猛暑が続いた今夏、役員の皆様におかれましては体のみならず、気候に順応出来ない農作物や、伴う不景気にさぞご苦労の事と推察しております。信仰を糧に何卒乗り越えて頂きたいと拝む事しかできない住職であります。 さて、この度は総会のご案内を致しましたところ、繁忙の中ご参集賜り、篤く御礼申し上げます。当山は、ご覧の通り皆様のお陰を持ちまして、今年度も護持に従事しつつ繁栄をしております。これより、議題にそってその経過をご説明させて頂きますが、今年は境内の充実を中心に進めました。沿革書き換え・各御堂の案内・御堂を繋ぐ参道・サイン版設置などです。励光閣が完成し、社会的にも更に周知された本佛寺。現在参詣者だけでなく、観光に訪れる方や、講演を聴きに来られる一般来訪者が多く見られるようになりました。そのため境内散策者が増え、事務所に境内の地図を求め、順路などを尋ねる訪問者が後を絶たなくなりました。そこで、看板の設置が必須となり、各所に案内版を立てた次第です。最近は檀信徒も読まれるなどの相乗効果が見られ、当山の教義的位置付け、当地への建立、御堂造立の裏付け等を理解され、私共の目指す「誇れる本佛寺」「力強い本佛寺」が内面から浸透しているような感触を得ている所です。なお一層の啓発に励む次第です。 また、仁王門の塗り替え、参道整備もその現況を鑑みて行いました。現在は、「常仕殿」解体後に建立している「暁六庵」を今月五日に上棟式を予定し、着々と建築を進めています。これに関しては、師父(銅像主管)が、個人の年金で造りたいとの希求により、境内ではありますが勝手乍らそれに答え、改築の着工に至ったものです。建物名称は、両親の名前から付しました。事後報告をお許し下さい。 ところで、「励光閣」落慶に関する日程ですが、議題にありますので、その折り詳細を諮り決定したいと願うところです。これは予算との絡みは必然ですので、慎重にご審議を賜りたく存じます。繰り返しますが、決して当山は、須く後退しておりません。勢いも止まってはおりません。むしろ恐ろしい程進歩していると申し上げても誰もが疑いのないところでありましょう。されど、ここでしっかり地盤を固めるつもりで、一丸となる大会を開催出来るよう、共に智慧を絞りたいのです。各位のお知恵を拝借させて頂きたく望みます。 次に「御会式」については、例年通り盛大に奉行し「報恩」を示します。日蓮宗の行事ではありますが、うきは市のお祭りとなった御会式を最も喜んでおられるのは日蓮聖人でありましょう。昨年は朝倉題目講が復帰し更に賑やかになりました。グローバル化が進み、日本が日本らしさから遠ざかるような現代社会現象。私達は時の流れを顧みず、この行列を続けます。議題のところで、これに関してもご説明をさせて頂きます。 本日はこの二点を重点的に、十年後百年後の宗教を考えながら、未来も癒しと輝きを続ける本佛寺を目指すため、この役員総会を開会致します。最後までお付き合いの程、宜しくお願い申し上げ、趣旨説明並びご挨拶と致します。 合掌 平成二十二年十月一日 山首 佐野前延
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