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詰将棋おもちゃ箱ドキドキストリート
ドキドキ展示室 No.50 金少桂さん
ドキドキストリート
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:

新型登場 10手台


ドキドキ展示室No.50 金少桂

記録、パズル、くるくると多彩な作品で活躍している金少桂さんが、ドキドキで新型の大道棋に挑戦しました。

作者 「新型の開拓に挑戦してみました。持駒が角香の2枚とやや重いのが難ですが、基本手筋の84香83中合の筋と63角(同角なら龍の横利きが通って簡単だが72合がある。)、好機に41龍入りの含みをベースに誘い手を意識してみました。」

大道詰将棋では、「解けたみたいだね、お客さん、はいどうぞ」と持駒を渡して誘いやすいので、持駒は1枚が良いとされています。 しかし、代表的な類型の香歩問題は持駒2枚ですし、2枚なら、形と内容次第で実戦で使える可能性はありそうです。

本作は持駒は多いものの、盤面9枚が6×5に収まって、集客度は72とまずまず。

初級向けの「84香、71玉、62角、61玉、41龍」の順は持駒を使い切って良い誘い手。 84香には83中合が大道棋で良く見る妙防です。 しかし、それだけではありません。

Aさん 「62成香迄11手詰 香を残しておく初手良し。竜捨て非限定かな、と思った。1本取られる」

もう一つ、中上級むけに「63角!、同角、84龍以下または84香以下」という誘い手が本類型の狙い。 63角、同角、84香、71玉、41龍、同角、82香成以下11手」という大駒2枚捨ての詰将棋らしい順に、ベテランもつい手を出して奉納。

初手63角打。 92玉と逃げるのは95香、94合、42龍、93玉、82龍まで。 ところが大道棋屋さん「この角打ちを読めるとはお強い。これはやられましたね」とかいいながら、涼しい顔で72歩合。 おもしろい逃れ順です。

「わかった、84香、83歩合とさせてから63角と打てばいいんだ。 これなら72歩合は41龍で簡単だから同角と取るしかないよね」 と手を出すと、84香、83銀合、63角、71玉で、「あれー。おかしいな」。(71玉のところは72歩合でも詰みません)

正解は84香、83銀合に41龍と攻める順でした。 83に利かせて71桂合と受けますが、92角から銀を取って龍切りが決めてで陥落。

  84香、83銀合、41龍、71桂合92角、同玉、83香成、同桂、
  91龍、同玉、82銀、92玉、93香 まで13手

82銀のところは93香、92合、82銀までとしてもOKです。

新型の大道棋として、持駒2枚が多いのと、63角の誘い手が高級すぎて気づかれない可能性もあるのでどうかなとおもったのですが、みなさんなかなか楽しんでいただけたようです。 作者からはこの類型の問題がほかにも届いていますので、お楽しみに。

それではみなさんの感想を。解答到着順です。

陽気なわらしべ長者さん:
芸術の秋の夜長に楽しめました!
山下誠さん:
銀・桂合の抵抗に、9二角が抜群の切れ味。6三角の変化もあり、好作だと思います。
蛇塚の坂本さん:
初手8四香の合駒探しで銀にたどり着くまでに手間がかかりました。龍の合に7一桂合も面白い趣向だと思いました。
波多野賢太郎さん:
この形も誘い手がたくさんあってかなり面白いと思いました。これからが楽しみな形ですね。私は初手6三角に誘われて結構悩みました。
隅の老人Bさん:
83銀合でドキ、71桂合でまたドキドキ。
心臓の悪い爺さんには不適当な難問です。
S.Kimuraさん:
10手台だったので,大道将棋の気分を味わうために,柿木将棋と「詰将棋対戦」してみました.
2手目は83桂合で,63角から桂馬を取って,82香成としてしまったのでしたが,41龍から19手で詰んでしまい,ドキドキ感がいまいちでした.

柿木将棋も変別に陥ることがあるわけですね。もっとも普通に解かせるとちゃんと83銀合なので、詰将棋対戦のときは読みが浅いのかも。

池田俊哉さん:
41龍と逃げ道ふさいで92角の妙手がうまい。大道棋としては初手の紛れが欲しいところだが...
Pathfinderさん:
龍を縦に使うか。横に使うか。銀合以外だと63角で詰む変化が面白いですね。
占魚亭さん:
第一感通りの素直な手順。
小山邦明さん:
63角打ちを狙う手順を考え苦労しました。92角は気付きにくい手でした。
75金配置は作意手順に影響しないと思いますが、紛れ駒でしょうか?

本類型では定番の配置なので、他の問題との関係で置いたのかな。 本図ではなくても大丈夫そうですね。

攻めダルマンさん:
紛れが多く大変でした。92角はうまいですね。
作者(Twitter 金少桂@kim_sokje より)
 「ドキドキ展示室No.50 新型大道棋、好評いただきありがとうございます。 63角の紛れ筋もちゃんと読んでもらえたようで安心。もちろん初手63角の型も投稿してるので、お楽しみに。 初手の紛れは84香と63角くらいだけど、3手目以降も割と手広い。」
 「作る側としては、攻め方龍が睨んでたり、持駒角香だったりと攻方の駒が強めなので、いろんな展開できて面白いんだけど、欠点はやや詰みすぎる点。」
 「84香に対しては配置次第で83桂中合と83銀中合どちらも出せるのは強み。 一方、63角に対してはほぼ72歩合しかないかな。ここで強い合駒出せると面白いんだけど、だいたい84香と打ってから72合を切って簡単に詰んじゃう。」
 「大道棋はむしろいろいろ改作してもらってこそ価値があるので、創始したばかりの新型角香問題ですが面白いと思われましたら自由に改作してください! 基本配置は以下の通り。 受方:81玉、91歩or香、54角、53を埋める駒、五段目から74に利かす駒 攻方:73と、44飛or龍 持駒:角香」

ドキドキ展示室No.50 解答:13名 正解12名

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  キリギリスさん  小山邦明さん  隅の老人Bさん
  攻めダルマンさん  占魚亭さん  Pathfinderさん  波多野賢太郎さん  蛇塚の坂本さん
  山下誠さん  陽気なわらしべ長者さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。