借り物

■どんなに権利が強くても、借り物には変わりありません。転貸や、譲渡の場合、自分の土地では無いので貸主に承諾をお願いしなければなりません。建物の建替え等も、通例(特約有)は承諾が必要となります。ほとんどの人が金融機関からの融資を受けて建て替えが、実現します。その時、金融機関から貸主に対して担保保全の為、金融機関に対して借地権を担保する皆の承諾書を書いていただくよう言われます。地代が滞納した時は、金融機関が代払いすることを承諾する等の内容が書いてあり、この承諾が無いと通常融資が困難です。貸主に拒否された場合、自己資金で賄わなければ建替えが不可能となるものと考えられます。貸主との人間関係は借主にとって大変重要です。各承諾について拒否された場合、司法が代わって承諾してくれるのですが、時間と余計な出費が、かかります。良好な貸主との対人関係を維持することで、精神的苦痛を感じている人も多いのではないのでしょうか。

不安定

■貸主がある日突然、相続や売買により変わる可能性もあります。今の貸主と人間関係が良好でも、明日はわかりません。地代の滞納も限度を超えると場合よっては、借地権が消滅します。権利が保護されていても不安定なのです。貸主と合意ができれば、底地を買い取ることにより、土地を所有権とし、安定した財産とすることが、借地権者にとって有益と考えます。

コスト高 

■これからは、コスト高も覚悟する必要があります。貸主も今までの考え方とは、違う新しい発想の二世、三世の貸主が、誕生しています。先代の貸主と違い良い意味で事業として、割り切る傾向にあります。更新料、各承諾料等も、ビジネスとして、しっかり請求されます。法律上、払う義務がなくても、それなりの覚悟が必要です。

借地権の換金性

■借地権は権利は強くとも、近年、換金性に薄く税務上の価値基準と実勢価値はあまりにも、かけ離れていると考えられます。例え、借地権割合が6割あっても、その権利分を換金できるかは、全く別の問題であり実務上、権利分資金化できるかは、立地と貸主の意向により大きく左右されてしまいます。借地権の権利を処分する時点で初めて、このことを思い知らされる借地権者の方が大半です。