ご挨拶 今年は4月14日、6年間をかけ心血を共に注ぎ込みました「励光閣」落慶が、盛大な円成を得、当山は名実共に鎮西身延の風格を増す年となりました。手前味噌で僭越ですが、各位のご尽力の賜物として同慶の至りでございます。 あの落慶から6ヶ月を経てもなお語られ続く慶事の様子は、当山の歴史に輝く大いなる一頁であります。これにより歩みを加速した本佛寺は、境内全域を含め、檀家の誇りとも大衆に謳われております。その証が昨年と同様になりますが、参詣者或いは団参の増加と檀徒増となって現れています。まず、参詣者は、「小さな町の美術館」「ウオーキング会」「小中学校体験学習」「地域老人会」「教育委員会」等の一般が主催するイベントの会場となった事による啓発的相乗効果による自然増。また団参についても、昨年の倍の増員となっております。これらは寺院の収益と必ずしも比例しませんが「本佛寺へ本佛寺へ」との動きは、励光閣の存在なくしてはあり得なかったといえましょう。そして宗内では、全国レベルで日蓮宗信徒の信仰心を涵養させているようであります。因みに管区寺庭婦人会を五月に開催、今月も長崎管区大型団参を控え、来月は、13日に山梨県一部宗務所が90名、15日には身延山法主猊下が当山で御親教のため御西下。祖山一行は45名となります。これに就きましては後ほど具体的にお話をさせて頂きますが、日蓮宗では知る人ぞ知るお寺となっております。各位周知の程願い上げます。次に改宗者ですが、これまでも励光閣建立以来24軒(平成21年から)が入檀され、今、法華経の学習に取り組んでおられ、本佛寺の檀家となって良かったと異口同音におっしゃっています。寺離れなどの揶揄を正面から否定する事実がこの寺にあります。何れに致しましても偏に、役員各位の不断なる題目精進の尊い姿が伝播した結果であります。ご理解からなるご精進、建造物のみでない絶大な支えとその心構えに衷心より感謝申し上げます。 さて、「本佛寺のお経は長い」「本佛寺は行事が多い」などの有り難いご批判にも似た噂を耳に致します。最近では婦人会や青年会幹部は大変だとも聞き及びます。私にはこれは須く嬉しいことと喜んでおります。何故なら、「あのお寺はお経が短くて殺風景」「何もしない寺は行く機会も拝む気もしない」「婦人会、まして青年会など存在しない」「寄付の時だけ役員会をする」などの逆説が漏れ聞こえるからです。寺は照らされてこそ寺なのです。檀信徒の心の依り所であります。我々弟子職員を含め寺族は、先師が繰り返し行ってこられた努力を割愛することは出来ませんし、してはならないと考えています。現今、寺が葬儀や法事などの仏事を簡略化した結果、もっと略してしまおうという人間の甘えが、間違った箇所を突いてしまい、寺など不必要としたと思料しています。信仰があり、教義への興味や寺院の魅力があれば、このとんでもない誤りを恥じる筈です。仏道修行の根幹とは何か、信心を専らとする道徳・礼節とは何なのか。これらを本佛寺は探求し続けるからこそ、誇れる寺、力強い寺、輝く寺を目指せると信じております。役員各位には、これら法華経精神に基づく本佛寺イズム、そして「御会式」が柱とする信仰表現の大切さにご領解頂きますようお願い申し上げご挨拶に代える次第です。合掌 平成二十四年十月六日 山首 佐野前延
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