ちょっと小さくてわかりずらいかもしれませんが、
これが、噂の(?)グリーンパークのデッキチェアです。
その昔、「地球の歩き方」をパラパラとめくっていたら、小さな囲みに、「グリーンパークのデッキチェアにご注意!」みたいな記事が載っていた。公園内に無造作に置いてあるので、なんとなく腰を下ろしたら、座った途端にどこからともなく人がやってきて、お金をとられた! みなさんご注意、といった感じの話だった。以来、グリーンパークのデッキチェアは座ったら最後、お金を払わされる、というのが私の頭に刷り込まれた。
だから、というわけではないのだろうけれど、目と鼻の先のピカデリーサーカスには足しげく通うものの、グリーンパークは素通りで、ほとんど足を踏み入れたことがなかった私である。
ある旅でのことだ。留学していた友と何日間か行動をともにした以外はひとり、という日程で、珍しくも風邪をひいてしまった。熱はさほどないようだったが、とにかく体がだるく咳が出る。ともすると吐き気を催すような体調だった。日本から持参した風邪薬はあっという間になくなってしまい、Bootsで市販の風邪薬を購入して、だましだましの日々が2,3日続いた。本当ならB&Bで寝て入ればいいのだろうけれど、意識ははっきりしているし、せっかくイギリスに来ているのにベッドでくすぶっていてもしようがないから・・、と、自分に言い聞かせ、大好きなピカデリーへと足を運んだのはいいが、やはり体がだるくてしょうがなかった。ふと見ると、グリーンパークの入口でホットドッグを売っている。「そういえば、お昼をまだ食べていなかったな・・」。空腹感はなかったが、1つ購入し、1口、2口、口に入れてみた。「うぅー、気持ち悪ー」。結局、ほとんど食べないまま、ほっとドックはゴミ箱行き。「あぁ、疲れたー」。と、そのとき、目に入ってきたのが、かの有名なデッキチェアだった。
何でもいいから座りたい。疲れきった私は、ドカッと腰を下ろした。と、噂どおり、すぐさま係りの人が70ペンス*を徴収しにやってきた。なーるほど。
そのデッキチェアはさほど座りごごちがよいものでもなく、結局、お金を払いはしたものの、5分もしないうちに席を立った。
それから、グリーンパークに足を踏み入れることはなかった。
*2003年現在、デッキチェアの料金は1.5ポンド/4時間。
そして、13回目のイギリス。ロンドンではどこに行こうかなー、と、物色していた折、グリーンパークの近くにダイアナ妃ゆかりのスペンサーハウスなる屋敷があることがわかった。「グリーンパークって、あんまり行ったことないし、いいかも・・」。スペンサーハウスに行くついでに、久々にグリーンパークを訪れてみることにした。
スペンサーハウスから見えるグリーンパークは緑に溢れて美しかった。邸内ツアーのあと、ガイドさんに教えてもらったグリーンパークへと通じる小道の先に見えてきた緑はまた美しかった。
「こうして見ると、グリーンパークもきれいな公園だよなぁ・・」。この旅で、グリーンパークの印象が一転した。
数日後には、ウエストミンスター寺院からセント・ジェームズパークを抜け、バッキンガム宮殿、そして、グリーンパークへと入ってみた。そのあと、ピカデリーサーカスまで。気持ちのよい秋の1日。緑や少し色づいている木々を見ながら公園を歩くのは楽しかった。
グリーンパークには、大きな木々が多く、なんとなく、大ざっぱな雰囲気がある。ハイドパークやケンジントンガーデンズと比べて、正直いって、思い入れ度は低いけれど、デパートやブランド店がひしめくピカデリーの目と鼻の先に、こんな緑があるなんて、なんだか、とっても素敵なことかもしれない。
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