被団協新聞

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「被団協」新聞2015年 4月号(435号)

2015年4月号 主な内容
1面 国連本部で原爆展正式に決定
国連原爆展成功へ 日本生協連が1千万円余寄付
日本被団協 NPT再検討会議要請代表団の行動概略
ふたたびこの国を火の海にしないために
ロ大統領核兵器使用準備に抗議
2面 NPT再検討会議への期待
NPT代表団名簿
NPT再検討会議 核兵器保有国宛 要請書
2015年NPT再検討会議に向けて 被爆者からのメッセージ
被爆70年行事成功に向け団体訪問・協賛要請
非核水夫の海上通信128
3面 核兵器廃絶へ 世界動かす被爆者の訴え
ビキニ被災から61年 静岡
相談事業講習会
原爆ドームそばにかき船 見直しを広島市長に要請
4面 相談のまど 原爆症認定 健康状況届の改正について

国連本部で原爆展正式に決定

4月27日開会式典

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国連原爆展のようす(2010年)

 4月27日からニューヨークの国連本部で開かれる核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議に合わせ、日本被団協が主催する原爆展の展示案が3月10日国連展示委員会で正式に承認されました。
 展示期間は4月24日〜6月1日(延長の可能性あり)、展示会場は来訪者ロビーのメインギャラリーです。「核のない世界へ ヒロシマ・ナガサキのねがい」と題する展示は、50枚のパネルで構成され、広島・長崎両市共催、国連軍縮部、日本政府国連代表部後援です。再検討会議開会日にテープカットなど開会式典を行ないます。
 代表団がニューヨークに滞在している間、毎日会場で見学者に被爆体験を話し、核兵器の非人道性と1日も早い核兵器廃絶を訴えます。各国政府代表には来場してもらうよう案内し、世界各国から訪れる人々にも被爆者の願いに直接ふれてもらうよう期待しています。


国連原爆展成功へ 日本生協連が1千万円余寄付

 2月28日、東京・渋谷区のコーププラザで日本生活協同組合連合会のNPT再検討会議に向けた生協代表団の結団式とピースアクション2015キックオフ集会が開かれ、集会の冒頭に「NPT再検討会議・被爆者支援募金」の贈呈式が行なわれました。
 中村雄子日本被団協事務局次長は、「被爆者は高齢化しており原爆展や学校などでの被爆証言活動でのサポートをお願いしたい。生協のみなさまを頼りにしています」と挨拶。和田寿昭専務理事から、2月25日時点の募金額1097万円余の目録が中村次長に手渡され、大きな拍手が送られました。


日本被団協 NPT再検討会議要請代表団の行動概略

4月24日(金)成田発 → ニューヨーク着
 25日(土)NGO国際平和会議参加(代表)
 26日(日)核兵器廃絶のためのNGO共同行動 集会、ピースパレード
 27日(月)NPT再検討会議開会 国連原爆展開会式典 証言活動 各国政府代表に要請
 28日(火)NPT再検討会議傍聴 国連原爆展 証言活動 各国政府代表に要請
 29日(水)NPT再検討会議傍聴 国連原爆展 証言活動 各国政府代表に要請
 30日(木)ニューヨーク発
5月 1日(金)成田空港着 NPT再検討会議NGOセッションで被爆者代表が発言


ふたたびこの国を火の海にしないために

空襲被害者などが訴え

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約850人の参加者が席をうめる中、壇上で紹介される被爆者たち

 3月6日、東京の浅草公会堂で、戦後70年・戦争被害すべての解決を求める「ふたたびこの国を 火の海にしないために」集会が開かれました。
 ざ・五人囃子の邦楽演奏で始まり、開会挨拶で児玉勇二実行委員長代理が集会の歴史的意義を強調、高橋哲哉東大大学院教授が「戦後70年の歴史認識を問う-新たな戦争をゆるさぬために」と題して記念講演しました。
 高橋教授は、三国同盟締結を報じる当時の新聞や東京大空襲の惨状と昭和天皇の写真などを使い「かつての戦争を正当化しようとする歴史修正主義が幅をきかせている。新たな戦争を許さないためにも歴史を直視し、戦争責任を問い続けることが大切」と述べました。
 合唱団この灯の歌などをはさみ、臼井寛(佐世保空襲犠牲者遺族会)、安野輝子(元大阪空襲訴訟原告)、杉山千佐子(99歳・名古屋空襲被害者)、山本英典(長崎被爆者)、野里千恵子(沖縄・民間人戦争被害者の会)、星野弘(東京空襲犠牲者遺族会)の各氏が、仲間と共に、被害体験と今に続く苦しみを語り、国の補償を求め、「体験者も命ある限り頑張ります。人間の尊厳、民主主義、平和を守るため、ともに頑張りましょう」と参加者に呼びかけました。
 民間戦災死傷者への立法化の取り組みを日弁連副会長花井増實氏が紹介、田村智子、福島みずほ参院議員が挨拶、鳩山邦夫衆院議員のメッセージが紹介されました。
 小林節副実行委員長・慶大名誉教授は、今日人生観が変わった気がしたとのべ、多数派の形成、記録と情報の継承、運動を続ける資金に、せめて昼飯1回分のカンパをとのべまとめとしました。


ロ大統領核兵器使用準備に抗議

 ロシアのプーチン大統領が3月15日のテレビ番組で、昨年3月のクリミア半島での戦闘で、核兵器使用に向け準備したことを明らかにしました。日本被団協の田中煕巳事務局長は、17日、抗議の談話を発表し、抗議文を在日ロシア大使館に送りました。(全文以下)
 抗議文は、核兵器の非人道性が国際会議での解明を契機に、世界の共通認識として広がり、核兵器廃絶の動きが高まっているなか、核兵器使用を意図した行動は絶対に許せないと抗議。度重なる核実験で核兵器の破壊力と後障害の根深さは熟知しているはずであり、核兵器使用を考えるのではなく、非人道きわまる核兵器の全廃への道をすすむよう要求しています。

* * *

[抗議談話]
ロシア大統領ウラジミール・プーチン殿
日本原水爆被害者団体協議会 田中 煕巳

 貴大統領は3月15日のテレビ番組で、昨年3月、クリミア半島での戦闘で、核兵器使用に向けた準備をしたことを明らかにされた。
 70年前、広島、長崎で原爆被害を受けた私と全国の被爆者は、核兵器の使用を前提にしたこの措置に、強い怒りをこめて抗議する。
 核兵器がいかに残虐・非道の兵器であるか、私たちは身体で体験した。広島、長崎で一発ずつの原爆によって、21万人が殺され、傷つき、70年たってもなお、後遺障害で苦しんでいる。
 核兵器がいったん使われたら、いかなる医療手段によっても救済するすべがないことは、国際政治の共通の理解になっている。一昨年、昨年に開かれたオスロ、ナジャリット、ウイーンの各国際会議は、核兵器の非人道性を重ねて明らかにした。核兵器は人類と共存できない悪魔の兵器である。この間のNPT再検討会議準備委員会および国連総会第一委員会での5回におよぶ共同声明は、核兵器を使用しないことが人類の利益であり、核兵器の不使用を保証できるのは核兵器の廃絶以外にないことを声明している。今年4月から5月にかけて開かれるNPT再検討会議の主要議題は、核兵器の廃絶である。
 貴国は数多くの核実験を重ねており、核兵器の破壊力と後障害の根深さについては熟知しておられるに相違ない。国際会議で核兵器の非人道性が討論され、廃絶への提案が幾度となく可決されていることも、十分承知のことと拝察する。
 こうした国際的な懸念と願望を無視して、貴大統領は核兵器使用を準備した。私たち被爆者は貴大統領の措置に厳しく抗議する。このさい貴大統領は、核兵器を使うことを考えるのではなく、非人道きわまる核兵器の全廃への道を進むよう要求する。


NPT再検討会議への期待

(日本被団協事務局長・田中煕巳)

 2015年NPT再検討会議が間もなく開かれます。焦点は核兵器廃絶に向けての法的枠組みの交渉開始について同意が得られるかどうかです。

核廃絶、加盟8割が賛同

 前回再検討会議以来、核兵器の非人道性に注目した共同声明(5回)や核兵器の使用による破局的被害についての国際会議(3回)が重ねられました。核兵器が使用されると被害は国境を越えて広がり、どの国際機関、国家も救援は不可能で、核兵器の不使用が人類の利益であり、不使用を保証するには核兵器を廃絶する以外にないことが明らかにされました。再検討会議を半年後に控えた昨年10月の共同声明には国連加盟国の8割が賛同しました。
 核保有国と同盟国は、核抑止力によってのみ世界の安全は保たれるとのドグマにしがみつき、再検討会議での議論が、核兵器禁止条約に向かうことを極度に警戒しています。
 クリミヤ半島をウクライナ共和国から奪い取ったロシアのプーチン大統領が、核兵器使用の準備を軍に命じていたことが再検討会議を前に報じられ、世界の怒りをかっています。会議の焦点が核兵器の非人道性から、核抑止力による安全保障論議に引き戻されかねません。

力合わせ非核世界実現へ

 オーストリア政府は再検討会議の開催を前にして、昨年12月のウィーン会議で発表したオーストリアの「誓い」への各国の賛同を求めています。日本政府はこの求めに対して、早くも安倍総理の言葉で「賛同」を表明しないとしています。
 安倍政権は日本の軍事大国をめざし、戦争をする国に変えようとしています。日本政府が唯一の核戦争被害国にふさわしい行動をとるよう強く要請していく必要があります。
 日本被団協は前回、前々回につづき、国連総会場ビルのメインギャラリーでのパネル展示と被爆証言をはじめ、ニューヨーク内外で代表団が原爆被害の実相を伝えます。
 日本被団協以外のさまざまな団体も核兵器禁止、廃絶の署名を多数、国連に届け、さまざまな会合を開きます。
 幅広い団体、個人と力をあわせ、1日も早い核兵器のない世界の実現を力強く世界に呼びかけていきましょう。


NPT代表団名簿

 団長=谷口稜曄(長崎)。副団長=田中熙巳(埼玉)。事務局長=木戸季市(岐阜)。事務局次長=児玉三智子(千葉)、中村雄子(神奈川)、藤森俊希(長野)。団員=眞田保(北海道)、齋藤政一(岩手)、齋藤ミヨ子(岩手)、齋藤政一息子(岩手)、木村緋紗子(宮城)、D名滿(宮城)、吉村和弘(埼玉)、坂下紀子(埼玉)、家島昌志(東京)、今井和子(東京)、木村徳子(東京)、木村祐子(東京)、田崎豊子(東京)、東條明子(東京)、浜住治郎(東京)、平山雪野(東京)、堀場和子(東京)、村田未知子(東京)、福島富子(神奈川)、塩瀬康雄(神奈川)、和田征子(神奈川)、宇田茂樹(岐阜)、加田弘子(岐阜)、西本多美子(石川)、池田治夫(石川)、土屋圭示(岡山)、箕牧智之(広島)、中村澄子(広島)、石川行弘(鳥取)、松浦秀人(愛媛)、南嘉久(福岡)、藤田浩(福岡)、田中重光(長崎)、柿田富美枝(長崎)、中山高光(熊本)、中山真弓(熊本)、中山隆(熊本)、中山美生(熊本)、医師=中澤正夫。写真=滝沢清次。事務局=欠塚道子、大幡洋子、川瀬朋美、中村ゆき(現地合流)。


NPT再検討会議 核兵器保有国宛 要請書

日本原水爆被害者団体協議会
 代表委員 坪井 直
 代表委員 谷口 稜曄
 代表委員 岩佐 幹三
 事務局長 田中 熙巳

 私たち日本被団協は、いまから70年前、1945年8月6日、9日、米軍が広島と長崎に投下した原子爆弾を生身で体験しかろうじて生き残った被爆者の全国組織です。
 あのとき私たちが見たものは、想像を絶するおぞましい光景でした。生きとし生けるものすべてが、この世でかつて経験したことのない巨大な破壊力によって生命を奪われ、傷つけられ、町は焼きつくされ、死の街と化しました。ただ一面の焦土、その中に見るものは多数の死者、苦痛にもだえる負傷者たち…「地獄」としか言いようのない惨たらしさでした。目に見えぬ放射線は、生き延びた者の体を蝕み、傷めつづけています。
 被爆者は、核兵器の本質、「絶滅兵器」としての恐ろしさを身をもって体験しました。核兵器は、人間的なものの一切を奪う「悪魔の兵器」です。人間と共存はできません。どんな理由があっても使ってはなりません。使わせてはなりません。3発目の使用を許すなら、人類の破滅をもたらします。核兵器が世界に存在する限り、核戦争の危険がつきまとい、人類は絶滅の危機にさらされつづけます。
 私たちは、あの日から70年、「核戦争起こすな、核兵器なくせ」「ふたたび被爆者をつくるな」「ヒロシマ・ナガサキを世界のどこにもくりかえさせるな」と声をかぎりに訴え続けてきました。
 2010年4月、赤十字国際委員会総裁は、核兵器の非人道性に注目し核兵器削減、廃絶への外交を強めることを訴えました。2010年NPT再検討会議はその合意文書で「核兵器のいかなる使用も壊滅的な人道的結果をもたらすことに深い懸念」を表明し、2015年再検討会議第1回準備委員会で、核兵器の非人道性に関する「共同声明」が出され、「核兵器の人道的影響に関する国際会議」の開催を提唱しました。5回の共同声明、3回の国際会議を重ね、2015年のNPT再検討会議を迎えます。いまでは圧倒的多数の国と地域が「核兵器のない世界」実現に力をつくしており、私たちは励まされています。
 すべての核保有国の国家元首、政府代表のみなさんに要請します。
 2000年NPT再検討会議でみなさんが約束し、2010年に再確認した「保有核兵器の完全破棄を達成するとの核兵器国による明確な約束の履行」を速やかに実行してください。
 核抑止力による安全保障ではなく、相互信頼に基づく安全保障政策に転換し、核兵器廃絶へ大きく踏み出してください。
 法的枠組みについての交渉開始を検討し、速やかな核兵器の廃絶にむけて勇気ある大きな第一歩を踏み出してください。
 国連総会ビルのメインギャラリーで日本被団協が開催する原爆展「核兵器のない世界へ-ヒロシマ・ナガサキのねがい」を見に来てください。被爆者らの命がけの訴えに耳を傾けてください。


2015年NPT再検討会議に向けて 被爆者からのメッセージ

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 2015年NPT再検討会議に向けて『被爆者からのメッセージ』(A4判16ページ)の普及が広がっています。2000部作成のうち、これまでに国内で1300部が普及されています。NPT再検討会議への日本被団協代表団は英語版を持参し、各国政府への要請や国連での原爆展、学校での被爆証言などで普及する予定です。
 『被爆者からのメッセージ』は、被爆者が語った体験や思いを、若い世代が聞き取って書き起こす共同作業で作られています。被爆者と、その思いを受け継ごうとする人々との共通の願いが込められています。
 冊子は「被爆したときのこと」「その後の人生について」「いま、被爆者として訴えたいこと、世界と次世代の人びとにこれだけは伝えておきたいこと」の3項目と聞き取り手の感想の4項目で構成。作成した日本被団協とノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会は、核兵器のない世界の実現へ被爆者の思いを一人でも多くの人にと普及を呼びかけています。1冊200円、送料別。データは両会のホームページからダウンロードすることもできます。


被爆70年行事成功に向け団体訪問・協賛要請

 日本被団協は被爆70年に予定している取り組みの成功のため、2月3日から3月12日にかけて諸団体を訪問、協力を要請しました。
 要請先は全日本民主医療機関連合会、全国労働組合総連合、全国空襲被害者連絡協議会、全国保険医団体連合会、反核医師の会、日本青年団協議会、全日本教職員組合、全国地域婦人団体連絡協議会、日本反核法律家協会、日本母親大会連絡会、日本自治体労働組合総連合、新日本婦人の会、日本宗教者平和協議会、日本生活協同組合連合会、原水爆禁止日本協議会、原水爆禁止日本国民会議(敬称略、訪問順)。
 NPT再検討会議の期間中に開催する国連原爆展や代表団派遣を支える募金を訴えたほか、日本被団協主催で開く8月5日の集会と、日本被団協をはじめとする実行委員会が開く10月17日の集会について、協賛や募金の協力を要請しました。


核兵器廃絶へ 世界動かす被爆者の訴え

NPT再検討会議学習会
 3月10日、東京・港区の芝弥生会館で日本被団協主催のNPT再検討会議学習会が開かれ、東京・首都圏を中心に26人が参加しました。日本原水協代表理事の高草木博さんが「第9回NPT再検討会議の焦点と被爆者のみなさんへの期待」と題して講演、参加者は、核兵器廃絶をめぐる世界と日本の動き、被爆者の役割などを学びました。
 高草木さんは講演の冒頭、「被爆者のみなさんに期待すること」として、2010年に潘基文国連事務総長が、核兵器のない世界は地平線上に現れている、それを達成するのはみなさんだ、核兵器をなくすことは国際政治の合意で、みなさんの政府が実行しているかどうか見張って欲しいと呼びかけた言葉を引用。「被爆者のみなさんに期待することは、70年前から苦労を重ね、言いたくないこともたくさんあったと思うが、それを克服しながら核兵器が使われたらどうなるか、70年間、被爆者はどうたたかって来たかを語ることではないか」とのべ、被爆者の訴えが世界を動かしていると強調しました。
 「核兵器のたたかいはどこまできたのか」など国内外の動きを明らかにし、被爆70年を転換の年にと呼びかけました。


ビキニ被災から61年 静岡

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 太平洋ビキニ環礁での米国の水爆実験で、焼津港所属のマグロ漁船第五福竜丸など千隻を超す漁船や、マーシャル諸島の住民が被曝したビキニ事件から61年の3月1日、焼津市内で、平和団体による墓参行進や「被災61年3・1ビキニデー集会」が開かれました。全国から千人が参加、核兵器廃絶を誓い市民に訴えました。
 焼津駅からビキニ事件で犠牲になった久保山愛吉さんの墓がある弘徳院まで約3キロ、雨の中を行進しました。墓前祭では読経、献花の後、日本被団協田中煕巳事務局長が「核兵器の被害は私を最後にしてほしい」との久保山さんの言葉を読みあげ核兵器廃絶に力を尽くすことを誓いました。
 午後1時から焼津市文化センター大ホールで開かれた「被災61年3・1ビキニデー集会」では、県実行委員会を代表して川本司郎静岡県原水爆被害者の会会長が「日本政府は今年こそ、核兵器全面禁止運動の先頭に立って欲しい」とのべ、NPT再検討会議、被爆70年の行動成功を呼びかけました。


相談事業講習会

今こそ語り続けよう=四国ブロック

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 四国ブロックの被爆者相談事業講習会が3月4日〜5日、高松市のオークラホテルで開かれ、26人が参加、交流を深めました。
 初日は、伊藤直子日本被団協原爆被爆者中央相談所委員が「被爆70年 被爆者相談事業に今大切なこと」と題して、藤森俊希日本被団協事務局次長が「被爆70年を前に『自らを救い人類の危機を救う』被爆者」と題してそれぞれ1時間講演、質疑応答で理解を深めました。
 2日目は「被爆者は原発をどう伝えるべきか」と題して松浦秀人愛媛県原爆被害者の会事務局長が講演、質疑応答後、各県の活動を報告し合い交流しました。病気の悩みや原爆症認定の申請方法、後継者問題などが話し合われました。
 樫昭二高松市平和団体協議会事務局長、松永始香川県原水協筆頭代表理事が来賓として出席、挨拶をいただきました。


原爆ドームそばにかき船 見直しを広島市長に要請

 広島市が、平和記念公園近くの平和大橋下流で係留営業しているかき船を原爆ドームに近接する元安橋下流左岸に移動・新設することを決定したことについて、広島県被団協と日本被団協は3月20日、松井一實広島市長に市民や被爆者の徹底的な議論が必要との日本イコモス(国際記念物遺跡会議)の提起にそって検討し直すよう要望書を提出しました。
 被爆を象徴する世界文化遺産の原爆ドームそばに、かき船を係留・営業することがふさわしいか、市民や被爆者、団体などが強い疑念を表明しています。
 ユネスコの諮問機関でもある日本イコモスは、世界文化遺産である原爆ドームのバッファゾーン(緩衝地帯)は、鎮魂と平和への祈念の意味との深い繋がりをもったエリアとして認識されるべきだとして、市に再検討を求めています。


相談のまど 原爆症認定 健康状況届の改正について

 【問】私は大腸がんで、6年前に原爆症の認定を受け、医療特別手当を受給しています。今年の5月には、3年毎の医療特別手当健康状況届を提出することになります。
 最近この健康状況届について、「改正」が行なわれたと聞きました。それはどのようなものでしょうか。
 大腸がんについて、医師からは「再発や転移は認められていない」と言われています。
(男性・80歳)

* * *

 【答】平成25年12月に原爆症認定制度の在り方に関する検討会が、厚労大臣に「原爆症認定の在り方について」報告書を提出した際に、「かなり長い期間、漫然と要医療性があると認められてきたケースが存在する。要医療性の範囲の明確化や、要医療性の有無を客観的に確認することが適当」と提言を行ないました。この結果、昨年5月の健康状況届から施行規則が改正されました。
 改正点は、医療特別手当用の診断書にある「認定疾病に対する治療状況」の記載事項が詳細になったこと。白内障については、申請から1年後に健康状況届の提出が必要になったことなどです。
 悪性腫瘍(がん)、白血病に関して、再発した所見がない場合には、医療特別手当の支給は、手術などの根治的な治療の後、概ね5年は継続できる。ただし、乳がん、腎盂がん、尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、甲状腺がんその他で、再発の可能性が特に長期にわたる疾患の場合は、概ね10年とするというものです。
 医療特別手当は、原爆症と認定された疾病で、現在も受診して治療を受けている場合に支給されるものですから、認定疾病が治癒して、受診の必要が無い場合は、特別手当に切り替わることになります。