グリーンパークから見たスペンサーハウス
ピカデリーからグリーンパークに足を踏み入れてしばらくすると、左手側に、大きなまばゆいばかりの白い邸宅が見えてくる。それがスペンサーハウスである。
ダイアナ妃の先祖にあたる初代スペンサー伯のために、1756〜66年に建てられたもので、きちんとした形で現存するものとしては、ロンドンで唯一の18世紀のタウンハウスだという。
「グリーンパークに面しているということは、ロンドンのど真ん中にあってアクセスしやすいということ。しかも、あのダイアナ妃にゆかりの家らしい」。以前に英国観光庁でもらったリーフレットの中にスペンサーハウスをみつけ、ぜひ訪れてみよう、と思った。
何度もイギリスを訪れながらも足を運んでいなかったのは、その存在を知らなかったからだ。一般公開は、1月と8月をのぞく日曜日にかぎられていて、それほどおおっぴらに公開されているわけではない。今回の旅で、宿を提供してくださったイギリス人のMevesさんご夫妻でさえも、「スペンサーハウスってどこにあるの?」と、お尋ねになったほどだから、知る人ぞ知る、穴場といえるのかもしれない。
10月のとある日曜日、本当に気持ちのよい青空の下、Tsukasaさんと一緒にグリーンパーク駅に降り立った。まずはグリーンパークの中に入り、公園内の地図で探してみたが、あるべきはずの所にスペンサーハウスの記載がない。
「公園からは入れないみたいだねー」と、公園を出て、ピカデリーに戻って右に曲がってしばらく行ったところでそれらしき立派な門をみつけたが、それはスペンサーハウスではなかった。どうやら行き過ぎてしまったらしい。また道を戻って、さっきとは違う道を左に折れてみる。と、そこに、スペンサーハウスはあった(右)。
ドアを開けて中をのぞいてみると、10数人の人がガイドツアーの申し込みをしているところのようだ。なんとか、私たちも、滑り込みセーフで、11:30からのガイドツアーに間に合った。
約1時間のガイドツアーでは、Libraryに始まって、約1時間、1つひとつの部屋の壁や天井、調度品について、ガイドさんが事細かに説明してくれる。スペンサー伯に会いに来た人々のための待合室として使われていたMorning
Room、当初は家族用のディナールームであったAnte Room、Dining Room、淡い緑の壁と黄金の柱で飾られたPalm
Room、Music Room、Lady Spencer's Room、この屋敷の中でいちばん広いGreat
Room、そして、金色に輝くPainted Room。
1階からStaircase
Hallの階段をのぼり天井を見上げると、そこには、以前はベニスにあったという見事なランプがシャンデリアとして辺りを照らしているのが見える。
その昔、ディナーのあと、男性陣はPalm Roomに集い、女性たちはLady Spencerの部屋でくつろいのだという。自分もその時代にタイムスリップしたのではないかと思ってしまうほど、部屋にあるすべてのものは美しく魅惑的だった。
ツアーのあと、ガイドさんが、グリーンパークへの近道を教えてくれた。そのとおりに小さな路地に入って歩いていった。奥のほうに緑の木々がかすかに見える。さらに小道をずんずん歩いていく。やがて、太陽の光を浴び、まぶしいばかりの緑にあふれるグリーンパークが姿を現した。
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