この類型の元祖作品、ドキ展No.50に良く似ていますが、91の駒が香でなく歩で、また詰方45香の配置がありません。
ドキ展No.50の筋は91歩なので成立せず、それ以前に45香がないので84香に83歩合ぐらいで全然ダメです。
一見、91が歩なのも45香がないのも詰方に不利な感じがして、これで詰むんだろうかと不安になるところ。
でも、91が歩なのは不利なことばかりではありません。
香だと9筋全体に利いていますが、歩だと92だけ。
実はこの違いが本作の手順を成立させるカギになっています。
84香がダメとなれば、63角が有望。
72歩の捨て合に84香と打てば、今度歩合なら41龍、71合、同龍、同玉、72とまで。
72に利かせるため83銀合とするしかありません。
63角、72歩合、84香、83銀合、
この合駒を2枚とも取ってしまいます。
72角成、同角、83香不成、同角、
詰パラ出題の大道棋36を解いた方は、ここまで同じ筋だったのに気が付いたと思います。
大道棋36も91が香、85が歩の違いだけで本作とそっくり。
しかし、その微妙な配置の違いで、ここからの攻め筋が変わってきます。
82銀、92玉、83と、同玉、53龍、82玉、
53龍に94玉は93龍まで。
この変化が91歩なればこそ成立する順で、91香なら取られて逃れ。
銀も取られて、かなり寂しくなってしまいましたが、大駒の威力は大きく、これでちゃんと詰むのです。
64角、92玉、93歩、81玉、83龍、71玉、53角成、62銀合、
71に利かない合駒は72歩、61玉、81龍まで。 角合は73龍で早く、銀合が正解です。
72歩、61玉、81龍、71歩合、同龍、同銀、同歩成、51玉、
52(42)銀 まで31手 歩余り
71歩合を同龍と切ってしまうのが強手。
もっとも、ここ同歩成としても47手で詰みます(棋譜ファイル参照)。
作者 「27手目同歩成以下の余詰がありますがこれはキズでよいと判断しました。」
この類型では初めての30手超えの問題。
この類型は大駒が多いので、追い出しても詰むことが多く、もっと長手数の問題も登場してくるかもしれませんね。
それではみなさんの感想を。解答到着順です。
- 金少桂さん:
- 妙に既視感のある配置だなと思ったら、すぐ下の自作のよもやま話大道棋36と配置がそっくり。
姉妹作として83角の取り方の違いが楽しめそう。
本作は玉方53歩を取って活用するあたりが詰将棋的に気持ち良い。
- 山下誠さん:
- 一見逃れに見える5三龍からの追い方には凄味が有ります。6二角合が最後の抵抗という感じです。
角合は早い順があるので変別解ですが、銀合も詰めていると判断できるので正解扱い。
- 占魚亭さん:
- 8手目に歩を打って奉納(85銀が利いている)。
13手目53竜からの玉を下段に落として大駒2枚で迫る手順が実戦的。
- 波多野賢太郎さん:
- 6三角から考え始めたのは良かったんですが、5三龍が、上に逃げられそうで見えず悩んでしまいました。59番に比べると守備力がなさそうで31手もかかるようには見えないですね。
- 小山邦明さん:
- 63角から84香の一番検討したい手順の組合せ。53龍はなかなか考えつかない手でした。
- S.Kimuraさん:
- No.50とそっくりな問題ですが,54が龍だと,53の歩を取る筋があるのですね.
- 隅の老人Bさん:
- 大相撲じゃないけれど、今度はどの手で詰めてやろ。
いろいろ勉強しました、ああ、難しい。
- 池田俊哉さん:
- シンプルな形から歩-銀連合。さらに83とから53龍と追うのは玉を追い出すようでやりにくい
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