ドキ展No.57と双子問題。
No.57の順は55銀が66に利いているので成立する手順でした。 本作では、
- 63角、72歩合、41飛成、92玉、93香、同玉、91龍、84玉、
82龍、75玉、85龍、66玉で逃れ
ほとんど同じ形なので、No.57で解説した手順は同じように詰まなそうです。
- 84香、83銀合、41飛成、71桂合以下逃れ
- 63角、72歩合、84香、83銀合、41飛成、71桂合以下逃れ
また、初手41飛成では、71桂合でも92玉と逃げられても、85銀の守りが強くてダメそう。
あれ、どれもうまく行きませんね。 55が金であることで成立する手順とは?
ヒントは ドキ展No.50の順にありました。
84香、83銀合、41飛成、71桂合、92角と攻める順。
この順は91が歩なので詰まないわけですが、41飛成を保留してすぐに92角と打ったらどうでしょう。
取れば簡単なので、当然71玉。
これでダメかと思いきや、そのあと続ける順があるのです。
84香、83銀合、92角、71玉、
それは41飛成、61合、同龍と61に呼んで83角成と銀を取る順。
61の合は桂だとあとで64に打たれるので、一番安い歩で。
41飛成、61歩合、同龍、同玉、83角成、52玉、
83角成には72歩合と合駒が利きそうですが、同馬、同角、62歩、51玉、52歩、同玉、43銀以下。
51玉と逃げるのは62銀から61馬なので、52玉と逃げます。
45香、55金の包囲網があるので、何とかなりそうな感じです。
63銀、同角、同と、同玉、54角、52玉、
63でばらして54角。
ここで 「52玉/62玉の変化同手数 52玉は最終手余詰、62玉は3手前余詰なので便宜上52玉を作意としておきます。」(作者)。
大道棋では変同は大道棋屋さんの選択肢が増えるので、プラス要因です。
解答はもちろん、どちらでも正解。
43角成、62玉、63歩、同玉、54金、62玉、61馬右 まで23手
ドキ展No.57でこの順を進めると、54金のところで54銀となるので、64玉と逃げられて逃れ。
両題ともかなり進まないと55銀・55金の違いが見えてこない、おもしろい双子問題でした。
飛角香の王手の順番、タイミングでいろいろな詰め筋が発生するので、発展性のありそうな類型ですね。
それではみなさんの感想を。解答到着順です。
- 鳥本敦史さん:
- 「54金」で金でないといけない理由がわかり思わず指がしなる。
57で銀でないといけない理由がようやくわかり感心しました。
双子問題いろいろ作ってきましたがこれは意味付けが上級向けですね。
実はNo.57は45香がなくても詰みますが、誘い手を増やすと共に双子問題にしたのが作者の手腕。
- 山下誠さん:
- 6六への利きがないので香車を打つことになる。9二角が鋭い一着で、2枚の角で追いつめるのは面白いですね。 ところで、16手目は6二玉でも早詰はなさそうですが・・・。
前述の通り、変同です。
- 長谷繁蔵さん:
- 83銀成迄29手詰
収束81桂合は72竜の一発だった。
変別? すみませんが手順をお知らせください。
- 占魚亭さん:
- 今度は香から。二枚角で包むように迫る。
- 波多野賢太郎さん:
- 実は57番のところで、8四香、8三銀合の筋を最初に考えていました。こちらの方が打歩詰などの紛れがあって悩みました。
わずか金銀一枚の違いでガラッと手順が変わるのは面白くていいですね。
- 小山邦明さん:
- 84香から92角の手順は最後に考えた。指しにくい手の連続で参りました。
- S.Kimuraさん:
- 最後にならないと双子の違いが分からないとは,
実践だと大混乱しそうですね.
- 隅の老人Bさん:
- 今度は63角打から考える。続いての41飛成も71桂合の妙防でダメ。
最後はやって見るかの84香打です。
- 池田俊哉さん:
- 92角が急所の一着。銀合をうまく逆用した
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