昨秋に出たfire10の第7世代。これがいい。キンドルはすぐ読めるし、バッテリー長持ちするし。なんといってもコスパ最強。でも、シンハラ語の利用者にはどうにもならない決定的な弱点がある。シンハラ語の文字が□□□□□□。豆腐表示されて読めない。もちろんメールも書けない。 |
No-111 2018-Jan-23 Tuesday
FIREにもインド系文字がfireシリーズにもやっとインド系文字が加わったということを小耳に挟んだので、新しく出たfire10を仕入れました。タブレットのややこしい設定 はすべてアマゾンで引き受けてくれていますから、amazonから送られて来たfire端末に自分のwifi暗証番号を書き込むだけでネットへのアクセス はOK。 アマゾンがfireに用意してくれた絹ブラウザでネットに飛び込めます。絹ブラウザ検索エンジンのBeingで「スリランカ」を探して、さっそくスリランカ政府のホームページを開いて…っと。だけどここで、「ええっ」と引いてしまうはめに! スリランカ政府のトップ・ページが□□□□だらけ。見事に豆腐が並んでいます。目立つのはタミル文字。こちらはフリルのないきれいなフォントで表示されています。 タミル文字の上には□□□□。この豆腐の横並び、シンハラ文字の化け物です。ABCアルファベットもタミル語もfireタブレットにきれいに表示されたけどシンハラ文字が出てこない。豆腐化けしています。 シンハラ文字もユニコード化されているし、新しいパソコンには初期設定でインストールされているはず。これはおかしいと思ってfireのシステムの中の フォント・ファイルを覗けば、そこには有り余るフォント・メニューが並んでいるのに、あれ、シンハラ・フォントが見当たらない。 たとえば、インド系のフォントには、
NotoSansDevanagari NotoSansGujarati NotoSansKannada NotoSansKhmer NotoSansMyanmar NotoSansMalayalam NotoSansTamil NotoSansTeligu …などが収納されています。 フォント名のNotoはNo Tofu。これはNo more Tofu(豆腐文字はもう沢山)のこと。ネットからの豆腐文字撲滅を図るグーグルが高らかにNo more Tofuと謳ってアドベと共に開発した文字がNotoSans。 SansはSans serif、「フリルのない」という意味。余分な飾りは付けません。前世紀末に颯爽と登場したモリサワのDナール文字、当時は変体少女文字と言われたけど、あの柔らかい丸文字書体がSansに通じています。 fireのフォントファイルにこれだけ顔をそろえた豆腐撲滅系文字。だけど、fireのフォント・フォルダーにはシンハラ丸文字がない。 どうしたことだろうと訝ってグーグル・サイトを訪ねれば、NotoSansのフォントにはsinhalaも取り揃えてあることがわかります。いや、取り 揃えてあるどころか、NotoSansのSinhalaフォントは極細thinから極太blackまで、たっぷり36種あります。(参考 日本語フォントはNotoSansCJK JPとして7種です) ノー・モア・トーフ!ノー・モア・トーフ(豆腐はだめよ)のシンハラ・フォントをfire10にダウンロードしました。したにはしたのですが、これがfire10にインス トールできない。fire10の端末使用者にフォント・インストールの権限がないのが原因です。並みのandoroid端末ならスムーズにタブレット端末 使用者がsinhala fontを端末に組み込めるのですが、fire10は端末使用者によるシステムfontフォルダーへのアクセスを断固、拒絶します。fire10でシンハラ語が読みたい。そこで考えた。そうだ、アプリ・ストアへ行こう。 でも、amazonアプリ・ストアでシンハラ語関係のソフトを探したのは懸命な策じゃなかった。 amazonのandroidアプリストアには垂涎のシンハラ・アプリがいくつも並んでいます。このストアではgoogleストアより安全なアプリを扱っている。そんなうわさもあります。安心で安全。でも、なかなか噂どおりにはいかなかった。 amazonアプリ・ストアにPuvath Reader(「新聞早読み」)アプリがありました。fireにシンハラ語新聞を表示する無料アプリです。こいつはいける! でも、そもそもsinhala fontがfireのシステムにはないのでは? ないのならsinhala文字を表示できるはずがない。でも、このアプリを使うとシンハラ文字が表示されました。 そのわけは? これ、画像です。シンハラ語タイトルのお尻に張られたリンクから実際にシンハラ新聞のサイトへ飛ぶと見事なシンハラ豆腐の□□□□が列を成して天地左右に並びます。 このタイプのアプリの常ですが、インストールするとアクセス権限を行使してあなたのタブレットからあれこれ情報を取り出してどこかへ送ります。 でも、このソフトの場合、執拗さのレベルが低くて、広告勧誘やら課金サイトへの誘導といった悪魔の手練手管の汚れが今のところ小さい。 でも、ストアに並ぶそのほかのシンハラ語関連アプリには手ひどいのがあって、シンハラ語ソフトは動かなくても、広告を全面表示して、アクセス権限を断固行使するというものがあります。シンハラ音楽やシンハラ・ラジオ再生ソフトにありがちです。これは怖い。 昔、sinhala jokeboxというサイトがあってシンハラ音楽を縦横無尽に聞かせてくれたことを思いだして、「昔はよかった」などとローガイ感にふけってしまいました。 当たり前のことを当たり前にしたい現在、sinhala jokeboxにはアクセスできません。サイトがないようです。シンハラ音楽を聴くならyoutubeで再生するのが面倒に巻き込まれない穏便なやり方。そんな時代に落ちてしまったのか。アプリ・ストアを覗いたけどシンハラ語アプリはもう恐怖の対象。タジタジです。八九三のブタ・アプリです。シンハラ語学習がいやになってしまう。 このKhasyaReport「かしゃぐら通信」ではシンハラ文字をsinhala fontで表示する場面がサイトの中に多々あります。 現 在、KhasyaReportではスクール・ポタ(教科書体)unicode とkapruka社固有の古いsinhala fontを使用しています。kapruka謹製のsinhala fontはunicodeが生まれる前のものでキーボード打ち込みが直感的にできて、便利、重宝して使っていました。でも、時代はユニコード。これは順次 unicodeにリフォーム中です。リフォーム前のものはkaputa fontを持っていないと豆腐状態になります。 しかし、fireタブレットにも穴がある。グーグル翻訳の驚きこうまでしてシンハラ・フォントを遠ざけるamazon fireなのですが、amazonnさんはちゃんと抜け道を用意してくれています。それは「グーグル翻訳」をfireで使うと、ちゃんとシンハラ・ユニコード・フォントを表示してくれるのです。だから、グーグル翻訳を開いて「日本語→シンハラ語」転換をすれば、皆さんがシンハラ語の話し方でお読みになるシンハラ・フォントの形でシンハラ語が表示されます。初期のグーグル翻訳と違って、このところ、翻訳の精度は良くなっています。もともと、シンハラ語のユニコード化と英語への機械翻訳はグーグルがスリランカ政府に関わる形で始まりました。シンハラ文法の解析をシンハラ語の助詞であるニパータnipataに焦点を当てたのもグーグルによるシンハラ語の機械翻訳に立ち向かったグーグルの功績です。 さて、なぜ、グーグルはライバルのアマゾンの専売タブレットの中でシンハラ語を自在に操れるのか、これは、私にはさっぱり分かりません。アマゾンが鎖国をやめたという噂を耳にもしますが、はて、はて。 残念ですがfireタブレットではKhasyaReportのシンハラ語文字はすべて□□□□の豆腐表示です。当サイトはシンハラ・フォントを使用していますので、トウフ文字のお困りの場合、ほかの社のタブレットでご覧になるか、PCのご利用をお勧めせざるを得ません。 fireシリーズ。amazonファンとしては使い勝手がいいし、何よりコスパが最高で手放すことは考えたくもない。 シンハラ文字を読む。その当たり前のことを当たり前にしたい。ノゥ・モア・トーフ! シンハラ・フォントが装備される次世代、次々世代fireの登場を期待します。 |