以下は、もともと「大倉恭弘の2塁側自由席」というコーナータイトルで連載しようとしていたものです。
“■”リングへの参加にともない、日記形式(できるかぎり毎日更新)にすることにしましたが、
まあ、それはそれとして、過去のものには手を加えないことにしました。





バックナンバー(1〜7球目)




7球目 数字の魔力


昨日、娘を連れて区民プールへ泳ぎに行き、
低料金でたっぷり楽しませてもらったんだけど、
更衣室でロッカーを使うとき、
「なんで番号を選んでしまうんやろう?」
と、ふと疑問に思ってしまいました。

みんながみんなではないでしょうけど、
居酒屋や銭湯で下駄箱に靴を入れるときとか、
そういうことありません?

昔は、長嶋さんのファンは「3」で
王さん派は「1」を選び、その二人は超人気プレーヤーだったから
いつも「1」と「3」は空いていなかった、
という話を、先輩世代から聞いたことがあるけど、
いま36歳の僕も、ロッカーに脱いだ服をしまう際、
なんとなく番号を選んでしまいました。

28

時間をかけて選び抜いたわけではないけど、
目の前にいくつか並んでいた番号から、
僕は阪神時代の江夏豊投手の
背番号を無意識にチョイスしてしまったようです、

サッカーの場合、背番号が1〜11の人気選手が多そうだから、
選択肢が狭くなって、
みんなで取り合いになってしまうのかな。

番号を選んでしまうことって、ありませんか。


ロッカー鍵ウォッチの絵


(文と絵 大倉、2003年6月23日)





6球目 たたききゅうりはクセになる


えー、今回は世田谷区主催の「男の初心者クッキング」という
料理教室でちょっと前におそわったメニューをご紹介。
とても簡単につくれて、うまいので、いろんな人に教えたくなりました。


たたききゅうりのレシピ (材料2人分)

きゅうり:2本(塩小さじ:1/2)
(A)
しょうゆ:大さじ2
酢:大さじ1
砂糖:小さじ1/2
ごま油:小さじ1/2
唐辛子:1本
※唐辛子がなければラー油でも可能。


つくりかた
(1)
きゅうりは塩をまぶして、板ずりして、
しんなりするまで少しおき、水洗いし、すりこぎでたたく。

(2)
きゅうりの両端を切り落とし、横を3等分して、
縦2つに切り(つまり、1本を6等分して)、(A)の調味料に漬け込む。
唐辛子は種を取り、2つに切り、いっしょに漬け込む。

(おいしいヒント) すりこぎでたたいたあと、包丁を使わずに、
手できゅうりをさいたほうが、断面積が広くなり、味がしみやすくなります。

以上です。安くて手軽 (池の上の「銀次郎」で、きゅうり4本100円でした)。
しかも、これがけっこうおいしいので、ぜひ一度やってみてください。
きゅうり以外のものを漬け込んでも、合いそうです。
なにより、このたたききゅうり、おかずの一品としてもいいし、
ビールやお酒のさかなにもぴったりです。

※写真が拙いので、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、
実際にこさえてご賞味いただければ、納得まちがいなしでしょう。

たたききゅうりphoto

(文と写真 大倉、2003年6月21日)





5球目 サフラン・ニューヨーク


昨日の午後、雨のなかを代々木上原まで歩き
「MDS G」というギャラリー(といっていいのかな)で開かれている

「クリスト&ジャンヌ=クロード
 ザ・ゲート ニューヨーク・セントラル・パークのためのプロジェクト
 現在進行中のプロジェクトに関する展示」

を見てきました。セントラル・パークの遊歩道のうち
全長37kmを使い、高さ4.9m、幅1.8〜5.5mのゲートを7500本建て、
各ゲートの上部からサフラン色の布を(地面から2.1mの高さまで)垂らすという。
そのゲートのなかを、ニューヨーカーや訪れた人々に歩いてもらい、
この芸術作品を体験してもらうのだという。




「ザ・ゲート」の実際の展示は、2005年の2月が予定され、
わずか16日間の公開を経て、すべて撤去され、ゲートや布などの資材はリサイクルへ。

このプロジェクトに取りかかり、ニューヨーク市と交渉をはじめたのは
1980年代(うろ覚えなので、本当はそれ以前かもしれない)。
ルドルフ・ジュリアーニ前市長は許可しなかったが、
マイケル・ブルームバーグ市長はついにOKを出した
(ブルームバーグは、現代美術家クリストのファンでもあるようだ)。

このプロジェクトにかかる数十億円は、クリストの習作、
プロジェクト準備段階で描かれたドローイングやコラージュ、
クリストによる1950年代〜60年代の作品、
オリジナルの版画などを売却することによって捻出。
この夫妻によるプロジェクトはいつだってそうなのだが、
スポンサーなどはいっさい付けず、資金は自らの力で調達している。
クリストとジャンヌ=クロードは、
いかなる種類の金銭的・物質的支援を受け付けないのである。

その潔さに、僕は憧れさえ感じる。
サクラン色の布は、セントラル・パークの紅葉からイメージしたそうだが
(僕の紅葉よりも、ニューヨーク・メッツのトレードカラーを思い浮かべた)、
真冬のサフラン色の布が咲くニューヨークを訪れたい。
雪が降ったら、布が風でなびいたら、想像よりもはるかにきれいだろうなぁ。

再来年の二月、わが家の人間は「ザ・ゲート」をくぐることができるだろうか。

(文と絵 大倉、2003年6月19日)


※「MDS G」でいただいた資料を参考に、上記の文章を書き、へたくそな絵は大倉が描きました。
クリスト氏の手によるドローイングはとてつもなくかっこよく、きわめて美しいものです。





4球目 花より竹輪と蒲鉾


梅雨の谷間、ようやく傘がいらない朝が来た。
といっても、「晴れている」といえるほどの好天ではない。

このあいだから自宅近くでも、紫陽花(あじさい)が咲いている。
植物にくわしい保育園のMさんに聞くと、下北沢あたりではそろそろ
見納めで、箱根あたりではこれからが本番だという。
高地はやはり開花が遅いのかな。



箱根登山鉄道の紫陽花を初体感したのは、いったい何年前だっけ。
スイッチバック式というのだったかな、
特殊な走行スタイルで傾斜を登る車輌の両側に、
こわいくらいのボリュームの紫陽花が咲き乱れていた。
紫陽花の造形は、どこか人工的に印象を私にあたえる。
まるで造花のごとく、といったらいいのか、
ていねいにつくられた折り紙細工のようにも見える。

小田急で箱根湯本へ行って、鈴廣(すずひろ)で
蒲鉾と竹輪を手づくり教室にまぜてもらい、
できたてをハフハフいって食べつつ、箱根の冷えた地ビールで喉を潤す。
あぁ、箱根が私を呼んでいる。

(文と写真 大倉、2003年6月18日)




3球目 ナイキよりニクいTシャツ




(文と絵 大倉、2003年6月17日)




2球目 NBAでキドちゃん、ペッ!


先日、NBAファイナル第4戦をテレビで見ていたら、
ニュージャージー・ネッツのガード、ジェイソン・キッド選手が
ことごとくフリースローを決めていて、いたく感心。
大舞台だとドキドキしてしまって、けっこう入らないんじゃないかな、
体がかたまって、フリースローレーンからの、あの距離でも ボールが
届かなくなるんじゃないかな、 と凡人の僕はしょうもない想像をしてしまった。

ジェイソン・キッドはもともとフリースローが得意だったような気がするけど、
1勝2敗で迎えた、サンアントニオ・スパーズとの大事な大事なゲームで、
ふだんどおりのプレイができるなんて、精神力も一流なんだろうなぁ、
と感動を覚えつつ……別のことにも気がいってしまうのが、人間なのですね。

ジェイソン・キッドはフリースローを放つ前に、手の平を口に当ててから
ゴールリングのほうへ軽く動かす、つまり、
投げキッスのような仕草をするんですけど、それを見ていると
加藤茶さんのギャグ「カトちゃん、ペッ!」をなぜだか思い出してしまい、 その後は
フリースローの場面になると、
カトちゃんを頭に浮かべずにいられなくなってしまった。
ビジュアルそのものが似ているわけではないんですけど、これって、なんなんでしょう。

ネッツの勝利後、僕はジェイソン・キッド選手と加藤茶氏が今まで以上に好きになった。
きらいになったり、どちらかのイメージが下がるどころか、
双方がさらに強く、深く、愛くるしく、僕の胸にすりこまれたのでしょうか。




(文と絵 大倉、2003年6月16日)




1球目 いっそホシノ・タイガースに


6月2日現在、タイガースは2位巨人に7ゲーム差と、
もう何年もなかったような快進撃を続けているというのに、
夕刊フジによれば、阪神電鉄の本社役員が「金本や伊良部の獲得に
補強費がかかったため、今年は利益が少ない」などとグチっているという。
案の定、星野監督はこの発言にカンカンで、
「なら、見売りか共同経営しかないな」と、報復口撃をお返ししているらしい。
数年前、サントリーが阪神を買収、という噂がたったことがあるが、
景気の回復が見えない今でも、
大金をはたいてタイガースをポンと購入できる企業があるのだろうか。
トヨタは愛知やし、ニッサンのカルロス・ゴーン氏はサッカーのほうが
好きそうやし、ソニーはドメスティックな日本プロ野球には
興味なさそうな気がするし、武富士やアイフルはちょっとなあだし、
日清食品はどうやろか、りそなグループが思い切って公的資金を投入して
球団経営に乗り出すっちゅうんはどないやろか。
エルメスやルイ・ヴィトンがタイガースのオーナーになったら、おかしいやろな。
ブランドもののユニフォームを着たくて、入団希望者が増えたりしてね。
それとも、いっそのこと、星野さんが個人で買うてくれへんかな。
阪神も星野もイニシャルはHやし、
「星野タイガース」やったら、帽子のマークも変えんでええやんか。





(文と絵 大倉、2003年6月10日)

※6月10日更新なのに、上記の文章の冒頭に「6月2日現在」とあるのは
書いてからアップするに手間取り、1週間以上経過してしまったためです。


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