今回は、クリスマスの時期に英国を始め欧州で昔から飲まれている飲み物のご紹介です。mullは「香辛料や砂糖を入れて温める」という意味。かなり甘くなるので食事の時に飲むためのものではなく、寒さが強まるこの時期、夜などに暖炉やストーブでこれを作って体を暖めたのでしょうね。現在では香辛料や乾燥した果物など必要なものが袋入りになって、そのままワインに入れればいいようになっている手軽なものも売られているようです。日本で言えばお正月のお屠蘇に近いでしょうか。
☆ マルド・ワイン Mulled Wine ☆
使用する赤ワインは一番安いもので構いません。むしろ香辛料や砂糖、生のオレンジなど色々入って独特の味になるので、ワインの味そのものを楽しみたいような高価なものは使わないで下さい。オレンジの代わりにみかんでも構いません。
赤ワイン 1本
水 600ml
砂糖 100g
オレンジ 2個
シナモン・スティック 4本
ナツメグ 1個
クローブ 4個
1. 水と砂糖、シナモン、ナツメグ、クローブを手鍋に入れ、5分間煮立てる。
2. 薄くスライスしたオレンジを加え、火を止める。そのまま15分間放置する。
3. ワインを加え、沸騰しないように注意して弱火-中火でゆっくり過熱する。
熱々のうちに、温めたグラスに注いで飲んで下さい。
☆ ジュースでアレンジ ☆
上のマルド・ワインをジュースにしてアレンジすると、アルコールの苦手な方、お子さんにも楽しめるかと思います。ジュースはグレープジュースなどなら上と同じように生のオレンジを加え、オレンジジュースなら抜いて下さい。水の量はジュースの1/3程度、砂糖もジュース自体が甘いのでぐっと少なめに。香辛料を入れるといつもとは大分違った味わいになって、大人にも充分楽しめる味になるのではないかと思います。ショウガの絞り汁などを入れてもまた変わった味わいになり、体も暖まります。ジュースを温めて飲むと言うと変に感じるかも知れませんが、これが一度やってみると結構いけるので是非お試しになってみて下さい。
マルド・ワイン参考文献 : "The Concise Mrs.Beeton's Book of Cookery" Word Lock Ltd.
画像のグラスに使用のパネル : 水晶宮素材
completed 19.12.2003.