月のすきま(2002年2月) |
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2002/02/01(金) ふぁてぃげ | |
肝臓のあたりがシクシクする。 |
2002/02/02(土) こーん。 | |
こーん。 |
2002/02/04(月) 恋猫 | |
昨日とはうってかわってよい天気。 恋猫の恋する猫で押し通す (永田耕衣) |
2002/02/05(火) 独身者 | |
庭もすごいが建物の方も凄かった。 夜勤なんだろうか。 庭はもうきれいに明るくしましたよ。 |
2002/02/06(水) ズル休み | |
夜は久々にマンガ喫茶へ行った。 |
2002/02/07(木) 状景 | |
母親を包丁で刺し殺した19歳の無職の息子は、犯行の動機を訊かれて「なぜ殺した 今日の夕刊の片隅に載っていた記事。 人気がなくなるまで物陰に潜んでいる時の呼吸の音。 いちにちの中のたくさんの私たち。 |
2002/02/08(金) モモノハナ | |
今日は春のような陽気だ。 また春がくる。 |
2002/02/10(日) 共感する細胞 | |
休みの終わりはいつも、為すところなく日が暮れたという感になる。 取り溜めしておいた録画ビデオでミラーニューロンのことを知る。 はっとしたのは、このミラーニューロンがある脳の場所が、言語に関係すると言われるブローカ野(運動性言語野)にあることだ。本来ここは、言葉を話すときに働く部分だ。 言葉と共感の細胞的場が同じであること。 だからなのだろう、名付けようのないもの、不安定で虚ろなもの、未知なもの、心細いものに出会うと、言葉を立てたくなる。そのようにして自分を確かめたくなる。 なぜなら私とは、あなたへの共感の中で作り上げられた言葉なのだから。 |
2002/02/11(月) 白梅 | |
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2002/02/12(火) 五郎太石 | |
ごろごろごろごろ五郎太石。 このあいだ古新聞を読んでいたら、聾で女優の忍足亜希子という人がこんなことを言っていた。 子どもの頃から耳が聞こえなかったので、マンガの擬音語、擬態語は、実際の音を想像するよいテキストだった。だから、「雪がこんこんと降る」、「あたりがシーンとする」といった擬態語は実際に、「こんこん」「シーン」と言う音がしているんだと思っていた。 擬態語は、手元の辞書では『視覚・触覚など聴覚以外の感覚印象をことばで表現した語。「にやにや」「ふらふら」「ゆったり」の類』とある。 忍足亜希子は「にやにや」した人、「ふらふら」した人、「ゆったり」した人の周りにはこんな音がしていると思っていたのだ。なんて素敵なことだろう。 五郎太石は、動かなくても、ごろごろした音が聞こえるから、ゴロタ石なんだな。 |
2002/02/13(水) フラジャイル | |
機械も道具も人も壊れやすいからメンテナンスが大切だ。 サウナから露天に出、身体中から湯気を放射して薄い星を見る。 |
2002/02/14(木) 草原の人 | |
梅の香の方からカタカタ、カタカタ、と早い音がするので何かと思った。 小鳥ひとつをとっても身近なものが見えていない。 このあいだテレビでモンゴルの遊牧民が羊を屠(ほふ)る情景を映していた。 この人は草原にあるもの総てに知悉している。 |
2002/02/16(土) ネコヤナギ | |
去年植栽工事した公園の枯れ補償の調査。
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2002/02/17(日) 辺見庸の穴 | |
日曜日は家事当番。 夜、新しく取り替えた枇杷の葉風呂に入っていると宅配便が来た。 日々…。 きょうと言う一日の質感を探りたいのだが、10年後思い出すとしたら、たぶん辺見庸の穴なんだろうな。 |
2002/02/18(月) 千年の匠 | |
乳幼児期に安心して人に甘える経験が、どれだけ深い心の糧となるのか、またそれが叶えられないことが、どれだけ恐ろしい不安なのか、激しく伝わってきた。 人が人であるためには、当たり前のような匠がいる。それは千年を相手にするようなことなのだ。 |
2002/02/19(火) いつの間にかもう | |
小梅は妹と銀座で待ち合わせ。 時代の雰囲気ということを時々考える。 NHKの深夜番組で、70年代のヒットチャートに乗せて、その当時の人々が銀座か何かを歩いている映像が延々と流れていたことがあった。 |
2002/02/20(水) 沈丁花 | |
沈丁花は東京の香りだった。 いまはもうないが中野の江古田に結核の療養所があった。 そんな日のすきま。 |
2002/02/21(木) 肥やし | |
いま使っている牛糞はその施設で作ったものだ。 木は黙って枝葉を切られ、足下を穿られ、雨風を過ごし、年輪を刻む。 |
2002/02/23(土)
知らなかったなぁ… |
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毎朝便所の中で『大工棟梁の知恵袋』森谷春夫著(講談社α文庫)というのを読んでいる。 最近、自分の無知を知ることがマイブームになっている。 |
2002/02/24(日) こころ | |
なんとか5時に終わらせて、旦那に「おいくらですか」と手間賃を聞かれる。 ああ、また安くしてしまった。 |
2002/02/25(月) また来る春 | |
午後から中学校の桜の枝を下ろす また春が来るな 日が長くなった |
2002/02/26(火) やってみなくちゃわからない | |
小学校の五葉松の手入れ。 子どもたちがチャイムとともに駆け出してきて、兎のように跳ねる。 いまの子は男の子も女の子も一緒に遊ぶんだな。 ジャンケンしてチームに別れて、クスの木の周りを駆ける。 みんな主人公。 誰も見ているものはいない。 教室からは「やってみなくちゃわからない♪」の合唱。 う〜む。
紛争がまだ続いていると信じて、6年間も山中にひとり身を潜めていたセルビア人の羊飼いが見つかった。人との付き合いは全くなく、木の実や野いちごを食べて生き延びてきたという。クロアチア人勢力に二人の兄弟を殺され、自分も投獄され、96年に脱獄して山奥に逃れた。 三面記事には、内戦や貧困地域の支援をしてきた「国境なき医師団」のメンバーが、山谷や釜ケ崎のホームレスの支援に乗り出したとあった。低血圧で倒れてケガした男の職業は刃物研ぎ。半世紀近く砥石を背負って町々を巡ってきた。最近は注文が減り、1本500円の代金も値切られるという。 (ともに朝日新聞2/26夕刊)
「やってみなくちゃわからない♪」 |
2002/02/28(木) 久々の雨 細く煙る | |
帰り道、ゴミ車で信号待ちしていると、黒人がひとり歩道を歩いていた。 植木屋はじめた頃、上野へ行ってブルースの安いCDを買い集めてよく聴いた。 こだわるというより、疲れた身体が欲しがった。 |