2塁側自由席 02/2004

2塁側自由席 バックナンバー 2004年2月分


nirui-jiyu rogo 「二塁側自由席」は絵日記ふうの連載です。 back issue 20041 2003 12 11 10 8 7 6


2月27日・金曜・140打席



口数の多い喫茶店


 shimokita-cafe-photo1
 shimokita-cafe-photo2


■僕はおしゃべり好きなので、あまり人のことは言えないが、それでも、このおしゃべりぶり
はすごいと思った。自分のお店の宣伝は、だれだって「したい」はずだ。だからって、カフェ
の前の看板の中で、こんなにたくさん話さなくたって。ただ、この立て札、いいことばかりが
書いてあるわけではない、というところがいい。信用の置ける気がする。撮影場所は下北沢。
梅昆布茶とホット・アイスココアの段が上下の写真二枚に入り、見づらくなって申しわけない。


(2 : 55/text and photo by Yasuhiro Ohkura)



2月25日・水曜・139打席



法政一高の立場はどうなるよ


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■早起きして仕事しながらテレビをつけていたら、「秋田の高校生のあいだで、法政二高の
バッグが流行っている」というニュース ( とはいえないかも ) が流れていた。世の中、何が
いつどこで流行るか、わからんもんだ。法政二高のバッグは、基本的に在校生しか買えない
ものらしく、どうやら卒業生が放出し、ネットオークションでも取り引きされているという。


(5 : 45/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)



2月24日・火曜・138打席



父虫

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■近所の画材屋で、妻が鉛筆とスケッチブックを買ったら、店のおじさんがうちの娘に
ペンをくれた。インクの色は緑で西ドイツ製(十年以上前につくられた製品か)。それ
で夜、寝る前に「何か書きたい」と言うので、机の上に置いてあった封筒に描かせたら、
できたのがこの絵。変な虫やなと思いながら、「これ、何?」と訊いたら「お父ちゃん」
だって。なんでやねん。俺、虫かい。『アンツ』という題だったかな、ウッディ・アレン
が主役を声を務めた、アリをはじめ昆虫が数多く出演するアニメ映画をまた見たくなった。


(6 : 30/illustration by Hana, text by Yasuhiro Ohkura)



2月23日・月曜・137打席



花より饅頭


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■梅まつりでにぎわう羽根木公園まで歩いて行ってきた。白とピンクの梅の花は控えめ
で美しく、好感を抱いた。が、それ以上に僕の心を射止めたのは、川場村の焼き饅頭。
世田谷区と姉妹都市のような関係にある群馬県利根郡川場村から例年、地元の特産品を
紹介するテントが出ているのだが、そこで出会った一品。具の入っていない肉まんのよ
うな饅頭を四つほど串に刺し、味噌だれを表と裏に塗って焼いたシンプルなもので、ほ
おばると甘さを抑えた蒸しパンのようでもある。ふわふわっとした食感の、ありそうで
案外なさそうな気がする食べ物だ。妻にも、そしてもともと味噌味が大好きな娘にも好
評だった。焼き上がりを待って手に入れた僕たちがテニスコートの脇に立ち、焼き饅頭
をはふはふパクついていると、野球グラウンドの方向からやってきた三人連れのおばさ
んのうちの一人が「あっ、そのにおいだったのね」とこっちを向いて言うので、「これ
一本二百円ですよ」と笑顔で教えてあげた。かように、素朴でおいしいものには、誰に
頼まれずとも宣伝したくなってしまう力がある。梅よりも 焼き饅頭に 満たされて


(6 : 10/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)



2月20日・金曜・136打席



うまくら、君がいなくちゃ眠れない


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■二子玉川の駅から歩いて十分ほどの小高い丘にあるセントメリーズ・インターナショナルスクール
のバザーで買ったTシャツを枕カバーにした。名付けて「うまくら」。プリントの絵柄が絵柄なので、
外から見えない肌着がわりにしてもいいやと割り切り、十円だか百円だかで入手したものの、袖を通
してみると想像以上に窮屈で、すぐさま箪笥の奧へ。それから九カ月。枕カバーが汚れてきたので洗
い替え用にもう一枚くらいあったほうがいいかなと話していたら、妻が「あれ、使えるかも」と馬T
シャツを引っ張り出してきた。綿百%で汗をよく吸い、肌ざわりというか、頭をのせた感触もわるく
ない。妻の一時の思いつきから生まれたアイデアかもしれぬが、結果オーライ、案外気に入っている。


(6 : 05/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)



2月18日・水曜・135打席



浮力の驚き


   bath-ball


■昨日もアップできなかったので、早くも二日前のことになってしまった。

生後六カ月半の息子を抱っこして入浴していたときのこと。
眠さからだろう、ものすごくグズっているので、どうしたものかと考え、
風呂場に置いてあったアンパンマンのゴムボールを使うことにした。
みなさん一度はやったことがないだろうか。
手に持った軽いボールを水中で離すと、浮力で水上まで飛び上がるあれ。
ひさびさにやってみたら ( 息子に見せたのは初めて )、受けるは受けるは。
もうびっくり。水の中からブワーッと出てきたボールが湯船をビヨーンとジャンプするたび、
ケタケタ、ケタカタ、ケタケタと壊れたように笑っていた。

大人どうしだと、なかなかあんなに喜んでくれないもの。
幼い子どもと過ごしていると、忘れていた感覚をいろいろ思い出させてくれる。



(17 : 30/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)



2月12日・木曜・134打席



ウー・ソンレ・トワレ?


   toilet


■フランス語で「トイレどこですか?」って、
「ウー・ソンレ・トワレ?」って言うんだったかなぁ ( カタカナですいません )。

ま、それはともかく、昨日は外へ出ているとき、
娘が三度もトイレを我慢できなくなり、困った、焦った、慌てた。
その度、お漏らしする前に間一髪で、
どうにかトイレに辿り着けたから良かったものの。
GPSで、今いる場所から近いトイレが発見できる携帯電話
なんかがあったら欲しいぜ、と思ってしまいました。



(18 : 50/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)



2月9日・月曜・133打席



アリーナの悲劇


   tennis-shock


■女子テニスの大会「東レ パン・パシフィックテニス」が
千駄ヶ谷の東京体育館で行われ、昨日、リンゼイ・ダベンポート選手がシングルスを制し、
ダブルスは ( なんと ) あのマルチナ・ナブラチロワと、リサ・レイモンドのペアが優勝を果たし、閉幕した。

その大会を木曜日(2/8)に生で触れる機会を得た。
僕は何試合でも観戦したかったのだが、連れていった
四歳の娘が試合に飽きてしまい、昼過ぎに泣く泣く会場をあとにした。
それが、午後一時くらいだったろうか。
その四十五分ほど後、仮説のアリーナ席の床が外れるハプニング ( と表現してはいけない か ) が発生。
夕刊が届いてすぐ読んだ、新聞好きの妻が事件を教えてくれた。
自分たちが事故に遭わなかったからいいとかそういうことでなく、
なぜそういう事態が起こったのか原因を徹底究明し、責任を追及してほしい。

万が一あったとしても、選手が手をすべらせ、振り抜いたラケットが客席に飛び込むか、
高速サーブやスマッシュの球を相手が返せず、野球のファウルフライのようにをスタンドに落ちる
といったケース以外の悲劇が、いわゆる良い席にふりかかろうとは、誰が予想しただろう。
絶対に安全な場所なんて、もうどこにもないのか。
四メートル転落してケガされた女性のかたが、早く元気になられることを願っています。



(4 : 55/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)



2月8日・日曜・132打席



笑いとは何ぞや?


   utsunomiya


■一昨日、知人に誘われ、下北沢のOFF OFFシアターで
B−amiru ( ビーアミル ) の「鬱宮」という作品を観た ( 公演は本日まで )。
作・演出=市木裕子さん、出演=岩島ももさん・小林由梨さん・市木裕子さん。
女性三人でショートドラマを演じるユニットである。

何本かのショートドラマによるオムニバス形式で、
三本目くらいの「心願」がとくに印象に残った。
不登校になり、神社で毎日お百度参りをしている生徒を、
教師が訪ね、学校に来るよう説得する。
先生の栃木訛りのような話しぶりがツボにハマり、けっこう笑ってしまった。
考えてみれば、僕は栃木訛りに弱いのかもしれない。

二本目の「合鍵」という小品に登場するお父さんの芝居に、うまく入り込めなかった。
女性だけでやるなら、男の役をどう演じるか ( 男の登場人物を
出さない手もあるだろう ) は、ひとつの課題かもしれない。

と注文もないわけではないが、全体として大いに楽しめた。
笑いあり、だけど、笑いだけではないところがいい。
なんとなくだけど、笑わせることを主眼に置いた芝居がここ最近、多すぎるのではないか、
という気がする ( 演劇の世界に限った話ではないかもしれない )。
「ほとんど笑いはないけどおもしろい舞台」というのをつくるのは、今どき
けっこう難しいのかもしれないけど、そうものも観てみたい。

もちろん、「笑い」は簡単なものではないし、「笑い」をナメるつもりは
毛頭なくて、逆に「笑い」を尊敬しているくらいなんだけど、深く考えずに「笑い」を志向する
人たちが多すぎるんじゃないか、と僕は感じているのです。



(8 : 25/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)



2月5日・木曜・131打席

子どもは静かにするのが苦手です


kogachi and kawachan


■「古我地(こがち)&かわちゃん」という沖縄出身の六人組の
コンサートが昨日、娘の通う保育園で行われた。

案の定、子どもたちは最初から最後まで騒がしい。
「次は沖縄の子守歌だから、静かに聴くんだよ」と
独特のイントネーションで言われても、鈴やタンパリン、
おもちゃのマラカスを鳴らしたり、とにかく始終、シーンとはならない。

来ていた親たちは、リードボーカル&三線(さんしん)の古我知さんに引っ張ってもらい、
泣きなさい 笑いなさい と「花」を唄った。
大声を出し、体を揺らしてピョンピョン踊って、汗をたくさんかいたら、スキッとした。
人間なんて、単純だ。でもって、単純は素晴らしい。

ところで、かわちゃんはどの人だったのかな。


(7 : 00/text by Yasuhiro Ohkura, photograph by Rumiko Funada)



2月1日・日曜・130打席


リアルタイムに生きたくて

realtime-


■歴史好きがいけないとか、幕末ファンがだめだとか、そういうことではない。
自分のことである。日記 ( はなよ陽よと育てたい ) が遅れに遅れてしまい、
「過去を思い返さなくっちゃ状態」に陥っている私。
なんたって、まだ昨年末のぶんもまだアップできてないもんなぁ。
「いつまでたってもダメな私よ〜」ではいかん。この状況から、なんとか脱出しなくては。
一刻も早く「現在」に追いつき、リアルタイムに日記とつきあいたいもんである。
でないと、「今」を、「きょう」を生きている気がしないのです ( くさい表現だけど )。


(6 : 50/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)



●「2塁側自由席」以外のバックナンバー
ことばかぢから(掛軸1)   ことばかぢから(掛軸2)
オークラホマ百貨店(ルイ・ブトン)  4コママンガ (らしきもの)


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published : June 10, 2003 ● copyright(c) : 2003 the Baseball Office. All rights reserved.
art direction & design : Yasuhiro Ohkura ( th career homer)
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