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詰将棋おもちゃ箱ドキドキストリート
ドキドキ展示室 No.57 金少桂さん
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:

No.58と双子問題 10手台


ドキドキ展示室No.57 金少桂 No.57とNo.58は、この類型の元祖、金少桂さんによる双子問題です。 ほとんど同じ配置で、異なるのはNo.57が55銀であるのに対してNo.58は55金と、この1枚だけ。 銀と金で何が変わってくるのか、ちょっと見ただけではわかりません。

この類型は3方向からの攻めがあるのが特長。 主な誘い手は
  • 84香、71玉、62角、61玉、41飛成まで
  • 63角、同角、84飛、71玉、82飛成、61玉、62龍まで または
    63角、92玉、94香、同銀、42飛成、93玉、82龍まで
など。 ドキ展No.50No.53を解いた方なら、いずれも中合や捨て合があるのをご存知でしょう。

まず、初手84香から考えてみましょう。

84香に83銀中合が一つ目のポイント。 歩合や桂合は63角以下。 銀合なら63角に71玉と逃げて72に利いてきます。
続く41飛成に71桂合が二つ目のポイント。 83に利く駒でないと、92角という妙手があって簡単です。
確か、ドキ展No.50は桂合でも92角として詰んだはず。 と思って同じように攻めると、92角、同玉、83香成、同桂、91飛成、同玉、82銀、92玉、93歩? 「あっ、打歩詰だ。」  91の駒が香でなく歩なので、この筋は失敗です。

では初手は63角でしょうか。

63角には72歩の捨て合が妙防。 同角成、同角となっては、83に利いてきて詰みません。
では取らずに84香と打てば? またまた83銀中合がとんできます。 41飛成、71桂合、同龍、同玉と攻めても83銀が72に利いているのでダメ。

それでは、正解は?

63角、72歩合に、香を打たずにすぐに41飛成と攻める筋でした。 71合は同龍、同玉、72とまでですから、当然92玉と逃げます。

  63角72歩合、41飛成、92玉、

93香、同玉、91龍と下から迫ると、84玉と逃げだされそうですが、82龍、75玉、85龍までぴったり。 55銀が66を塞いでいるのに注目。 つまりNo.58は本作の手順では詰まないわけですね。

  93香、同玉、91龍、92飛合

逃げられないので、92飛合と抵抗。 横に利かない駒では82龍がありますし、金合では同龍で簡単。 飛合でも取って歩を叩けば簡単で、これが正解です。

  同龍、同玉、93歩、同玉、83飛、92玉、82飛成(82と) まで15手

作者 「55の攻方の駒が銀か金かのツインです。
手順も初手63角として香は84に打たないのと、初手84香として角は63に打たないのとで全く異なる手順になります。
どちらも変化同手数のキズありなのが難点ですが大道棋的にはどちらも問題ない範囲内かなと思っています。」


本作の変化同手数は63角に72桂合の順。 72歩合と同じ手順で詰みますが、84香以下15手の詰みもあり、 「本類形のほぼ全ての問題で成立する順。従って2手目72桂合はできないという論法なのだが、本作は作意手順が短すぎて同手数になってしまった。」 とのこと。 まあ、大道棋屋さんが桂合をする意味はないので、大道棋としては全く問題ないですね。

それではみなさんの感想を。解答到着順です。
鳥本敦史さん:
香打で詰んだ詰んだと思っていたらドキ展58を詰ませて慌てて逆戻り。

この類型の改作を作った鳥本さんでもひっかかるとは、優秀な誘い手。

山下誠さん:
9四に銀の利きがあるので飛車を突っ込むことになる。飛合がささやかな抵抗ですね。
占魚亭さん:
84香は83銀、41飛成は71桂で詰まないので角から。
飛車を成り一間竜の形を作れば後は簡単。
波多野賢太郎さん:
なぜ5五銀の方が早く詰むのか、それが最初は不思議でした。そこから、7五玉には8五龍だと気づいて、なるほどと思いました。
小山邦明さん:
玉を上部に逃がすようでやりにくい手順。55銀配置がうまい。
S.Kimuraさん:
75に金がいないとこのような手で詰むのですね.
隅の老人Bさん:
初手、84香打には83銀合、41飛成には71桂合。
最後に読んだのが63角打、ヤット詰んだら棋将屋さんは店仕舞い。
池田俊哉さん:
基本形ではあるが、41飛成のタイミングが良い
55銀が上部脱出をうまく防いでいる

ドキドキ展示室No.57 解答:9名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  キリギリスさん  小山邦明さん  隅の老人Bさん
  占魚亭さん  鳥本敦史さん  波多野賢太郎さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。