2塁側自由席 07/2003
(日記のようなもの)
(7月31日・木曜・35打席目)
(7月30日・水曜・34打席目)
(7月29日・火曜・33打席目)
(7月28日・月曜・32打席目)
(7月27日・日曜・31打席目)
(7月26日土曜・30打席目)
(7月25日・29打席目) 2003年
(7月24日・28打席目)
(7月23日・27打席目)
(text and illustration by Yasuhiro Ohkura)
7月10日「しっとり肌の、てるてる坊主」
7月9日「ディランとYAKUZA」
■ボブ・ディランが、日本の内科医で作家の佐賀純一さんの著作から、自作の曲の歌詞に
無断借用をしたのではないかという「疑惑」が、とウォールストリート・ジャーナル紙が
伝えたという。僕はそのことを、ヤフー・ニュース経由の共同通信の記事で知った。
■同紙によれば、ディラン氏が2001年に発表したアルバム『ラブ・アンド・セフト』に
収録した数曲に、佐賀氏の著作『浅草博徒一代記』の英語版『やくざの告白』からの借用
があるとのこと。そのことに最初に気づいたのは、在日アメリカ人の方らしい。
■これに対し、作家の佐賀さんが憤り、不満を訴えているのかと思ったら、「非常に名誉
なこと」と話し、訴える気はまったくないそうだ。著作権や知的所有権がどうのこうのと
いった「権利を守る・奪う」ことについての報道を近頃よく目にするが、佐賀氏の太っ腹
な応対に、ほのぼのとしてしまった。佐賀さん、ボブ・ディランのファンなのかな。
「ボブ・ディランちゅうか、キース・リチャーズっぽくなってしもたかな。
というより、松田優作さんに似てるようにも思える(なんで一人だけ「さん」付けやねん)」
(文と絵 大倉恭弘)
7月8日「ロートレックとレアチーズケーキ」
■赤坂のサントリー美術館で「ポスター芸術の巨匠たち ―ロートレックからウォーホルへ―」
という展覧会を鑑賞。今さらロートレックか、という気持ちがないわけではなかったが、作品集
を通じてでなく、実物を目の前すると、やはり歴史に残る名作だけあって圧倒される。大胆かつ
繊細に仕上げられていて、極めて完成度が高い。他にミュシャ、A.M.カッサンドル、シャガール、
ミロ、チャールズ・マッキントッシュ、カンディンスキー、ジャン・コクトー、ヨーゼフ・マリ
ア・オルブリヒ、サヴィニャック、ウォーホルなど数多くの作家のリトグラフやオフセット印刷
によるポスターを見る。個人的な好き嫌いももちろんあるが、そういう感情を超え、いずれにも
共通していえるのは、最後までこだわり抜き、時間をかけて、ていねいに作っているんだろうな、
と思えた点。ひとつのことにじっくり取り組むことは今、あらゆる場所で減っているのではない
か。なんでもかんでも、速くできればそれで良し、ということないはずですよね。
■これを書きながら、ひとつ思い出した。会場にふたりで来ていて五十歳代くらいの男たちが、
とつぜん「ほら、デヴィッドだよ、デヴィッド」と大声で言いはじめたから、なにごとかと彼ら
が指差す方向を確認するとデヴィッド・ホックニー作ののポスターが数枚。あの、おじさんたち
って、もしかしてホックニーの知り合い? まるで、友達を呼び捨てにするような口調だった。
■帰りがけ、赤坂の「しろたえ」という店でレアチーズケーキを購入。あっさりして上品な味わ
いは変わっていない。先ほどのポスターのように、妥協を許さぬ作り手がいてこその美味だろう。
■そのつもりは別になかったのに、文字を入力しているうち、妙にまじめな内容になってしまっ
た。シリアスがいけないということは断じてないが、なんだか照れくさいなぁ。
(文と絵 大倉恭弘)
■今朝、妙に早く起きてしまったので近所を散歩していたら、一台の自転車が目にとまった。
そこは外国人の方が営むテントのバー。屋根はあるけど、壁はない店だ。トイレもないので、
用を足したくなった客には、駅前の公衆便所までこのチャリンコを自分でこいで行ってもらう
らしい。お客さんにはやさしくないけれど、地球環境にはやさしい店、といえるかもしれない
(って、別にいえないか)。
(文と絵 大倉恭弘)
7月6日「ゴージャラスと海」
■昨日は、ラフォーレ原宿で行われていた「ぴあ通巻1000号記念
希望 / HOPE ----未来は僕等の手の中」というグループ展を見に、家族で出かけた。
午後5時すぎに始まったゴージャラス(松蔭浩之氏と宇治野宗輝氏による
アートとロックのユニット)の派手で激しく、
そしてユニークなパフォーマンスのなかで、松蔭さんが観客の若者たちに向かって
「アートを見に来るのもいいけど、男も女も海へ行けよー!」といったことを
何度も大声で叫んでいた。アハハハハ。たしかに、その通りやわ。
小むずかしそうに腕を組み、僕って(私って)アートがわかる知的でクールな人間だよなぁ、
なんて顔をしながら美術を鑑賞しているよりも、松蔭さんのいうように
「ビーチへ出かけて巨乳の女性を追いかける」ほうが、よっぽど人間的かもしれない
(人間的でなく、動物的というべきか)。
■だけど、あの場に来てた若者の多くは、海へ出かけなさそうな気がする。
で、海へ大喜びで繰り出す人々は残念ながら、アートを味わいにラフォーレへ来ないんだろうな。
というより、展覧会の存在じたい、たぶん知らんのちゃうかなぁ。
■ライブの終盤、松蔭さんが投じたギターのピックが、わが娘のスカートの上に落ちたのでびっくり。
大きめのそのピックは、三辺がかなりボロボロになっていた。
(文と絵 大倉恭弘)
7月5日「バンクーバーと三平」
※『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー』(ナンシー関さん編・
■2010年の冬季五輪はカナダのバンクーバーで開催されることに
決まったようだ。バンクーバーと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、
小学生のころだったか、マンガ『釣りキチ三平』で読んだキング
サーモン・フィッシングの世界大会。主人公の三平三平(みひら
さんぺい)が日本代表として、魚紳(ぎょしん)さんらとバンク
ーバーを訪れ、世界の強者たちと白熱のバトルを繰り広げたはずだ。
おそらく本来、冬季五輪に「釣り」という種目は予定されていない
と思うが、公開競技としてキングサーモン・フィッシングを行って
くれないかな。それがダメなら、ワカサギ釣りでもかまわない。カ
ナダのワカサギは、北海道にいるやつの4倍くらいの体長、めちゃ
くちゃ大きいらしいからなぁ(って、本当のところは知らないけど)。
(文と絵 大倉恭弘)
著)という本に触発され、資料を見ずに、自分の記憶だけを頼りに
絵を描いてみました。たぶん、似てませんよね。すいませんです。
7月4日「ジャパニーズ・ホワイトハウス」
■近くに「まっしろ家」という名のコインランドリーがあり、
このあいだ、そこの前を歩いていた若いカップルのうち、
男の子が「あっ、まっしろか、って読むのかな。おもしろい名前だね」といい、
それを聞いた女の子は「そうね」と笑っていました。
あのー、「まっしろけ」じゃないのかな、と僕は思うんですけど。
■今朝、娘が中耳炎と診断され、急きょ保育園を欠席。
安静に、といわれましたが、熱もないので横でキャッキャ騒いでいます。
(文と絵 大倉恭弘)
7月3日「175と130の違い」
■175R(イナゴライダー)というバンドが近ごろ人気のようですね。
その名を見て、板尾さんと蔵野(ホンコン)さんのお笑いコンビ「130R」を
思い浮かべたのは、僕だけでしょうか。
(文と絵 大倉恭弘)