2塁側自由席 05/2004

2塁側自由席 バックナンバー 2004年5月分


nirui-jiyu rogo 「二塁側自由席」は絵日記ふうの連載です。
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5月31日・月曜・182打席



原爆ほにゃららズ

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■散歩の途中、ライブハウスの前を通りがかったら、懐かしいアーティスト名が載った
チラシを見つけた。「遠藤ミチロウ」さんと「the原爆ほにゃらら」。「原爆」の後
を大声で口にするのはちょっと恥ずかしいので遠慮しておくが、両者とも僕が学生の頃
から活動を続けておられるはずだ。継続は力なり、という言葉がこの場合、適切かどう
かわからない。ただ実際、ロック界で歳をとっても現役を続けていくことは、(とくに
この国では)生半可な姿勢では難しいのではないか。いつまでたってもロックを卒業し
ない大人は、けっこうかっこいいんじゃないか。暑さでボーッとなりながら、考えた。

(12 : 58/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


5月28日・金曜・181打席



そのバーは何の前触れもなく取り壊されてしまいました

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■立ち退きがどうのこうの、権利がどうのこうの。近くにあるテントのバーが
ややこしいことになっている。僕も何度か行ったことがある店だし、まったく
気にならないではない。屋根はあるものの、ほぼ外で呑んでいるのに等しく、
そこがまた下北沢らしく感じられた。夜毎、ライブ・チャージは無しでミュー
ジシャンがボサノバなどを演奏。外国人客も多く、なんと店内にトイレはなく、
その代わり、公衆便所まで往復するための折りたたみ自転車が置かれていた。
お店がなくなってしまうのは気の毒だし、残念だし、そしてなにより寂しいな。
スクラップ・アンド・ビルドにっぽん。ここにもペンシルビルが現れるのかね。

(13 : 35/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


5月27日・木曜・180打席



アワワワ・ベイビー


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■生後十カ月になる息子が昨日、保育室で「アワワワ」を練習したらしい。練習した、と
いうより、先生に教えてもらったと表現すべきか。家に帰ってから何度も披露してくれた
から、本人もよほど気に入ったのだろう。手のひらを口に当て、唇から離したり触れたり
しながら、インディアンのように「アワワワワワ」と発する、あれである(インディアン
に対する差別じゃないか、とか批判しないでくださいね。そんなつもりは毛頭ありません)。
この「アワワワ」、ほとんどの人が子どもの頃にやったことがあるのではないでしょうか。
おおっ、そんな高度なことができるようになったんかいな、とむちゃくちゃ嬉しくなって
しまう私は、いわゆる「親バカ」なのでしょうか。というより、ただの「バカ親」ですね。

(10 : 50/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)


5月26日・水曜・179打席



「わかりやすい組」と「わかりにくい組」


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■今朝、駅の階段で、なんとかさんとすれ違った。失礼ながらお名前を忘れてしまった
のだけど、「黒い石けんの人」だと覚えていた。「黒い石けん」で有名な会社に勤めて
おられるの、と前に聞いたことがある。このように、ビジュアル・キーワードみたいな
ものがある人っていいですね。「黒い石けんの人」のように、見た目に特徴のあるもの
が代名詞のようになっていると、その人のことをいつまでも記憶していられる気がする。
「七色の髪の人」とか「白い粉の人」とか「赤いコーリャンの人」とか「青い顔の人」
とか「いつも鼻血の人」とか「ジーンズのチャックがだいたい開いてる人(オレやない
か)」とか、ま、なんでもいいんやけど、わかりやすい人はええなぁ。

(11 : 50/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


5月24日・月曜・178打席



Public Restroom (公衆便所)

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■1917年、既製品の男性用便器をニューヨーク・アンデパンダン展に出品しようとして
展示を拒否された、マルセル・デュシャンの「泉」の(当時の)斬新さとは、比較しよう
もないが、突然、集合住宅のエントランスの前に便器があったら驚きます。新しい便器に
取り替える作業をしていて、古いのを回収するまでの間、業者の人が一時的に置いている
のだろうけど。なんて思わせつつ、実は、現代美術家によるゲリラ的な展示だったりして。

(11 : 57/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


5月23日・日曜・177打席



千秋つながり!?

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■宇宙飛行士・向井千秋さんのご主人、医師の向井万起男 ( まきお ) さんが夕刊に出ていた。
向井万起男さんは大リーグ通らしく、今年はジョンソン宇宙センターのあるテキサス州ヒュー
ストンで開催されるオールスターゲームを、奥様と現地で観戦する予定だという。羨ましいな。
ヒューストンといえば、ヒューストン・アストロズ。astroは、英語で「宇宙飛行士」や
「星」の意味。ほんま、どこまでも宇宙つながりですな。いやいや、そういうことを語りたい
わけやなくて。向井万起男さんを見ると、演歌の作曲家にして歌手の岡千秋さんを思い出して
しまうんです。そんなこと口にしたら失礼って? だとしたら、どちらに失礼なのでしょう。


(5 : 25/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)


5月21日・金曜・176打席



借りてないカネは返すな!


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■今朝、新聞を読んでいたら、こんな言葉が目に飛び込んできた。

 田原総一朗氏、絶賛!!
 「他人の借金を、ある日、突然、全額押し付けられる、
 こんな制度があるのは、日本だけだったとは!!」

これ、『借りたカネは返すな!』シリーズの第4弾、
『企業再生屋と個人事業再生屋が書いた 連帯保証のカネは返すな!』
( 企業再生屋 八木浩之×個人事業再生屋 吉田猫次郎、アスコム ) の書籍広告
( 朝日新聞、2004年5月21日[金]掲載 ) で見たのですが、連帯保証人が日本独自の制度だ
とは僕も知らなかった。むかし親父に、連帯保証人はこわいから、絶対にハンコ押したら
あかんで、と何度も言われたのを思い出す。いったいぜんたい、連帯保証人って誰が考え
たんやろ。歴史の授業に出てきた、隣り近所で連帯責任を取らせる「五人組」みたいやな。

それはともかく、このシリーズは過去に『借りたカネは返すな!』『実録 借りたカネは
返すな!』『図解 借りたカネは返すな!』と刊行されているみたいですが、今後はどう
なっていくのだろう。
『借りてないカネは返すな!』って、声を上げんでも返すやつはおらんか。『貸したカネ
は返すな!』では意味わからんし、『返せるカネは返すな!』はむちゃくちゃ言い過ぎか。
じゃあ、『連帯保証人にカネは返すな!』はどう? すんません、どれもあきまへんよね。


(12 : 15/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)
*翌5月22日午前7月19分修正。


5月20日・木曜・175打席



アホーホケキョ

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■山手線の鶯谷 ( うぐいすだに ) 駅。ホームとホームを結ぶ
階段下の通路には、ほら、ウグイスの姿が。

徳川家康が「泣かぬなら泣かまで待とう」、豊臣秀吉は「泣かぬなら泣かせてみよう」、
そして織田信長「泣かぬなら殺してしまえ」の句が伝わっていますが、
僕やったら「泣かぬなら私が泣こう」かなぁ。
って、あ、あれはウグイスじゃなくて、ホトトギスか。

(15 : 05/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


5月19日・水曜・174打席



おーい、多いんちゃうかー

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■耳鼻咽喉科。前々から気になってたんやけど、かなり画数多いよなぁ。


(13 : 55/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


5月17日・月曜・173打席



バブル・エレファント


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■米国大使館宿舎のフリーマーケットで見つけて購入した、シャボン玉の象。
鼻の先から液を吸わせて体をパフパフ押したら、鼻の先からプカーッとシャボン玉を
吐くっちゅうことやったのに、ほとんどうまいこといかんやないか。
それよりなによりこの象、左の脇腹あたり、ちょっと破けとんねんもん。
くそーっ、あのウーマンめ。壊れてるなら壊れてるで、言うてくれたらよかったのに。


(3 : 55/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


5月14日・金曜・172打席



Tea For Two?


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■宿泊も可能なある施設の入口にこう書かれています。なんてストレートなんでしょう。
その直球ぶりに感動すら覚えてしまいました。純粋に、休憩のためにお入りになる人が
おられたら、おもろいなぁと思うのですが、めったにおらんのでは。あいにく僕は利用
させてもらったことはありませんが、下北沢を歩いていて、あっ疲れたなぁ、どこぞに
休めるとこないやろかという気になったら、みなさんいかがですか。午前午後とかいう
コンビニエンスストアーのお隣りです。ってあれ、なんでわて、すすめてまんねやろ。


(7 : 28/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


5月11日・火曜・171打席



無知と無垢


■セントメリーズインターナショナルスクールのバザーで買った、将棋のおもちゃ。「将棋の
おもちゃ」って言葉は変だけど、将棋盤は折りたたんだ薄い紙を広げるだけだし(机にぴたっ
とこないのでやりにくい)、駒はプラスチックで文字の位置はズレてるし、どこからどう見て
も玩具なのである。ま、それはいいんだけど、昨夜はなが「将棋やろう、やろう」と言い出し、
テーブルに広げたんだけど、娘はまだルールも知らないし、したがって、うまく並べられない。
まだ四歳だし、そんなことは、まったくかまわない。それよりも、おもしろかったのは、将棋
は普通、マスの中に駒を並べるのだが、はなは黒線と黒線の交わる点(まるで囲碁のよう)に
駒を置こうよと発言。おっ、柔軟な発想。って、ルール知らんだけやねんけど。知らない人は
自由だなぁ、と感心しました。知ってることも価値だけど、知らないことも価値なんですね。

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(6 : 45/text and photograph by Hana & Yasuhiro Ohkura)


5月10日・月曜・170打席



百貨店ってなんだ?


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■下北沢の北口に、雑貨マーケットのようなスペースができていた。「できていた」という
表現はなんか変だけど、ちょっと見ないうちに出現していたものだから、「できていた」と
言いたくなってしまう。その名は東洋百貨店>。大阪では五月五日をもって、老舗の松坂屋が
店をたたんでしまったが、こちらでは開店。とはいえ、百貨店といわれて一般的にイメージ
ような百貨店では、まったくないけれど。西になくなる百貨店あれば、東に生まれる百貨店
あり。西洋型のファッショナブルで高級感あふれるデパートでなく、ごちゃごちゃしていて
チープな雰囲気だけど「市場らしさ」があふれる空間。学生のころ何度か訪れたことのある
京都河原町の詩の小路(うたのこうじ)や大阪ミナミのアメリカ村、中国雑貨の大中などを
ふっと思い出すと同時にいろんな記憶が甦り、懐かしい気持ちでいっぱいになってしまった。

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(15 : 25/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


5月5日・水曜・169打席



妄想は続くよ どこまでも


■駅のホームで見つけた、非常通報装置についての案内。緊急の場合には必要だし、かと
いって、むやみに緊急用の赤いボタンを押されも困る。そのことについて、異論はない。
 それより、私の目を捉 (とら) えたのは、最後の注意書き。

  ※みだりに取り扱うと、
   法律で罰せられます。

 この二行を、私のイケナイ妄想力は、間違って読ませるのである。

  ※みだらに取り扱うと、
   法律で罰せられます。

 えっ、非常通報装置を「みだらに取り扱う」って、どういうこと? それって、どんな
プレイ? 肉体的な苦痛をともなうマゾヒスティックな行為? あるいは、むちゃくちゃ
恥ずかしめられて、精神的に追いつめられる行為? ‥‥誤読からはじまるイケナイ妄想
は続くよ、どこまでも。

(我に返って) おお、子供の日に早起きまでして、私はいったい何をアップしているのだ。

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(7 : 10/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


5月4日・火曜・168打席



左か右か、右か左か


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■三軒茶屋で用事をすませた後、茶沢通りを歩いて帰る途中、「左右会計」という名の
入った電柱広告を見つけた。何て読むのかな。そのまま「さゆう」ってことはないか。
妻にそのことを言うと、「さう」さんという人がやってるんじゃないの、だって。会計
事務所が気になる、なんてことはめったにないけど、これはほおっておけないぞ。(っ
てほどのことではないかもしれないけど)だって左右さんですよ。「左右」さんがおら
れるとすると、あっそうか、「右左」さんがいらっしゃる可能性も十分ありますよね。


(6 : 55/text and illsuration by Yasuhiro Ohkura)


5月3日・月曜・167打席



もしも芝生がヒゲだったら

■これ、ちょっと前に小田急の電車内で出会った広告なのですが、このキャッチコピーに
ドキッとしました。「あなたが1年半で剃るヒゲは、サッカー場ひとつ分にもなります。」
気がつくと、無精ヒゲが残るあごに手が伸びていました。ヒゲをサッカーの芝にたとえる
広告は初めて目にした気がしますね。かなりブレた写真ですが、なんとなくわかりますか。

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(5 : 55/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


5月1日・土曜・166打席



すごすぎて、バカバカしくて、吹き出してしもた


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■同じ日に、このコーナーを二度更新をするのは初めて。そこまでアップしたくなったのは、
ある映像を無性に取り上げたくなったため。それは「欽ちゃん&慎吾の全日本仮装大賞」第
69回 ( 2003年3月31日放送 ) 優勝の『ピンポン』。『マトリックス』と松本大洋さん原作
の同名邦画『ピンポン』とジャッキー・チェンの傑作をたして3で割ったような作品。莫大
な費用をかけずとも、ヒューマン・パワーでレベルの高い作品を仕上げる梶原比出樹さんに
脱帽。梶原さんの過去の受賞映像やアイデアが、ペット・ショップ・ボーイズの新曲「フラ
ンボヤント」のプロモーション・ビデオやペプシ・コーラの欧州向けCMに起用されるほど
の人気だという。生身の人間ができないことをCGで表現する、という通常の発想に逆行し、
CGでできることが人間にできないはずはない、と梶原さんは考えているのかもしれない。

※『ピンポン』はハイパーリンク先、上から3つめにあります。
 あなたのパソコンで見られることを祈っています。

(12 : 15/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)


5月1日・土曜・165打席



かなり浮いてるやつ


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■友人に誘われ、東京ドームへ行ってきた。座席はライトスタンドの、応援のかなり
濃いエリア。ひいき選手のユニホームを着て声援を送る人がまわりに多く、あやうく
G党になってしまうところだった、という気がする。試合は、先発の工藤投手が八回
途中まで投げ、岡島投手へリレーしたジャイアンツが、4対3でカープから逃げ切り。
4点は小久保選手の3ランとソロ本塁打。派手なゲームではなかったが、ひさしぶり
の生観戦だったこともあり、大いに楽しめた。

 それにしても、という言いかたも変やけど、東京ドームへ行くと球場内をゆら〜り
浮遊しているあの飛行船ってラジコンなんやろうか、いっぺん操縦してみたいなぁ、
と思ってしまう。昨夜の場合、機体に入った広告のキャラクターは吉幾三さんだった。
どこから誰が操ってるんやろ、と何度もあちこちキョロキョロしたが、何万人も集う
球場で見つかるはずもなし。あぁ、一度でええからあの飛行船、操縦してみたいなあ。


(4 : 50/text, illustration and photograph by Yasuhiro Ohkura)


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