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詰将棋おもちゃ箱ドキドキストリート

よもやま話大道棋全短評
大道棋47 鳥本敦史さん

ドキドキストリート
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題: 詰将棋パラダイス2018年6月号 大道棋よもやま話 第47回
結果発表: 詰将棋パラダイス2018年8月号 大道棋よもやま話 第48回

詰パラでの結果発表時の解説

前回の大道棋教室鳥本先生からの出題、59手の力試し級の力作でしたが、ほとんどの方が正解。 詰パラの解答陣はすごいですね。

 

63角、72銀合、同角成、同角、84香、83歩合、
同香不成、同角、82銀、92玉、93歩、同飛、
 同銀成、同玉、83と、同玉、84飛打、73玉、
 51角、62歩合、同角成、同玉、53桂成、同玉、
 54飛左、62玉、42飛成、73玉、65桂、83玉、
 43龍、53歩合、同龍、92玉、93歩、81玉、
 82歩、71玉、73龍、72角合、81歩成、同玉、
 84飛、83桂合、同飛成、同角、同龍、71玉、
 44角、62角合、同角成、同玉、53桂成、51玉、
 43桂、41玉、23角、32歩合、81龍迄59手。

84香は83歩合で逃れ。
82銀、92玉、83香成の手順前後あり。
ここからはいろいろな詰みあり。 (84角・53龍・54桂など)
72歩合は84香、83銀合、同香不成、92玉、
 82香成、93玉、83成香、94玉、54飛以下
 (すぐ83香打以下でも詰む)
72玉は42飛成、62歩合、61角、71玉、82飛成以下。
92玉は93歩、81玉、51飛成以下。
62歩合は63桂、61玉、81龍、52玉、53角成迄。

この角香問題は、大道棋類型辞典にも収録されていない、金少桂さん開発の新しい類型(第36回で紹介)。 縦横斜めからの攻めがあり、その組合せでいろいろな詰筋が成立、発展性の高い類型である。 2015年11月以降、おもちゃ箱や詰パラを中心に続々と新作が発表され、本作で17作目。

メインの誘い手84香は83歩の中合で奉納。 本類型では更に中級向けに、 63角、同角、84飛以下という捨て駒入りの誘い手が用意されているのが良い。

63角にはイの変化をにらんで72銀の捨合が妙防。 これをすぐに同角成と 切ってしまうのは本類型初めての展開である。 以下飛角を入手してすっきりした形。ここからが大変だ。

よもやま話大道棋47 鳥本敦史

31手目53龍でなく43龍と引くのが51飛成を作る好手。 そうはさせじと53歩の中合(途中図)。

大道棋屋さん、その後も72角合、83桂合と抵抗を続けるが、44角の離し打ちで流石に諦める。

収束はいろいろあり、詰めていると判断できれば正解とした。

作者「途中53歩合が面白く入り、その後も第2ラウンド的な角合〜桂合、離し角と面白い手がよく入りました。 会心作です。」

途中図 32手目53歩合

解説・全短評

金少桂さんの角香問題の、鳥本敦史さんによる改作です。 形がちょっと広がって集客度57と、実戦で出すには微妙。 作者が会心作というだけあって手順はおもしろく、詰パラの解答者には好評でしたが、収束の乱れを気にする人もいました。 この程度の収束余詰は実戦価値に影響しないので、大道棋として実戦で出題するときには問題ありませんが、解答募集するときには解答者の混乱を招くのでマイナス評価になりがち。 とはいえ、その修正で駒が増えて実戦価値が下がっては本末転倒なので悩ましいですね。

詰パラ解説で詳しく触れたので(変化手順は棋譜ファイルを参照ください)、 ここでは補足として、角香問題の17作をリストしておきましょう。 金少桂さんの角香問題を極めたい方はご研究ください。

  1. おもちゃ箱 ドキドキ展示室 No.50 金少桂 2015年11月
  2. おもちゃ箱 ドキドキ展示室 No.53 金少桂 2016年 2月
  3. 詰パラ 大道棋よもやま話 大道棋36 金少桂 2016年 6月
  4. おもちゃ箱 ドキドキ展示室 No.57 金少桂 2016年 6月
  5. おもちゃ箱 ドキドキ展示室 No.58 金少桂 2016年 6月
  6. おもちゃ箱 ドキドキ展示室 No.59 鳥本敦史 2016年 6月
  7. おもちゃ箱 ドキドキ展示室 No.60 鳥本敦史 2016年 6月
  8. おもちゃ箱 ドキドキ展示室 No.68 金少桂 2017年 2月
  9. おもちゃ箱 ドキドキ展示室 No.69 金少桂 2017年 2月
  10. 詰パラ 大道棋教室1 中村宜幹 2017年 2月
  11. 詰パラ 大道棋教室2 鳥本敦史 2017年 2月
  12. 詰パラ 大道棋教室3 中村宜幹 2017年 2月
  13. 詰パラ 大道棋教室4 中村宜幹 2017年 2月
  14. ネット作品展「すらすら解ける20手台」PartU4 鳥本敦史 2017年 8月
  15. 詰パラ ちえのわ雑文集 金少桂 2017年 2月
  16. 詰パラ 大道棋教室4 中村宜幹 2017年11月
  17. 詰パラ 大道棋よもやま話 大道棋47 鳥本敦史 2018年 6月

それでは、解答者のみなさんの感想を。 解答到着順です。

出崎守さん:
初手6三角を同角と誤り苦労しましたが、 解答手数が五十手台とあったのが助かりました。
鈴木彊さん:
大道棋らしい切った張ったの手が続く
面白い手順で楽しめました
占魚亭さん:
ドキ展No.69(金少桂氏作)の筋は使えないので、角打ちからと決め打ちしました。 要所要所の合駒読みに少し苦しみましたが、捌き主体の手順で解後感は悪くないですね。
小山邦明さん:
84飛と打てて玉の行き場所は、かなり制限されるが、 43龍に53歩中合や84飛に83桂中合の延命手がある。
収束はいろいろな手がありそうです。
福村努さん:
53手目よりキズあり
竹園政秀さん:
収束乱れる。53手84又は95角あり、 55手も81龍、57手も63龍と余詰があり、詰将棋ならば不完全といえるだろう。

よもやま話 大道棋47 解答:10名 正解9名

正解者、当選者は詰将棋パラダイス(通称詰パラ)2018年8月号をご参照ください。

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