るーとらの秘密基地
blog「日のすきま」
松吉
■詩集『ひまわり』

●草花はひかりに濡れ
●七月
●あんなにお茶を飲んだのに
●海の色に染まる
●真昼のシネマ
●教えてくれないか
●ここにいるよ
●日曜日
●五月連抄(一九八三年)
●だれもいない美術館
●言葉
●桜の森をてくてくゆくよ
●不眠の夜
●この水はきれいです
●雨の日には
●ひかりよりも先に
●スケッチ
●水切り
●白いクジラは病気です
●空がいいんだ
●二十世紀の終りの四月
●危ない魚
●空に言った
●ひまわり
●ねむれぬ夜は
●朝を上手に
●電話をください
●いい声きかせてね
●さくら
●なく狼
●いますぐどこかへつれてって
●抱いてあげましょうか

■日のすきま
■メルマガ「日のすきま」
■月のすきま
■カイエ
■詩集『日の採集』
■詩集『サマータイム』
■くうくう!
■MK対話

電話をください

だれか電話をしてやればいいのにな
リンゴを食べて
空に吊られている
やわらかい喉で飲み込めば
新しい言葉で置くことができる
最新の話し方をしようよ
(世界なんて)
ちょっとした句読点の打ち方のちがいだろ
野良着を脱いだ祖父が
湯船のふちから星を仰ぎ
ふかい空の魚になったりしたんだ
電話してやればいいのに
南も北もゆくところ
着いた街はまちがっていただろう
(列車を)降りなければいいんだ
駅は幻
方位もまぼろし
このまま
どこへもゆかず(走りつづけ)
きみと歯をたて(指を濡らし)
声をあげる
「今年の真っ赤なリンゴです」
「今年の真っ赤なリンゴです」

空がカリンと氷を食べたよ
電話をください