勇者王ガオガイガー BLOCKADED NUMBERS

 1999年、(株)タカラより発売されたプレイステーション専用ゲームソフト。ストーリーモード、ミニゲームモード、データベースモードのみっつのモードを楽しむことができる。なお製作に当たっては、米たに監督をはじめとした多くのスタッフの協力が得られている。サブタイトル”BLOCKADED NUMBERS”は「封印された物語」の意。
 第一に、ストーリーモードは『勇者王ガオガイガー』の外伝的エピソード2本をアドベンチャーゲームとしてプレイできる。収録された『海のヴァルナー』『金の牙、銀の爪』はそれぞれ第14.5話、第43.2話として、公式に『勇者王ガオガイガー』の時系列に組み込まれている。プレイヤーは主にマモル少年の視点にたって、物語の舞台を闊歩し、多くのキャラクタや事件と出会いながら、ストーリーを展開していく。ストーリーには簡単な操作で遊ぶことの出来るミニゲームが織り交ぜられており、その結果やキャラクタへの接し方などでストーリーは多様に変化していくため、その結末がひとつではない、マルチエンディング方式が採用されている。
 第二に、ミニゲームモードはストーリーモードで体験済みのミニゲームの一部を、それ単体でプレイすることができる。ストーリーモードではミニゲームの結果如何によってその後の展開が変化するため、ミニゲーム練習用のモードと言っても良いだろう。ミニゲーム終了後にはその結果によって、評価を得ることが出来る。評価は最上級の「勇者王」から最下級の「ゾンダー」まで数段階に分かれており、「勇者王」の評価を獲得することによって、データベースモードで特別グラフィックを閲覧できるようになる。ただし、全てのグラフィックを閲覧するには、11種ある全てのミニゲームで「勇者王」の評価を獲得せねばならない。ミニゲームは連打系、リズム系、シューティング系の三つにおおまかに分類することが出来る。どうしても「勇者王」の評価を獲得できない苦手な系統のゲームに関しては、その系統のゲームが得意な人に代行してもらうのが良いだろう。
 第三はデータベースモードである。ストーリーモード、ミニゲームモードの結果が反映されるモードであり、ストーリーモードで一度でも見たことのあるグラフィックを閲覧することが出来たり、ミニゲームモードの結果によっては特別グラフィックを閲覧することができるようになっている。内部はキャラクタグラフィックを閲覧できる「エリアT三段飛行甲板空母」、メカニックグラフィックを閲覧できる「エリアU強襲揚陸補給船」、ゲーム用のものも含めたキャラクタ設定画を閲覧できる「エリアV弾丸X」、メカニック、および美術設定を閲覧できる「エリアW水陸両用整備装甲車」、ゲーム上の効果音を聞くことの出来る「エリアX多次元諜報潜水艦」、ゲーム上のBGMを聞くことの出来る「エリアY三式空中研究所」に分かれている。更にストーリーモードを進行させれば、ゲーム上のアイキャッチを閲覧できる「ディビジョンT高速転送射出母艦イザナギ」、主要キャラクタの特別メッセージを聞くことのできる「ディビジョンU万能力作驚愕艦カナヤゴ」、ゲーム上のアニメーションを鑑賞することができる「ディビジョンV百式司令部多次元艦スサノオ」、そして特別グラフィックを閲覧できる「ディビジョンW全域騒動補修艦アマテラス」への立ち入りも可能になる。
 メインとなる二本のエピソードには、ゲストキャラクタやゲストメカが多数登場する。それだけでも大きな見所であるが、同時にそれらが『勇者王ガオガイガー』や『勇者王ガオガイガーFINAL』の本編に少なからず影響を与えている点は注目すべきだろう。例えば『勇者王ガオガイガー』第49話ではゾヌーダロボが防御不能なはずのゴルディオンハンマーを受け止め、あまつさえ物質昇華してしまうが、これはゲーム内の第43.2話『金の牙、銀の爪』で登場したゴルディオンハンマーへの対抗抑制ツールであるゴルディオンモーターが、ゾヌーダロボに取り込まれていたためである。これらはもちろん「裏設定」に属する性質のものだが、こうした事実をふまえておくことで物語をより深く楽しみ、理解することも可能になるだろう。