2塁側自由席 08/2003
絵日記みたいなもんです
(8月31日・日曜・57打席目)
■ときどき、どこからか車で物干し竿を売りにくる。
「二本で千円、二十年前の価格です」と拡声器から声。
本当なのか!? どうなんだ?
二十年前の値段なんて、ふつう覚えてないって。
これが「二十年前の価格です」でなく、
「二十年前の物干し竿です」だったら、さぞかし驚くだろうな。
二十年も売れ残ってた竿、いらんっちゅうねん。
どこでどう間違っても、古い物干し竿が、アンティーク品・
レトログッスとして評価されることは、まずないででしょうね。
(5:00/text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
(8月30日・土曜・56打席目)
■ニューヨーク・ヤンキースの背番号51、
バーニー・ウィリアムスって、なんてすごい人なんだろう。
スイッチヒッターで四番打者、センターフィールダーの
名手にして、ギタリストとしてもプロフェッショナル。
バーニーの奏でるサウンドは繊細で品があり、
グラウンドでの動きはネコ科の動物のようにやわらかい。
ひざ、足首、手首などにかなりの遊びがあり、関節が
クッションになって、あのしなやかさを可能にしているのだろうか。
そのうえ、パワーも兼ね備えている。
プロ野球選手になる前は、陸上競技もやっていて、
15歳のときに国際大会で金メダルを
3つか4つ獲得しているという。
そして、体は紫で、おなかが緑色の恐竜のような
アメリカの子供向けキャラクター、
バーニーにも目のあたりが少し似ている気がする。
おお神よ(というより、天よ)、二物どころか、
バーニー・ウィリアムスには「なんブツ」を与えたもうか。
(6:00/text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
(8月29日・金曜・55打席目)
■好きな書名のひとつ。大宅壮一ノンフィクション賞を受賞された
吉永みち子さんの著書『気がつけば騎手の女房』。日本初の女性競馬記者となり、
騎手の吉永正人さんとご結婚され、その後、この作品を出されました。
このタイトルを見ていると私、つい、あれこれいじりたくなってしまうのです。
気がつけば騎手が女房 (女性騎手が増えた現在なら、あり得る話かも)
気がつけば女房が騎手
(ひとつ前のだと、騎手をしてる女性と結婚した感じだが、
これだと、結婚後いつの間にか妻がジョッキーになっていた、ってことか)
「き」がつけば騎手の女房 (カルタの文句みたいやなぁ)
気がつけば馬が女房 (気がつけば、って、早く気がつけよ!)
気がつけば女房も騎手 (何も夫婦で乗らなくても)
気がつけば騎手と女房
(何に気がついたんだろう。騎手と女房の関係が気になるなぁ)
気がつけば機種の女房 (いったい何の機種やねん)
(7:10/text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
(8月28日・木曜・54打席目)
■野球の捕手のことをマスコミはしばしば「女房役」と
いうが、あの表現、誰が最初に用いたのだろう。
つい先日、こんな題名の記事を見つけた。
「代役女房」村田 好リード&猛打賞
おいおいっ。代役女房なんて、真っ昼間から
そんなこと言って、ちょっとマズイんじゃないかい?
良からぬ想像をしてしまうやないの。
代役女房もすごいけど、
女房「役」じゃなく、私生活でも「女房」の
キャッチャーがプロ野球に出てきたらびっくりするだろうな。
女房役という言葉、
婦人団体のみなさんはどう思われているのでしょう。
しかし、なんでんな、
投手のことを「夫役」とは言いまへんな。
(7:00/text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
参考資料 : スポーツニッポン 2003年8月25日(月)の記事
(8月25日・月曜・53打席目)
■きょうは、まじめな話。
新聞の求人面に載っていた梅原猛さんの言葉。
晴れない雨は本当にないのです。
実際の紙面ではもちろんある程度の文章量がありましたが、
上記の一文だけを引用させていただきました。
新聞の本文の最後に(談)とある。つまり、
梅原さんが書かれたのでなく、記者に対して語られたのだろう。
僕はちょうど締め切りに追われて汲々としていたのだけれど、
なんだか元気づけられ、気持ちが軽くなりました。
(5:30/text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
参考資料 : 朝日新聞 2003年8月24日(日)15面
(8月23日・土曜・52打席目)
■ヘヴィメタルバンド「ブラックサバス」を知ってますか?
個性あふれるボーカリスト、オジー・オズボーンが在籍し、
1970年2月、
13日の金曜日にデビューした英国のグループ。
学生時代、僕は熱心に聴いていた、というほどではないけれど、
ヘヴィメタ好きの人たちは、けっこう話題にしてたんじゃないかな。
そうそう、オジー・オズボーンといえば、全米で人気を集めている(らしい)
ドキュメンタリーTV番組『The OSBOURNES』の出演者、
といったほうがピンとくる人が多いかもしれませんね。
(14:40/text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
(8月21日・木曜・51打席目)
■メジャーリーグの試合を見ていたら、トロント・ブルージェイズ
の先発投手 Josh Towers になんとなく違和感を抱いた。
なんでだろう、としばらく考えるうち、思い当たったのは背番号。
日本のプロ野球や大リーグにあまり関心のない人に
こういう話をしてもピンとこないかもしれないけど、
「7」はピッチャーには珍しい番号だろう。
背番号のことを妻にいうと、解説の武田一浩さんも
ピッチャーで7番で珍しいですね、とおっしゃっていた。
妻いわく「視点が武田さんと似てるんじゃない?」。
わが妻は、まったく番号にこだわりはない、という。
番号なんかを気にしてしまうのって、男だけなのかなぁ。
(13:40/text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
(8月19日・火曜・50打席目)
■「筋肉は明石海峡大橋のようでなければいけない」
これは、アスリートの伊東浩司さんによる名言である。
橋は適度なたるみがないと、壊れやすい。
筋肉も同様で、ほぐして動きやすい状態にしておくことが、
いいプレーにもつながるし、けがの予防にもなる。
といった意味のようだ。
なるほど、うなづける。
強さとしなやかさを兼ね備える必要があるのは、
なにもアスリートや橋の建築設計だけではないだろう。
あらゆる表現・創作もまた、その両方を含んでいるもののほうが、
優れている、といえるのではないか。
ちょっと強引だっただろうか、解釈が飛躍しすぎたかもしれない。
参考資料 (引用文献) : 朝日新聞 (2003年8月12日・朝刊・15面)
(17:50/text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
(8月18日・月曜・49打席目)
■朝、シャボン玉せっけんで顔を洗っていて、
「石犬(せっけん)」という生き物を思いつきました。
洗顔石犬、洗濯石犬、薬用石犬‥‥
バリエーションもいろいろつくれそうです。
(12:25/text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
(8月16日・土曜・48打席目)
■ある映画に、何人ものひとが傘をさして踊るのを
真上からとらえた場面があった。
幼い子は、「長靴がはける」「レインコートが着られる」
「お気に入りの傘が使える」「水たまりでぴちゃぴちゃできる」
「カエルに出会えるかも」など、羨ましいくらい、
雨を肯定的に受け止めていたりして、ほんと感心します。
雨はイヤだなぁと思わず、たのしい、うれしい、おもしろい、
と感じられるか。結局は、その人しだいですよね。
降り続く雨を窓ごしに見ながら、そんなことを考えました。
(11:30/text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
(8月15日・金曜・47打席目)
■終戦記念日なのですね。下北沢は昨日から雨模様。
いっこうに降りやむ気配がありません。
八月に 気温は十月 記事で知り
ビアホールより 鍋恋しくて
鍋を囲むと結局、ビール飲んじゃうんですけどね。
(10:30/text and photo : Yasuhiro Ohkura)
(8月13日・水曜・46打席目)
■原宿と表参道の間といえばいいのかな、住所でいうと渋谷区神宮前でデザインオフィス
Trouble and Tea DESIGN
をやっているグラフィックデザイナーの鈴木君から「流線形」
というバンドのCDジャケットをつくったと聞いた。残念ながら、僕はまだそのサウンド
を耳にしていないのだけれど、いろんなイメージをかきたててくれるバンド名やんか、と
気になった。流線形といわれて、僕の脳裏にパッと浮かんだのは、昔のフェアレディZ、
ロータス・ヨーロッパ、ランボルギーニ・ミウラ、ブランクーシの彫刻作品、カジキ (マ
カジキ?) 、イルカ、シャチ、フィリップ・スタルクのレモンしぼり器‥‥といったとこ
ろ。いずれにせよ、時代を超えた、ユニークでかっこええバンド名やなぁ、思いますね。
(16:25 text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
(8月12日・火曜・45打席目)
■またもや、わたくしごとで恐縮です。妻とああでもないこうでもない、と何日も議論を
重ね、ようやく長男の名を決め、締め切り目前の昨夜九時半、出生届を出してきました。
大倉 陽(おおくら よう) と申します
太陽の「陽」、元気で陽気、ポジティブ。彼が僕らの前に出てきてくれた日、東京は晴れ
ていたし、「土用の丑の日」生まれにぴったりの、けっこうエネルギッシュな名前やん(笑)、
とも思っております。それに長女「はな」の成長にも、陽の光は欠かすことのできない
大切なもの。なんて、ま、意味づけはともかく、やっとこさ、命名できてホッとしました。
はなと陽、二人仲良く、すくすくニコニコ育ってくれたらなぁ、と夫婦で願っております。
(text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
(8月9日・土曜・44打席目)
■妻がスイスロールを買ってきた。
で、ふと思ったんだけど
スイスの人たちは、これを
どのくらいの頻度で食べているのだろう?
というより、
スイスに、スイスロールってあるのかな?
実際のところ、スイスに関係ある食べ物なのだろうか?
(text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
■「野球弁」というのは、野球の世界だけで通じる言葉。
というのは、まったくのウソ。三歳の娘はながマンガ「ド
カベン」のことを、自分勝手にそう呼んでいるんです。
■妻が子どものころ使っていたというドカベン・タオル
がどこからか出てきたので、娘に教えたら、「ドカベン」
を「ヤキューベン」と言う。なんやねん、それ。こない
だケーブルテレビで放送していた、懐かしのアニメ「野
球狂の詩」とごっちゃになってるんちゃうか。絵のタッ
チで、作者が同じ人(水島新司氏)だとわかったのかも。
※そんなに大きなタオルじゃないです。へたくそな写真
ですけど、なんとなくわかりますかね?
(text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
(8月7日・木曜・42打席目)
(8月6日・水曜・41打席目)
■昨日、高円寺の改札を出たところで、仕事先の方と
待ち合わせをしたのですが、そばにあった柱をくり抜
いて設けられた(ポスターなどを貼る)広告スペース
が空いていて、そこに「制作中」と書かれた紙が貼っ
てありました。あれって、おそらく、広告スペースが
売れ残っている状態なのだろう。
とすると、
「制作中」というより、
広告主を見つけるための「営業中」(お店みたいです
ね)とか、
広告主を「捜索中」とか(遭難みたいでしょうか)、
広告主を「募集中」とか、思いきって「空き室」や
「空いてます」とか、あるいは「印刷中」、あるい
は「休憩中」「休養中」「などとするのはどうか。
透明ガラスの張られたスペースがすっからかんに空いて
いたので、「制作中」と書かれていれば、言わんとする
ことはきっと伝わるでしょう。でも、いじわるな僕は、
「制作中ってことは、実際のポスターは、いつ仕上がる
んですか?」といった質問をしたくなってしまうのです。
これって、たんなる揚げ足とりですよね、すいません。
(text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
(8月5日・火曜・40打席目)
■最近、知ったのですが、ファッションデザイナーの
山本耀司さんは、空手之道世界連盟という道場の会長
を務められているそうです。毎週木曜の夜に道場で鍛
錬すると、毛穴が開いて、昼間のことがスーッと忘れ
られる、とのこと。ああ、気持ちいいんでしょうねぇ。
ここから白金まで今すぐ通うのはむずかしいけど、も
うすぐあの辺りへ引っ越すYくんに薦めてみようかな。
クラフトワーク好きのYくんは、からだ弱そうだし。
■空手之道世界連盟のウェブサイトによれば、最高顧
問の松野頼三さんが
(前略)
空手の道とは自己を美しいものへと創造する
永遠の芸術活動である。
(後略)
とおっしゃっている。空手、創造、芸術‥‥。いいなぁ、
その考え方。間違っていないように思う。と書いてきて、
いま急に気になったんだけど、独特の美しい顔料、イン
ターナショナルクラインブルー(IKB)でも知られる
フランスの芸術家イブ・クラインは、自分の中で、柔道
をどのように位置づけていたのだろうか。
参考資料 : 朝日新聞(2003年8月2日夕刊 14面)、
空手之道世界連盟ホームページ
(text and illustration : Yasuhiro Ohkura)
(8月4日・月曜・39打席目)
(8月3日・日曜・38打席目)
(8月2日・土曜・37打席目)
(2003年8月1日・金曜・36打席目)