いています。
 短い期間ですが、参加するからには、できる限りの証言と要請行動に参加して、1日も早い核兵器廃絶を訴えてきたいと思います。




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息子に背を押され 加田弘子(岐阜)
 息子の「何を迷っている。行ってきなさい」の一言に背を押されて参加します。
 75年来の広島の同級生は、「私たちの代表」と、押し花入りの栞(しおり)をいっぱいつくって、お土産として託してくれました。
 「平和は歩いてこない。知っている者は語ろう。知らない者は学ぼう」を胸に、被爆体験と平和への思いを語ってきます。




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平和の伝言掲げ 柿田富美枝(長崎)
 被爆者は高齢になり、体調がすぐれず、NPTに行きたくても行けない人がいます。代わって被爆者の願いを訴え、被爆二世の思いを世界の人々に伝え、核兵器廃絶のため精いっぱい頑張ってきたいと思います。
 3月の二世の会の原爆写真パネル展でハートの形の布に、被爆者、二世、市民、子どもたちから書いてもらった平和のメッセージを横断幕につけ、ニューヨークで行進してきます。


ニューヨークでおまちしています



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 ニューヨークでは、現地在住のボランティアの方々が「日本被団協ニューヨーク事務局のつもりで働こう」と名乗りを上げ、証言の場の設定や通訳、パレードのサポートなど、準備を整えて代表団を待っておられます。ボランティアの中心的役割をはたしているお一人の、オハロラン美紀さんからのメッセージです。

* * *


 
 いよいよ被爆者のみなさまが渡米される時期が近づいてきました。私たちニューヨーク近郊在住の日本人ネットワークにとっては、私たちもひとつになる5年に一度の大イベントです。被爆者のみなさまがはるばるいらして証言活動等をしてくださる姿には、みな心打たれ、不思議な力が湧き出てくる気がします。
 滞在中、至らないところもあるかもしれませんが、できる限りサポートさせていただきますので、どうぞ安心していらしてください。みなさまにお会いできる日を楽しみにしています!
オハロラン美紀


NPT会議へ各地で壮行会


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神奈川 ”市民が状況動かす”

 神奈川、静岡、山梨各県生活協同組合連合会の2015年NPT再検討会議生協代表団結団式が2月21日横浜市の神奈川県トラック総合会館で開かれ、生協からの派遣予定者とともに、神奈川県原爆被災者の会からの日本被団協代表団員を含む被爆者20人が参加しました(写真)。
 NPO法人ピースデポの湯浅一郎代表が「核兵器をめぐる世界の動きと2015年NPT再検討会議」と題して基調講演し、「核と人類は共存できないという信念を持った一人一人の取り組みこそ状況を動かす原動力」と市民の取り組みの大切さを強調しました。
 壮行会では、生協の2団体から、県原爆被災者の会へ、支援募金が贈呈され、中村雄子県原爆被災者の会会長がお礼をのべました。

鳥取 被爆者の声広げる

 3月13日とりぎん会館で、鳥取県生協と鳥取県生協連合会共催の「鳥取ピースアクション2015平和講演会」が開かれました。
 前広島平和文化センター理事長のスティーブン・リーパーさんが講演し、核廃絶をめざす運動の背景や経過について説明、NPT参加に際して大変参考になりました。
 講演後、NPT再検討会議に出席する鳥取県内の参加者5人のうち4人が決意を表明。県原爆被害者協議会の石川行弘事務局長(写真)は、国連やNPT(核兵器不拡散条約)の性格について見解をのべたあと、オーストリアのNPTに向けての提言に、日本政府は賛同しない意向だが、世界の大多数の国々は核兵器の禁止・廃絶との考えであり、5大国が関わらざるを得ないNPT再検討会議を盛り上げる必要性が高いと述べ、被爆証言やデモ行進に参加し、原爆被爆者の考えを広めたいと決意を表明しました。(石川行弘)


広島県被団協 若者に伝えたいヒロシマ 大学生と共同で70年企画

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 4月5日、広島県被団協は「次世代への継承」をテーマに「若者に伝えたいヒロシマ講座・空白の十年」を広島国際会議場で開きました。当初200人を予定していましたが、280人が参加し、会場は高校生・中学生・大学生、若い人たちであふれました。
 池田精子さんが、これまで人には明かしたことのない被爆後十年間の差別や苦しみについて語り、被爆者みずからが立ち上がって被団協を結成し、原爆医療法を実現していった歴史を感動的に講演しました。中国新聞編集委員の西本雅実さんは、動画を使って被爆1年後、3年後、5年後の被爆者の実態を伝え、資料的価値の高い講演でした。
 広島県被団協は今回の企画を、広島の大学生とともに実行委員会をつくり論議を重ねて準備しました。ポスター作成や当日の司会も学生が担当し、文字通り若い世代によって実現ました。6月にも第2弾の70年企画を行ない「継承」をすすめていく予定です。(清水弘士)


さよなら原発まつり 山梨

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 3月8日、山梨県のJR甲府駅北口よっちゃばれ広場で「さよなら原発2015」が開かれました。実行委員会主催で600人が参加。メイン集会では福島からの避難者、広島の被爆者、女性、若者が発言。被爆者は「核兵器廃絶、原発廃炉」を訴えました。集会アピールを確認し、原発廃炉を求め舞鶴公園までパレードしました。甲府駅北口の藤村記念館での「原爆パネル展と被爆証言」では、広島の被爆者が証言しました。(中島辰和)


相談のまど 医師から「高齢者の子宮がん健診は不要」と言われましたが…

 【問】私は現在80歳ですが、被爆者の子宮がん健診を受けようとしたところ、医師から「高齢者は子宮孔が狭くなっていて、検査器具が入りにくくて傷つきやすい。高齢者の子宮がん健診は不要」と言われました。
 子宮がん健診は受けなくてよいのでしょうか。どう考えたらよいか教えてください。

* * *

【答】まず、高齢者だから子宮がん検診が必要ないという決まりはありません。しかしご相談のように、検査器具の使用や細胞診検査が十分に行なえない場合もあります。それらは医師によく相談してみましょう。
 健診制度は、国民の健康を大きく前進させてきましたが、高齢者の場合、ご本人の意向も聞きながら、がん健診をあえてすすめないこともあります。高齢者の場合、がんを早期に発見しても、手術療法や化学療法、放射線療法などを行なって、日常生活を維持して生命予後を改善できるかどうか、一概に言えないからです。
 また、高齢であることをもって、がん健診を望まない方もおられます。あくまでその方ご自身の考えが尊重されるべきものと思います。
 健診であれ、なにか症状があっての保険診療であれ、希望すれば子宮がん検査(細胞診)を受けることができます。
 何よりも、被爆者として納得した人生を送ることが大切だと思います。