被団協新聞

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「被団協」新聞1997年 10月号(225号)

アメリカは臨界前核実験をやめよ−米に抗議、政府・政党に要請

アメリカ政府は9月19日(日本時間)未明、ネバダ核実験場の地下で2回目の臨界前核実験を強行しました。

 日本被団協は、直ちに首都圏の被団協に呼びかけ、アメリカ大使館に抗議、日本政府と各政党に抗議の姿勢を明らかにせよと要請する行動を40人参加で行ないました。

 行動に先立ち、臨界前核実験について学習。コンピュータを使った「見えない核兵器開発」に厳重な監視が必要であること。核兵器実験は、どんな種類のものであっても核兵器使用を前提にしているのだから、絶対に許せないことを確認し合いました。

 アメリカ大使館前では、クリントン大統領にたいする日本被団協と東友会の抗議文を読み上げ、「核兵器実験やめよ」「核兵器なくせ」「ふたたび被爆者をつくるな」と唱和をぶつけました。

 政党要請では、民主、共産、公明、新社会、さきがけが対応しました。 今回の実験では民主、さきがけが抗議声明、共産が赤旗主張で抗議、社民が大使館を訪ねて抗議・要請しました。

 今回の実験は、77グラムと50グラムの二つのコイン状プルトニウムのそばで100グラムの高性能火薬を爆発させたと伝えられています。これは、コンピュータの中で仮想的に核爆発実験を再現できる「パーチャル核実験」の技術獲得が目的だと専門家たちは指摘しています。

平和公園で座り込み−広島 終日抗議行動

 被爆地広島では、平岡敬市長が抗議文をクリントン大統領あてに送り、広島県被団協(伊藤サカエ理事長)など13団体が参加する「核兵器廃絶広島平和連絡会議」の人びと130人が、平和公園で午後6時から30分間、抗議の無言の座り込みをしました。

 これに先立つ午後零時15分からは、広島県被団協(金子一士理事長)など7団体120人が抗議の座り込みをしました。この日平和公園一帯は終日抗議の行動がつづきました。

長崎でも平和公園で

 長崎では、伊藤一長市長が19日、アメリカに抗議文、日本政府とロ、英、仏、中に要請文を送りました。

 平和公園の平和祈念像前では抗議の行動がつづき、21日には「核実験に抗議する長崎市民の会」(谷口稜曄代表)が「被爆者はいかなる核実験も許さない」と1時間の座り込みをしました。

北海道も抗議文

 北海道被団協は19日、札幌にあるアメリカ領事館経由で、抗議文を大統領に送りました。

ノーベル賞のハンス・ベーテ博士 大統領に書簡

 アメリカの原爆開発に関与した物理学者が、米大統領に「臨界前核実験はやめるべきだ」とする書簡を送っていたことが共同電で分かりました。

 この人はノーベル賞受賞者で90歳のハンス・ベーテ博士で、「模擬実験は新型の核兵器開発につながる恐れがある」と指摘しています。