| 誰でもバイリンガルになれる方法 |
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人間の大脳には、言語を認識するウェルニッケ言語野という器官があります。日本人の場合は、そこに「日本語」の情報を蓄えていきます。わかり易く言うと、赤ちゃんの時に「日本語の引き出し」が作られて、成長とともに引き出しの中には日本語の情報が貯まっていくということです。 多言語を苦労無く話すことが出来る人は、ウェルニッケ言語野の中に言葉を識別する引き出しを複数持っています。お父さんがアメリカ人で、お母さんが日本人の場合、お子様は幼い時から英語と日本語で話す機会がありますので、お子様の脳には英語と日本語の二つの引き出しが自然に形成されていきます。子供は二ヶ国語を、何の苦労もせずに話せるようになっていきます。このように、二ヶ国語を母国語として話せる人をバイリンガルと言っています（因みに、三ヶ国語を話せる人はトリリンガルと呼ばれます）。でも、意外に思われるかもしれませんが、バイリンガルの人が二ヶ国語の通訳をスラスラ出来るかというと、実はそうではありません。日本語も英語も母国語としてパーフェクトに使えるのに、英語と日本語の通訳はなかなか出来ないのです。理由は「引き出し」にあります。日本語を使うときは「日本語の引き出し」、英語を使うときは「英語の引き出し」から情報を（無意識に）出し入れしますが、通訳をするには二つの引き出しを結ぶ訓練が必要になるからです。この点については、別の機会にお話することにします。 ご両親が日本人でも、海外に住んでいるとお子様はバイリンガルになります。近所のお友達と遊んだり、現地の学校で学ぶ過程で英語（アメリカ等英語圏の国に住んでる場合）の引き出しが、自然に苦労無しに形成されて行くからです。幼い頃から英語に触れる機会が多ければ多い程、英語の引き出しは大脳にしっかりと形成されて行きます。しかも、この引き出しは日本語のそれとは別々に形成されて行くので、決して、日本語と英語を混同してしまうことはないのです。外国語を習得するには、その言葉を使った会話に数多く触れることが最も近道です。 ご両親が日本人で、日本に住んでいてもお子様をバイリンガルに育てることは可能です。その方法は、英語が母国語の先生に、マンツーマンもしくは２〜３人程度の子供達の間で、絶え間のない活発な会話を交わす機会を与えてあげることです。先生は必ずしもネイティブの必要はありませんが、発音がネイティブ並であることが必要です。変な発音を子供に教えたら、子供の脳には「変な発音の引き出し」が形成されてしまうからです。正しく美しい発音の先生の下で、数多いフリートーキングでお話することが子供達に英語を聞く力、話す力を身につけさせる最も効果的な方法と言えます。もうひとつ、英語の歌やお話のテープをご家庭で聞かせるのも効果的です。例えば、寝る前にテープやCDで英語の子守唄やお話をいつも流すことを習慣にすれば、子供の脳には「英語の引き出し」がより明確に形成されます。 子供の頃から英語を聞き取り、話す力をつけてあげれば、たくさんの単語や慣用句のフレーズ、そして、大人には論理的な思考力を要求される文構造といったものも、自然と頭の中に定着して行きます。その為、中学校へ進学し、本来なら一般的な子供にとっては難解とされている、英文法や英文解釈といったものを学ぶようになっても、他の多くのお子さんよりも苦労なくスムースに理解出来るようになります。英語圏での生活を経験した帰国子女の多くが、受験英語においてもそれ程の苦労をしていないということが、その根拠を裏付けています。お子様をバイリンガルに育てる最良の方法とは、幼いうちから、頭の中に英語の引き出しをしっかりと作ってあげることです。 両親が日本人で、外国に住んだこともない自分には「英語の引き出し」を作るのはツーレート（遅すぎる）でしょうか？いやいや、ご安心ください。努力をすれば今からでも「英語の引き出し」を自分の大脳に作ることは可能です。ただし、適切な方法で実施しないと、日本語の引き出しの中に小さな英語の引き出しを作ることになってしまい、いつまで経っても上手にならないので注意が必要です。詳しい方法は別の機会にお話しますが、ある方法で「英語は英語の引き出し」から出し入れすることが重要です。一度も外国に暮らしたことがないのに英語がペラペラの人は、無意識にこの方法を実践しているはずです。頑張り屋のOLや主婦、そして普通のサラリーマンの皆さんでも、プチ・バイリンガルになることは可能です。 ビップル事務局 |
