金少桂さんが創始した角香問題の類型に、大道棋創作ではベテランの鳥本さんが参戦、今回No.59、No.60の2題を出題しました。 大道棋の新類型は、単一の作者だけというケースが多く、今回の参戦は、この類型が多くの詰め筋を内包していること、原型がシンプルで改作の余地があることを意味し、この類型の優秀さを示しています。
皆さんも改作してみませんか。
例によって、84香と63角の誘い手がどうなるのか調べていきましょう。
あれ、元祖作品のドキ展No.50の手順で詰みそう。
と思って手を出すと、大道棋屋さん、涼しい顔で83桂合!。
ドキ展No.53でもでてきた受けですが、あのときは45香がなかったので詰みませんでした。
本作は45香があるから63角、同馬、83香、71玉、41龍、同馬、82香成以下でいいはずと、自信を持って63角。
「この手を読めるとは、お兄さん、かなり強いね」 とかいいながらすまして同金!。
83香不成に92玉とかわされて「いやあ、惜しかったね。」
うーん、84香がダメとなると、63角かなあ。 54馬だから、同馬でも心配だけど。
ああ、84龍、71玉で63桂と取れるから大丈夫だ。
すると、やっぱり72歩合? 捨て合しても何とか詰みそうだけど・・・
- 63角、72歩合、84香、83銀合、72角成、同馬、83香以下?
と、余り自信はないけど63角と打ってみると、大道棋屋さん、またまた同金!。
41龍とか84香とか手は続くものの、これで逃れ。
もっとも実は63角に92玉でも詰まないんですけどね(42龍に52合が利くので)。
84香に83銀合とか、63角に72歩合とか、定跡の受けが詰んでしまう構成はうまいですね。
それでは正解はというと、ちょっと読みにくい41龍でした。
41龍、71桂合、
71歩合などでは84香、83合に92角があるので、83に利かせる71桂合は絶対です。
これで切れ筋に見えますが、同龍と切ってしまうのが強手。
同玉に63桂打と繋ぎ桂ができるので、手が続くのです。
同龍、同玉、63桂打、同金、同桂不成、同馬、
63桂を同馬では、同桂不成、同金、82角、61玉、72角以下。 同金でも、取って82角と据えれば何とかなります。
82角、61玉、62香、同馬、同と、同玉、71角、63玉、
64金、72玉、73金、81玉、91角成、71玉、82馬、61玉、
72馬、52玉、62馬 まで27手香余る
作者 「金少桂さんの作の改作。71桂合で困ったとみせかけて龍切りで実は解決しているという作。
(収束余詰は気にならない程度でしょうね。) 」
本類型初の初手41龍の詰め筋。
普通は71桂合で切れ筋のところ、55桂配置で続くようにしました。
収束3手は香打でも詰みますが、大道棋としては問題ないでしょう。
それではみなさんの感想を。解答到着順です。
- 金少桂さん:
- 初手41龍の実現にまずは拍手。
55桂配置があると初手41龍〜63桂打があるのは本類形創始者としては一目でしたが(キリッ
ただ玉方53金配置は、初手63角の紛れがなくなってしまうので角香問題としてちょっとどうかとは思う。
(同金でも詰まないし、それ以上に92玉で明確に逃れ。)
54馬配置は逆に大ありで、これ単体で63角に72銀合とか歩合以外の合駒が出せて面白いかもしれない
(但し63角に同馬が簡単に詰むように、配置に注意は必要)。
84香に83銀合とか、63角に72歩合とか、既存の問題を中途半端に知っている大道棋ファン向けの裏筋問題ですね。
単体で見た場合には、63角の誘い手が消えてしまうのは痛いところ。
- 山下誠さん:
- 先に香を打つと、連続桂合で逃れる魂胆。つなぎ桂からの寄せは実戦的で却って読みづらかったです。
84香、83桂合のとき41龍は71桂合で逃れ。
- 占魚亭さん:
- 84香は桂合、63角は同金で不詰なので、41竜から俗手の連続で迫る。
バラした後、玉が81地点まで戻ってくるのが一寸面白い。
- 波多野賢太郎さん:
- 最初は、守りの馬や金に触れないように、8四香から入って失敗しました。
龍は切っちゃえば良かったとは意外でした。駒がよく捌けて気持ちよいですね。
- 小山邦明さん:
- 型にはまらない手順で、駒の清算もあり難しかった。
- S.Kimuraさん:
- 53が金で,54が馬だと,今までの攻め方が通じないのですね.
初手41龍は難しいのかと思っていましたが,角2枚と金で追い詰める形になるのですね.
- 隅の老人Bさん:
- 今度の初手は41竜、また裏をかかれて長時間。
収束に64香と打ったら棋将屋さんは渋い顔。
- 池田俊哉さん:
- 83とを防ぐ71桂合を逆手に取った63桂打。バラした後の71角打は打ちづらい
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