日本被団協はアメリカ政府に対し、未臨界核実験を行わないよう再三要請をおこなってきましたが、7月3日未明(日本時間)に実験を強行しました。これに対し日本被団協は、4日首都圏の被団協の協力で、渋谷駅頭でチラシを配布し、抗議行動を行いました。さらに代表がアメリカ大使館をおとずれ、抗議文(以下)を渡し、抗議しました。
1997年7月4日
アメリカ合衆国大統領
ウイリアム・J・クリントン閣下
日本原水爆被害者団体協議会
代表委員 伊東 壮
代表委員 伊藤 サカエ
代表委員 山口 仙二
事務局長 藤平 典
われわれは、貴国が1945年8月6日に広島、9日に長崎に投下した原爆によって被害を受けた、原爆被害者の団体である。
われわれは被爆以来、「ふたたび被爆者をこの地球上につくるな」と叫び、すべての核兵器を地球上から一掃するよう世界に訴えつづけてきた。この訴えが、国際司法裁判所での勧告的意見となり、CTBT(包括的核実験禁止条約)の採択となり、国連総会での度重なる「核兵器廃絶決議」となるなど、核兵器廃絶が世界の世論になってきていることに、われわれは大きな励ましをうけている。
しかるに貴国は、こうした世界の世論に背を向けて、ネバダ核実験場で、未臨界の核兵器実験を強行した。
貴国はこれにつぃて、現存する核兵器の信頼性を調べるためといっている。しかし核兵器の信頼性とは、大量殺りくの有効性の確認にほかならない。
地球上に新たな核被害者をつくりだすことにつながる核兵器実験は、どんな形での実験であれ、われわれは絶対に許すことはできない。
日本被団協は6月10日に、貴国に対し未臨界核実験の中止を求めた。これを無視しての実験強行に、全身からの怒りを込めて抗議し、要求する。
1 アメリカは、未臨界核実験をふくめてすべての核実験をやめよ。
2 アメリカは、核兵器廃絶の国際条約を締結せよ。
3 すべての核兵器を廃棄せよ。