【寺町】
(カタログを見て思わず声を上げる)
あ、これです!Mr.Do!(ミスター・ドゥ)のお話をぜひうかがいたかったんですが。これは蛍光管なんですか?
【濱野】
違います。これは苦労したんですよ。カラー液晶ってのが、実際には全然世の中に出ていなかったんですよね。それをどうやって表現したらいいかって考えまして、フィルターを全部つけていったんですよね。ドット単位に。それで下では液晶がシャッターになっていて、さらに後ろから蛍光灯をバックライトにしているんです。

マルチカラーレーザー6000 Mr.Do(ミスター・ドゥ)
(1983年)
おなじみアーケードゲームの名作移殖
トーンワークスに後ろから光を当てるような構造で
いわゆるグラデーション処理が可能に
ゲームサウンドもプレイバリューも折り紙つき
電子ゲームの究極形のひとつ
【寺町】
ははぁ。蛍光管と液晶の粋を集めたような・・・。しかもポータブルという!私も子どもながらに驚いたんですよ。
第一、Mr.Do!自体がそもそもFLといいますか、ハンディ化しにくいゲームですから。それを見事に盛り込んで、しかもこの宝石まで出現させてしまうというのはスゴイ・・・(笑)。
【濱野】
そういう部分ではね、今はカラー液晶という形でね、カラーフィルターの精度はどんどん高密度化されているんで気がつかないかもしれないけれど、原理は同じなんですよね、これと。
【寺町】
このデザインも濱野様で?
【濱野】
いえ、デザインは違います。でも、うちの部屋でやったゲームですよ。
【寺町】
そうですか。いやー、本当にうかがえてうれしいです。
ぴゅう太版も売れたそうですね。私も買いたかったんですが、売れすぎたのか、店頭で見つからなくて。
【濱野】
今でもぴゅう太を使っているんですか?
【寺町】
ええ、それなりに。(笑)
それと、うちの姉妹誌でマイコンBASICマガジンってのがありまして、こちらでは3年半ほどずっとぴゅう太のプログラムを掲載していました。
【濱野】
ああ、やってもらっていただいていましたよね。
【寺町】
ご存知でしたか。”トミーさん、広告お願いします!”というネタがあったような(笑)。
【濱野】
あははは。あれ?その時からBASICマガジンの編集を?
【寺町】
いえ、その時はまだ読者でして。