なく狼
夜明の丘に立って 泣いていた とてもまじめな 狼に ぼくは
何度も繰り返すんだ
そばにいておくれよ そばにそばにいておくれよ
朝がきて ひとははたらき 空の下 傷ついて 眠ったよ
そばにいておくれ そばにいておくれ
みみたぶ かんであげる 髪をすいてあげる うなじを吹いてあげる
なんでも きみの好きなことしてあげる
きみのこと まってた ずっとまえから まってたよ
夏の日 秋の日 冬の日まってた 晴れの日 風の日 雨の日まってた
そばにいておくれ そばにそばにいておくれ
まぶたにキスしてあげる 膝を曲げてあげる 指を吸ってあげるよ!
それからぼくは 服を脱ぎ
アフリカのライオンみたいに食べられた
なぜって
ぼくの体液の赤さと塩さと
きみの美しい夜明と雪と
おなかがとてもすいていたからさ
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