番外編
 
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「太陽の欠片3」
 
【K】
 
 陽炎が揺らめく。
 幻覚が見える。
 声が聞こえる。
 街がざわめく、ウルサイ季節。
 
 苛立ちながら、泣いていた。
 どうして、ここにいるんだろう。
 何もしなくても、時が流れる。
 想い出が、流されて行く。
 あの子は、どんな顔だった?
 あの子と、何を話した?
 わからない。
 繋ぎ留めることができない記憶。また一つ、消えた。
 
 ピインと高い音を響かせて、ギターの弦が切れた。
「つッ!」
 手を引っ込める。
 大して痛くはないけれど、赤い筋が腕に一筋。
 
 すっと、その手を取られた。
 小さい手が包み込んで、まるで自然なことのように、ゆっくりと唇が寄せられた。
 
 ペロリ。
 
 赤い筋が、赤い唇で塞がれた。
 強烈な太陽が、床に黒い影を作っている。
 
 痛い。無理やり傷がこじあけられるような痛さ。
 頭が、痛い。
 
「……あっ」
 
 気がつけば、小さな体を抱き締めていた。
 間違うな!と声がする。
(間違うな!あの子はもういない!代わりにするつもりか!)
 
 小さな体は、俺に身を委ねている。
 手が…俺の手が……アキの首を捕らえた。

 
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