【濱野】
それから後、完全にテレビゲームに喰われちゃってね、FLにしろ液晶にしろね、日本の市場から消えちゃって。残っているものにしても、これくらいの使い捨て感覚の2,000円以下くらいのものしかないんだけれど、バーチャルリアリティって言葉が市場に出ているんで、これこそそれ、というものをまた出そうかと思っているんですけれど。世の中の先端に子ども達の目を向けさせてあげて、その中でいかに子どもレベルで楽しませられるか、というのが我々の使命じゃないかと思っています。
【寺町】
バンダイさんなんかにもお話をうかがったんですけれど、あちらは今ポリゴンに注目していると。もうそろそろバーコードは卒業したいと・・・。あ、これ言ってよかったのかな?!(^^;
【濱野】
CG関係は我々も装置を研究していますけれどね。金がかかるんですよね。ワークステーションはどんどん処理速度を早くしないと。
【寺町】
それを1万円以下で発売されるわけですから、苦労されますよね。
【濱野】
ま、だからね、そこがね、玩具屋のいいところなんですよ。特にうちは、そういうものに徹してみようという感じなんです。先のスクランブルにしてもね、いかに本物に近づけたり、近づいたものを提供するかという。それが我々のやっている楽しさでもありますね。
【寺町】
失礼ながら、今のお言葉こそ本質かと。
【濱野】
長年やってきていますが、よりどころはそんなところですね。
【寺町】
バーチャルと来ました、ポリゴンと来ました。次は何でしょう?
【濱野】
うん・・・、まあ、これは我々の読みではあるんですが、前にうちで出したオムニボット、将来的にはホームエンタテインメントロボットですかね。早稲田の加藤先生も言っているけれど、マイカーならぬマイロボット。一家に一台、マイロボットの時代が来るんだろうと。
アームトロンなんかも、モーター1個で6軸を自由にコントロールできるなんて一般にはちょっと考えられないだろうと。おもちゃ屋ならではのアイデアですよ。
【寺町】
パソコンで動かすムーブマスターでしたか。それを動かすコンテストの記事なんかうちに載せていたりしましたが。
【濱野】
ああ、三菱から出ているやつですよね。あれはステッピンモーターが3つくらい入っているんですよね。ところが、アームトロンはこんな値段で6軸コントロールしているから、なんとかパソコンでコントロールしたいんだけどどうしたらよいのか、いう申し込みが、海外を含めて結構あったんです。結局、マイコン1個じゃとてもコントロールできないと(笑)。
(インタビュー収録:1993年9月)
