境内中がキンモクセイで香る季節となりました。此度も役員各位に於かれましては、お忙しい中多数お集まり頂きましたこと篤く御礼申し上げます。 さて、御降誕八百年を目途に励光閣建立以来イノベーション及びリノベーションを進めて九年が経過した本佛寺。今なお境内整備を積極的に推進しておりますが、ようやくゴールが見えて参りました。それは、昨年来のインフラ(境内道路)拡張工事が六月末に完了し、あらかた全域に車両が入りようになりスピードアップを実現させたからです。各お堂近辺の石積みや勾配調整、雨水用の側溝やタメマスの設置、上水蛇口全域設置などと併せ、電線総埋設と屋外コンセント及び外灯の全域設置等のピッチが上がり間もなく完了を見ます。本誌にあるように先月、物置を兼ねた倉庫を新築致しました。ここを拠点とし今後は、防火用水並び消火栓の境内全域確保を目指し、伴う樹木伐採と植樹を行って参ります。尚、コンプライアンスを問われる近年を鑑み、弟子達も含め関係資格を取得しての作業に取り組んでまいりますので、ご協力の程お願い致します。 年中行事においては、お陰様で多くのご参詣を得て遂行致しており、各位には心から感謝申し上げます。ことに百九年の歴史ある二六日という日程を変更した川施餓鬼法要では、啓発が遅れたにも関わらずご理解の上のご協力を頂き円成、今後の道筋を定めることが出来ました。 また、来年の日程にありますように「國祷会」を年中行事に新たに加え、最近の国難とも言える自然災害鎮静を八百万の神に祈りたく奉行することとしました。これに就きましてもご理解を賜りたい次第であります。 此度の最大のテーマ「御会式円成」は、本佛寺の核となる行事です。日蓮宗にとって最高法会であり、全国一斉に行う報恩行であります。しかるに、お題目講の人員減少に歯止めが掛からない講中に対し、強く復帰参加を求め続けたことが大きな負担と心労を招いてしまい、かつそれが不参加へと繋がったようであります。誠に申し訳なく衷心よりお詫び致します。そこで、今年は、「うきは」を「大石・杷木」と、「松原」を「田主丸」と、「草野・竹野」を「清正院」とにそれぞれに合併し、一つの万灯に両題目講が付いて行列するようお願い致します。とはいえ西身延青年会が新体制を整え、元気に後身としての役割を果たそうとしております。今後は、定年に達した会員を題目講へ、題目講から若年層を会員へなど青年会と講中との連携を強化し、一丸となる鎮西身延山御会式を再構築し、沿道の方々や参詣者が、お題目を更に大きな声でお唱え出来る環境としたいと考えております。少子高齢化の趨勢は承知しておりますが、何卒、今年も御会式盛会への変わらぬご協力を宜しくお願い致します。 結びに、総代会からのご報告にあろうかと存じますが、昨年の本会で何かと議論賜り、前向きに動き出しました玄関に据えてある「志納箱」。その御寄進に深甚の謝意を表します。 以上、縷々述べさせていただき、本佛寺の護持繁栄をお誓いし、ご挨拶と致します。一同合掌 平成二十八年十月一日 宗教法人本佛寺代表役員 佐野前延 |