一階述語論理の統語論 ― 言語(記号集合)の設定 : トピック一覧
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一階述語論理 predicate logic 全般の目次←【一階述語論理の統語論syntax】← 1.記号(言語)の設定 2.項と論理式 3.代入 【一階述語論理の意味論semantics】 1.記号の指示対象の設定:「構造」 2.論理式の真偽 【一階述語論理の証明論proof theory】 |
「言語を定める」「記号のセットを定める」って、どういうこと?
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・それぞれの《一階述語論理をつかう場面》を共有している《書き手》《読み手》のあいだでは、 ・ここに、《使用される記号のセット》の《場面に応じた多様性》が生じる。 ・個々の《一階述語論理をつかう場面》ごとの《使用される記号のセット》を、区別して指し示すために、 ・「《一階述語論理の言語》L」などという表現は、 |
「言語を定める」「記号のセットを定める」ということのディテール
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・《一階述語論理の言語》のなかに、《1.個体定項を表すために使用する記号のセット》を含めない流儀もある。 この流儀では、個体定項を、《一階述語論理の言語》の領域に属すものと見ている。 《一階述語論理の言語》の領域は、《一階述語論理の言語》そのものに備わる属性ではなく、 《一階述語論理の言語》を解釈する際の意味論的構造の属性であるから、 どの意味論的構造に依拠して《一階述語論理の言語》を解釈するかによって、 《一階述語論理の言語》の領域は、色々変わる。 だから、個体定項を《一階述語論理の言語》の領域に属すものと見なす立場からすると、 個体定項は、《一階述語論理の言語》の意味論的構造の選択に依存することになる。 《一階述語論理の言語》は、様々な意味論的解釈構造にたいする中立性を保持して定義されるべきだから、 意味論的構造の選択に依存した要素は、《一階述語論理の言語》から排除しなくてはならない。 こういう次第で、この流儀では、 《一階述語論理の言語》に、《1.個体定項を表すために使用する記号のセット》を含めない。 かわりに、 《一階述語論理の言語》Lを解釈する際に選択した意味論的構造Aの領域に属すすべてのものの名前を 《一階述語論理の言語》Lに付け加えた、 L(A) という概念をLとは別に定義する[古森小野『現代数理論理学序説』定義2.3.1構造structure(p.79)] *《一階述語論理の言語》のなかに、《1.個体定項を表すために使用する記号のセット》を含める流儀であっても、 特定の《一階述語論理の言語》Lの《1.個体定項を表すために使用する記号のセット》が、 《一階述語論理の言語》Lを解釈する際に選択した意味論的構造Aの領域に属すすべてのものの名前 をカバーしている保証はないので、 Lの意味論的構造選択の時点で、その領域に属すすべてのものの名前をLに追加する ということがおこなわれる。[→鹿島『数理論理学』定義3.2.1拡大項・拡大論理式(p.43)変数記号] |
・《第一階述語論理の言語 first order language》の基本記号 その他の記号(,) |
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【《一階述語論理の言語》への組み込まれ方に着目した説明】 ・《一階述語論理の言語》において「個体定項/個体定数individual constant」
とは、 【意味に着目した説明】 ・「個体定項/個体定数individual constant」
は、 円周率を表す定数「π」[林] 固有名詞「ソクラテス」[林]。 自然数「0」「1」「2」…[松本] をあげられる。 ・「個体定項/個体定数individual constant」は、
「個体定項/個体定数individual constant」の意味上の定義 (「πやソクラテスは、その固有の意味を持っているが、 こうした次第で、 【記号選択の要件・指針】 ・特定の《一階述語論理の言語》に個体定項として設定される記号の個数:0個でもかまわない[Enderton] ・アルファベット小文字a,b,c,…、 ないし、アルファベット小文字に添字を付けた記号a1,a2,a3,… を使うことが普通。[林] 【他の名称】 ・"individual constant"は、 「個体定項」「個体定数」のほか、 「個体常項」「対象定数」などとも訳される。 ・"individual constant"は、 「constant symbol定数記号」「name名前」などとも呼ばれる。 【別の定義】 ・「個体定項/個体定数individual constant」 を、0変数関数記号と定義してもよい。 "In B.2, the constant symbols are also callsed 0-place function symbols. |
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【《一階述語論理の言語》への組み込まれ方に着目した説明】 ・《一階述語論理の言語》において「個体変項/個体変数individual variable」
とは、 【意味に着目した説明】 ・「個体変項/個体変数individual variable」
は、 ・「個体変項/個体変数individual variable」が表す《任意の個体》の意味は、 この《任意》が指し示す範囲は、
「個体変項/個体変数individual variable」の意味上の定義
【記号選択の要件・指針】 ・特定の《一階述語論理の言語》に個体定項として設定される記号の個数:可算個[古森] 可算無限個[林][鹿島p.20最下行] ・アルファベット小文字x,y,z,…、 ないし、アルファベット小文字に添字を付けた記号x1,x2,x3,… を使うことが普通。[林] 【他の名称】 ・"individual variable"は、 「個体変項」「個体変数」のほか、 「対象変数」などとも訳される。 ・"individual variable"は、 単に、「 variable 変項/変数」「変数記号」などとも呼ばれる。 |
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【一般的に】 ・《一階述語論理の言語》において、
個々の「関数記号/演算記号」に定められた ・「関数記号/演算記号」が結合する 【関数の記法のいろいろ】 ・関数記号を先頭に書いて、引数を後ろに並べる前置prefix記法[高崎;林p.7脚注]。 ・並べた引数の列を()で括るタイプの前置prefix記法: f t1,t2,…,tn ( f t1,t2,…,tn ) [古森小野] など ・引数が2個の関数記号については、 たとえば、 ・引数の後ろに関数記号を置くpost fix 記法[林p.7脚注] もある。 たとえば、
【少し具体的に】
・《一階述語論理の言語》において、
・《一階述語論理の言語》において、 「2変数関数記号 2-place function symbol[Enderton]」 「2項演算記号 2-place operator」[戸次p.78]とは、 2個の《個体定項》ないし《個体変数》と結合して項を構成、 項の一部として述語の変項に代入される記号のこと。 前置記法で f (t1,t2) 、中置記法で t1+t2 などと表す。 : ・《一階述語論理の言語》において、 This will often allow a uniform treatment of the symbols in B.2 and B.3." [Enderton p.70]
【記号選択の要件・指針】 ・特定の《一階述語論理の言語》に関数記号として設定される記号の個数:0個から可算無限個までOK。 関数記号0個(関数記号なし)の《一階述語論理の言語》をつくってもよい。 0個(つまり関数記号なし)でもよい。[松本p.27] 一般に可算無限個[松本p.27] 有限個[鹿島p.20最下行] |
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【意味に着目した説明】
・「述語記号predicate symbol」とは、 【《一階述語論理の言語》への組み込まれ方に着目した説明】 ・《一階述語論理の言語》において、 ・個々の「述語記号predicate symbol」には、あらかじめ、 個々の「述語記号」に定められた ・「述語記号」が結合する項のことを、 ・個々の「述語記号」は、 【記号選択の要件・指針】 ・特定の《一階述語論理の言語》に述語記号として設定される記号の個数:1個〜[松本] ・アルファベット大文字 P,Q,R,…、 ないし、アルファベット大文字に添字を付けた記号P1,P2,P3,… などを使うことが普通。 【記法のいろいろ】 ・述語記号を先頭に書いて、引数を後ろに並べる前置prefix記法。 ・引数が2個の述語記号については、 たとえば、 【少し具体的に】
・《一階述語論理の言語》において、
・《一階述語論理の言語》において、 「2変数述語記号」「2項述語記号」とは、 2個の項を結合して原子論理式を構成する記号のこと。 前置記法で P (t1,t2) 、中置記法で t1 P t2 などと表す。 : ・《一階述語論理の言語》において、 「0変数述語記号」「0項述語記号」のなかで、 |
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結合子 connectives
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限量子/限量記号 quantifier
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