ご挨拶 8月12日発行の西身延青年会会報「心耕」に寄稿させて頂いた当山の歴史。そこで私は各位のご先祖様方に触れ、「誠実で暖かい集団」と記されていた明治期の記事をもとに、「これは今に至っている」と書きました。 宗会議員となって8年、全国の日蓮宗寺院に参拝しながら試案を重ね、則った施策を講じて参りました。でも本佛寺のようなお寺にはならないないのです。何も難しいことはないと思うのですが、なかなか日蓮宗寺院全部が賑わうにまで行き着きません。ご住職の努力と覚悟の不足と指摘する声もありますが、やはりそれだけではないようです。当然、私もたいしたことはしておりませんし、そんな能力もありません。手前味噌でしょうが、本佛寺に流れる信仰心は素晴らしい。つまり源流の開基檀方は、今も聖域である当山境内に棲み、永遠大明王の御威徳に照らされ、輝き続けておられる。そしてその魂が末裔の檀家と連動し合い、信徒を、町を、コミュニティーを巻き込んだエネルギーとなって繁栄をもたらしているとしか思えないのです。 お会式万灯行列は、佐野前励上人の遺骨を吉井駅に迎えに行った檀信徒が涙で提燈行列をしたのが始まりと私は以前申し上げました。この慈愛が、題目講により万灯となり力強く信仰を表現。いまでは、青年会も加わり、婦人会の握り飯を頬張って、なんと檀信徒が普通にお題目を広めております。これはすごいことだと役員の皆様思われませんか。明治初期に産声を上げた山寺が、日本一を目指し「お入りなさい」とは言わず、檀信徒の背中を見ながら、自然に新しい檀家が増え、お題目の声が大きくなり境内全域が整っていく通常。 今年もウォークラリーの人達、寺寶館見学者、山首講演受講者、境内散策者、幼稚園や小中学校の遠足、保護司会などなどがご参詣、社会が当たり前に本佛寺を必要とするまでになりました。そして境内に点在し祭られている諸天善神に、誰もが手を合わせる姿は、寺離れの揶揄をも撥ね除けております。実はこれが今、私達が境内整備を進めている原動力ともなっております。本誌に写真で進捗状況を掲載し、お預かりする僧侶のこの行動は必然である、と各位の意識共有を求める次第です。 何とぞ、本年も「お会式」へのご協力をお願い致し、お題目による社会の浄化に共に励みましょう。更には境内道路整備推進へのご理解を賜りたい所であります。 尚、本日は、「励光閣」寄付名簿の確認をさせて頂きます。いよいよ、大事業が今年度で完了致します。個人情報であるため、名簿配布は避けますので、五部を回覧頂き、各お題目講へのご報告を望む次第です。 以上、意を尽くせませんが、山首挨拶と致します。ご参集ありがとうございました。 合掌 平成25年10月5日 山首 佐野前延 |