聴いた、観た、買った ---淡々と音喰らう日々。

1999.09.16-30

>10.01-15
<09.01-15
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★は借りた新着、☆は新規購入。


9/16 マッシヴ・アタック『メザニーン』『プロテクション』
最初のうちは、マッシヴと力を相殺しているように思えたトレイシー・ソーンのヴォーカルも、夕闇迫る東京の街並みを背景に聴くとがぜんリアリティを増して聞こえる。EBTGそのものが東京という特質と妙に美的にマッチするとは思っていたが、これもだ。マッシヴは裏方仕事に徹したということか。だがまあ、そういう意味でも『プロテクション』は考えオチ作品なのだろうなあ。

ディック・リー『エイジア・メイジア』『マッド・チャイナマン』

9/17 ソウル・II・ソウル『Vol. V〜ビリーヴ』(1995)
ネリー・フーパーがマッシヴとリユニオンした『プロテクション』と同じ頃、ジャジー・Bの単独主催プロジェクトとなっていたソウル・II・ソウルが何をやっていたか、と思って引っぱり出す。実は以前聴いたとき、結構な違和感があったのを覚えている。T-2とかで都節音階が一部使われているあたりとか、変なドラムンベースまがい(これが実にまがい物っぽいので驚くのだが)のインスト曲なんかが。あと、曲自体に不足はないけど、ピアノ伴奏のみのバラードが1曲あったのが、何かピンとこなかった。
今聴いても、これらはやっぱりピンと来ないが、他の部分はそれ以前のSIIS色をむしろ徹底させたようなシャープな仕上がりで、なんか避けてて損した気分。レゲエ×CHIC×アフロセントリズム。いかんなこういう図式化は。それから、生音の重なり合い、掛け合い、交歓から、このセッションが「人の集まり」で成り立っていることがきっちり伝わってくる。この熱気、好きなんだけど、なんか今となってはもう過去のことのように思えてならない。

夜、映画『天使にラヴ・ソングを2』(1993)のTV放映を見る。ちょっと長くなるのでシネマのところに書きます。

9/18 アベレージ・ホワイト・バンド『シャイン』(1980)
川本真琴(1997)

9/19 朝は涼しかったのにやたらと気温が上がる日曜。思いっきり家事を片付け快汗。

ジルベルト・ジル『進化〜ザ・ベリー・ベスト・オブ・ジルベルト・ジル』

だが、これはさすがに暑いと連れ合いに言われ、涼み系の選曲に軌道修正。

ドリ・カイミ(1988)
ジョニ・ミッチェル『ナイト・ライド・ホーム』

家事の合間に、amazon.comCD NOWで初めて諸々オーダーしてみる。きっかけは、連れ合いが貰っていたamazon.comのディスカウント・クーポン。そのうち試してみるつもりはあったのだが、何となく散財しそうで避けていた...で実際やってみるとまあ散財の罠、罠、罠。「このタイトルを買った人は、他にこんなのを買ってます」とか「その他のオススメは...」とか、ワタクシのような消費者には危なすぎますです(笑)。

9/20 マット・ビアンコ『ザ・ベスト・オブ・マット・ビアンコ』
改めてヘッドホンを耳に聴くと、あらあ軽いは軽いなりに楽しいじゃないの。実はこれって80年代中葉の、平均的な大学生文化を代表する音だよなあ。その意味では懐かしくも面映ゆくもあるのだけど...これでとどまってるようじゃダメだやっぱ。

BIS『ソーシャル・ダンシング』(1999)★
前作のメジャーデビュー盤は、あのヘタウマ漫画のジャケットで引いてしまっていたのだけれど、この2ndはbdx氏がコメントしていたので図書館でゲット。これはいい。ある意味、歌ものロックとしてパンクの作法が復活しているような感じもあり。そういうものだから、どこかプラスチックスを思い起こさせたりもする。あの皮肉な感じがどこか通底する。
でも、今の時代ってこういうものもちゃんと当たってるんだ。何かホッとするような不思議なような。

9/21 BIS『ソーシャル・ダンシング』
マッシヴ・アタック『メザニーン』
パット・メセニー・グループ『The Falcon and the Snowman
(「コードネームはファルコン」オリジナル・サウンドトラック)(1985)
サントラなので、テーマの使い回しだけで出来てるトラックとかあって、それは退屈なのだけれど、でもまあそのテーマをきっちり練り上げたトラック3つばかりは実に素晴らしい。遠さ、と言うより「果てしなさ」とでも言った方がふわさしいような奥行き感と流れ。

ジョニ・ミッチェル『逃避行』
雨が上がって涼しい夜。そういう季節になるとこういうのを聴きたくなるたぁ、我ながら単純だ。

椎名林檎「ここでキスして。」マキシ・シングル
先日ようやく妹から返ってきたので久々に。3曲構成の流れもよく出来たいいシングルだと思う。

9/22 BIS『ソーシャル・ダンシング』
アル・スチュワート『イヤー・オヴ・ザ・キャット』
(1976)★
図書館の「返却されたて」棚に置いてなかったら借りなかったであろう1枚。いや実は、79年頃の『タイム・パッセージ』のタイトル曲がすごく良くてまた独特で、その1枚前だということを辛うじて覚えていたので借りたのだが。
どう独特だったのかと言うと、フォーク・ロック調のオケにイングランド民謡系の音階を使った素朴なメロディが乗っていて、その中間部にサックス・ソロと分厚いストリングスの長大な間奏が挟まっている、というもの。ある種のトリップ感覚あり。『イヤー...』収録曲では、これに連なる傾向のはタイトル曲のみで、それ以外はまあ当たりもあれば凡庸なフォークソングもあり、といった塩梅。で、先に述べたオーケストラルなトリップ感は、実はアラン・パーソンズの参加(プロデュース等)によるものだったことが判明。あーなるほど、アラン・パーソンズ・プロジェクト(APP)で言えば「タイム」とか「ドント・アンサー・ミー」あたりに繋がるテイストか。でもAPPってそういう傾向の以外は今一つなんだよなあ...となると、アル・スチュワート探求はとりあえず棚上げかな。

9/23 息子から各種単品リピート指定を喰らうが、それでおとなしくしてくれるなら家事もはかどって大助かりの祝日の昼間である。

さて、それがおさまってからは適当にこんな感じで。

スガシカオ『クローバー』
ディック・リー『マッド・チャイナマン』
アル・スチュワート『イヤー・オヴ・ザ・キャット』
トゥーツ・シールマンス『ブラジル・プロジェクトVol. 2』

ボサノヴァ万歳! これにて息子が昼寝入り。親たちもついでに10分ほどうとうと。これじゃいくら「ブラジル音楽に癒しを求めるなんてトンデモナイ」って息巻いても説得力ないよなあ(笑)。

矢野顕子『ゴー・ガール』
息子の寝てる間に、普段単品リピートされて全編通して聴けないものをプレイする、というのは基本である。

9/26 『喜納昌吉&チャンプルーズ』(1977)
これも時々、家事音楽にさせてもらってます。しかし、学生の時分に初めてこれを聴いたときの印象って、まあ度肝を抜かれたというか、結構な違和感だった記憶が。まあスカした学生だったんだろうなあやっぱ(笑)。

ディック・リー『ホエン・アイ・プレイ』
これも学生の頃聴いてたら(ってまだ出てなかったけど)、どう感じたことか。んーでも会社での友達とかって、この辺ダメな人多いよなあ。要は、自分の中に歌謡的な下世話さへの志向が実はあるってことを、認めたくないだけなんじゃないかなあ、そういう人は。昔の私みたいに。

BIS『ソーシャル・ダンシング』

9/27 熱はないのに、鼻が苦しくて頭がひどく重い。これはかなわん、ということで自宅療養。眠ったり起きたり汗かいたり。頭重すぎて音楽をあまり聴く気にもならず。辛うじてこんなのを掛けてみたが、ちょっと上の空。
エヴリシング・バット・ザ・ガール『ワールドワイド』(1991)

9/28 昨夜からひどい咳。12時過ぎに何とか床に戻るも朝までうたた寝状態。起きても咳き込んでばかりfeat.鼻水なので本日も静養に決定。

午前中、CATVでViewsicをつけておくと、おおマスダさんの書いていたのはこれだこれ、というのが次々掛かる。最初はこれはハードコア特集なのか、ギターウルフにスーパーカー、続いては女性R&Bシンガー集ってことでクリスタル・ケイとかバードとか、あと最近のUAを確認。このヒト好きだなあやっぱ。でも情報フォローするだけの体力と余裕がないのだ。風邪で転がってでもいない限りは(笑)。

しかし、コア特集の裏(スペースシャワーTVか)で同時に掛かっていた歌ものバンドの所在なさ、それと比べたギターウルフやスーパーカーのリアルさといったら何なんだろう。保守的歌もの野郎の私にさえそう思わせる歌の貧弱さは、歌やってる人たちが実は歌そのものをなめてるんじゃないか、という疑念を抱かせる。メロディラインの書き方もそうだが、多分それ以上に歌唱とバンドの音がおざなり、通り一遍な感じがする。

パット・メセニー・グループ『トラヴェルズ』『ロード・トゥ・ユー』
パット・メセニー『ニュー・シャトークァ』

人のさざめきがあると何か落ち着く療養生活。というわけでまずライブもの2発。最後のは何だかほどけた感じのフォーク・インストゥルメンタルとでも言うか。聴けば聴くほど何故か深刻に思えてくる、奇妙な透明感。

V. A. 『ビッグ・ヒッツ・オブ・ソウル Vol. 1』
生協の共同購入にて手配した3枚組2,480円つう超お手頃オムニバス。ほとんどが60年代モータウンもの。1枚目はダイアナ・ロス&スプリームスやスモーキー・ロビンソン&ミラクルズなどを中心に。

9/29 病み上がり出勤BGM第1弾に選ばれたのは マリーザ・モンチ『ローズ・アンド・チャコール』。いいわこれ、凄くいい。こんな前向きな音楽で、しかもポジシンとか電波じゃないなんて、あまりないぞ。

DJクラッシュ『迷走』(1995)☆
帰りがけは少しテンションが上がったので、予備にと持っていったこれも聴けた。というか、『覚醒』がそうだった(ので『迷走』も買った)けど、この盤でも、クラッシュのリズムが語りかけてくる間合いは、緊張をはらみつつも落ち着いて、何とも気持ちよい。鋭いラップがかぶさる曲でさえ、そこには言ってみれば「煽るのでなく、冷静に議論する」ような時間が流れている。

9/30 DJクラッシュ『迷走』
ハイポジ『身体と歌だけの関係』

昼間から東海村の臨界事故のニュースを追っていたが、夜10時以降のTV各局のニュースであまりに軽い扱い(臨時でずっと続けるとかするんじゃないのか? 普通...)なので却って恐ろしく、TVとWebとで並行して深夜まで最新情報を追いかける。ったく、何て事故起こすんだよー、これじゃ風邪治んないじゃん...。



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