2塁側自由席 04/2004

2塁側自由席 バックナンバー 2004年4月分


nirui-jiyu rogo 「二塁側自由席」は絵日記ふうの連載です。
back issue 2004  3  2  1    2003 12  11 10 9 8  7 6


4月30日・金曜・164打席



書を捨てよ、あらためて町へ出よう


  ando-photo

■いっしょに歩いていて、偶然この看板(看板とは言わへんのやろか)を先に発見した妻
が「あっ」と声をあげた。一瞬、なぜ声をあげたのか分からなかったが、彼女が指差すほ
うを見上げて驚き、そして笑ってしまった。コンクリート打ちっ放しの建築などので世界
的に名高いあの建築家が、税理士事務所も営んでいることを、あなたは知ってましたか。
 気持ちをニュートラルにして表へ出ると、初めて訪れる場所でなくても何かひとつは、
自分にとって新しいことに出会える、ような気がする。と書いたところで思い出すのが、
この題名。『書を捨てよ町へ出よう』(1967年刊行、芳賀書店)とは、さすが寺山修司
さん、うまい言うもんですね。


おそらく、あの有名建築家と同姓同名の税理士さんなのでしょうが、実は実は、同一人物だったりして。

(12 : 50/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


4月28日・水曜・163打席



分子があるなら分母もあるのか


■自民党の柏村武昭参院議員は26日の参院決算委員会で、イラクの日本人人質事件に
ついて「反日的分子のために数十億円もの血税を用いることに違和感、不快感を持たざ
るを得ない」と述べた。柏村氏は「それぞれの意思で危険な国に出かけて行って武装勢
力に捕まった。これ自体が明らかに反国家的」と指摘した。(毎日新聞)

 という記事をヤフーで読んだのは、もう二日前のことになるのか。正確には一昨日の
夜に見たんだったかな。バタバタしていて更新が遅れてしまった。

『お笑いマンガ道場』司会者というイメージが僕のなかでは抜けない柏村武昭議員。発
言にもユーモアが欲しかった。あの頃、「カッシー」と呼ばれていたんじゃなかったか。
それとも自分でも言っていただけか。今回の「反日的分子発言」について、『マンガ道
場』のレギュラー出演者だった漫画家の富永一朗さんや鈴木義司さんの意見を聞いてみ
たい。いや、マンガで答えてほしいな。もちろん、車だん吉さん、川島なお美さんにも。
 今回、これを書くのに調べるまで、三谷幸喜さんが放送作家として番組に参加してい
たとは知らなかった。

  manga-dojo-illustration


(3 : 55/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)


4月25日・日曜・162打席



2つのとまれ


 tomare-hiragara-photo   tomare-kanji-photo

■「とまれ」と「止まれ」。漢字混じりか、平仮名のみか。こういう違いって、大人
になると、なかなか気づかないのではないか。その字の差に目がいかないし、この交
差点とあの四つ角の停止表示が、微妙に違うことに意識はいかない。平仮名がかなり
読めるようになってきた娘が「とまれ」と発したあと、別の場所で「まれ」と漢字を
飛ばして声に出してくれたおかげで、2種類のSTOPを知ることができた。だから
どう、ってことはないけれど。何の得にもならないことに目を向けるのって、なぜか
楽しいなぁ。このご時世、すぐ損得勘定したがる人が増えた気もするけど、たまには
どうでもいいことにこだわってみるのもいいんじゃないか。あっ、こだわるというと
肩に力が入ってしまうか。こだわっても、こだわらなくても、ま、どっちでもええわ。


(6 : 45/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


4月24日・土曜・161打席



頭文字、その手があったか


c-kashiramoji-illustration


■東京メトロという呼称に変わった地下鉄。それにともない、各線・各駅をアルファ
ベット・数字で表記するようになったらしく、通りがかった千代田線表参道駅は「C
04」でした、千代田線がCなら、銀座線はいちばん古そうだからAかなぁ、という
ようなことを二打席前のこのコーナーに書いたら、港区の広告会社にお勤めのKさん
から、Cは千代田線のローマ字表記の頭文字じゃないですか、というメールをいただ
いた。あっ、なんでやろう、まったく考えていなかったです、その視点。勝手な思い
込みっちゅうのは、人間の想像力を停止させますね。千代田線はわりと古そうだし、
Cってことは三番目にできた路線なんやろうな、きっと、うん、千代田線ってそんな
そんな感じする、する、と自分ひとりで決めつけ、確たる根拠もなく、納得しきって、
満足しきって、ふんぞり返ってニンマリしていた俺。嗚呼、穴があったら入りたいわ。
えーみなさま、目の前に見える(って見えないけど)わたくしがアホウでございます。


(6 : 58/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)


4月23日・金曜・160打席



やっぱりと言われても

■銀座でアニメ映画の試写会があり、行ってきた。その作品についてはまだ別の
機会に語るとして、私が今ふれたいのは、その会場のトイレの壁に書かれていた
落書きである。そこには黒い文字で、横書きでこう一行。

 やっぱり内田有紀が好き

本気か、ジョークか、はたまた……。どう解釈すればよいのでしょう。なんだか、
その一文が頭の奧に焼きついて。もう、気になって気になってしかたありません。

uchida-photo

文字、読めます? 「ゆき」の「ゆ」の字が間違っているの、わかりますか。

※写真はイメージです。

(15 : 20/photograph and text by Yasuhiro Ohkura)


4月22日・木曜・159打席



A列車は歴史の古い銀座線かな

ca04station-photo

■営団地下鉄が東京メトロに変わったのは、四月一日からだったかっけ。「メトロ」
という呼称は、パリの地下鉄からのものだと思うけど、各線の名称がアルファベット、
駅名は数字で表すというスタイルは、ニューヨークのサブウェイからのものなのかな。
あれ? ロンドンはどうだったか。まあいいや。いずれにしても、これまでのような
「銀座線渋谷駅」や「日比谷線霞ヶ関駅」といった表記もしばらくは残し、併用する
んだと思うけど。ちなみに写真の「千代田線表参道駅」は「C 04」のようだ。
この04というのは、きっと「01 代々木上原」「02 代々木公園」「03 明
治神宮前」と始発駅から数えて4番目の駅という意味だろう。もしもいずれかの線で
地下鉄を延長して1駅増え、その線の始発駅(始点)が変更された場合、01が02
に、02が03に、03が04に……というように順々に番号がずれていくのかな。
と、どうでもいいようなことがつい気になってしまう私って、小心者なのでしょうか。


(5 : 35/photograph and text by Yasuhiro Ohkura)


4月20日・火曜・158打席



シャッターを塗れ、許可を得て

shimokita-hekiga-photo

■アップしようしようと思っているうち、もう一昨日のことになってしまった。

下北沢シャッターペイント大作戦なるものが企てられていて、お盆の直前ごろに
20店舗ほどのシャッターに絵が描かれるそうだ。写真はデモンストレーションと
いっていいのか、この企画を考えて実行している人たちによる第1号シャッター
壁画の制作風景。たまたま通りがかって、撮影させてもらいました(デジカメの
シャッターを切ったのは娘なんですが)。下北沢は、僕が十年以上前から暮らす
まちでもあるし、何かできればなあ、という気にもなる。それはともかく、興味
を持った人は同イベントのサイトへ今すぐGO! 応募してみてはいかがですか。


(16 : 35/photograph and text by Hana and Yasuhiro Ohkura)


4月15日・木曜・157打席



シャツを腰に巻くのを何と言う?

shirt-ribbon-illustration

■今週のあたまだったかな、日中かなり暑かったため、
娘は前ボタンのシャツを脱いで腰にくるっと巻いて、
おなかのところできゅっと結んだらしく、そのこと
を自慢げに教えてくれた。四月から小学校に入学した
二つ上の女の子たちがよくやっていたのを覚えていて、
まねしたようだ。自分で「くるっ、きゅっ」とでき、
ちょっとお姉さんになった気分だったんだろうな。










(7 : 25/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)


4月13日・火曜・156打席



音楽=サウンド・エンジョイ


littlefats3-photo littlefats1-photo littlefats2-photo

■下北沢の路上でストリートライブをしていたLittle Fatsなるジャズバンド。
残念ながらこの写真にはうつっていないんだけど、僕が意表をつかれた楽器がありまして。
金ダライに丸棒とワイヤーを付けたWash tub bassという楽器を初めて目にし
て、えっ? と思った。と同時に、楽器って本来はこうなんだろうな、という気になった。
楽器はどれだって、本当はワクワク、ドキドキさせる音を放つものなんじゃないのかな。音
を楽しむ、と書いて音楽(これは漢字の熟語だけど)だもの、何よりも楽しくなくっちゃね。

(10 : 30/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


4月12日・月曜・155打席



手あと、バンザイ!

 daitan-box-photo

■図書館の子どもコーナーに置かれている、本の感想などを書いたメモを入れてもらう箱。
こういうのって、スタッフのかたの手作りなのかなぁ。ローテクで、あったかい感じがして、
好感が持てる。このホームページだって、パソコンを使って作っているわけですが、手あと
の残るものは、やはり見ていて気持ちいい。月並みな意見かもしれないけど、手描きの絵や
手書き文字をはじめ、機械的でカチカチしていないものだけが持つ魅力は、時代がどんどん
先へ進んでいっても衰えないと思う。コンピュータにできないこと、人にしかできないこと
にこだわっていきたい。ハンドメイドは一人ひとり結果が違ってくるから、おもろいねん。

(10 : 25/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


4月10日・土曜・154打席



Hな音

 tekkin-photo

■昨日、急用ができて、娘に保育園を休ませたので今朝、保育園へふとんのシーツを取り
にうかがった。週明けまでに洗濯しておかないといけないからだ。シーツをはがそうと、
子どもたちがいつも昼寝している大広間のようなホールで作業をし、さあ帰ろうとした際、
きれいな鉄琴らしきものを発見。そばにあったスティックで左から右へそっと叩いてみる
と、ドレミファソラシドではないが、美しい音が広がった。ピアノでいえば鍵盤にあたる
部分には、左側から順に(写真では確認しにくいけど)D・E・G・A・H・D・E・G
(だったかな)とアルファベットが彫られている。通常、音階をローマ字表記する場合、
用いるのはA〜Gまでではなかったか。では、Hとは何ぞや。あるいは、銀色の金属板に
刻まれた英字は、音程とは無関係なものなのか。右から4番目のHが無性に気になるのだ。


(16 : 50/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


4月9日・金曜・154打席



「ブタマル」って知ってます?

  butamaru-illustration

■保育園に通う娘は前まわりができるようになったらしく、意欲的に鉄棒に取り組んで
いる。その鉄棒での、娘のの得意技が、豚の丸焼き。牛も鳥もダメなら豚かー、とかそ
ういうご時世とはまったく無関係。両手で鉄棒を握り、両足ではさんでブ〜ランブ〜ラ
ンとぶら下がり、ほれこの通りの宙づりでござる、てな具合。ギャートルズだったか、
ジャングルくろべーだったっけ、何で見たのかはうろ覚えですが、昔はアニメやマンガ
で木の棒に手脚を縛られ、逆さづりにされ、たき火にかけられようとしているブタの絵
をよく目にした。いま昼前。ギャートルズに出てくる、骨付き肉が食べたくなってきた。


(11 : 45/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)


4月7日・水曜・153打席



不思議の国の中国


 chinese-enquiry-photo


■これは先日、知人が住むマンションで目にし、「えっ!?」と驚き、思わず撮影して
しまったもの ( 写真が暗く、ピントがボケているけどわかりますか ) 。扉の向こうに、
「中国古代近代文学研究」に取り組む人々が実在するのだろうか。それともジョーク
か、あるいはたんなるイタズラで貼られたネームプレートなのか。最初は、冗談だろ
うとふんでいたけど、書いているうちに、ここに研究室があるという気になってきた。

(10 : 10/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


※ここに掲載することで、もしもどなたかにご迷惑がかかるのであれば、誠に申しわけありません。



4月5日・月曜・152打席



Design myself?


    DIYhandsome-guy-illustration


『Design it yourself! 家が語る22の生き方、22のストーリー』という本が
最近出た。著書は、家族ぐるみでお付き合いさせていただいている、ライターで
エッセイストの山田真理さん。誌面には22軒それぞれ、独自の工夫が感じられる
家が見られ、そこにはこだわりに満ちた暮らしが感じられる。「ええなあ、この
の家」「こんなふうに、うちもしたいな」とか思う、羨望の参考物件がたくさん
あるんだけど、うちはスペースの割りに物が多いうえ、整理する能力が極めて低
く、さらに財力はほとんど皆無に等しく、なかなか「ええ感じ」にならんよなぁ、
と最終的にはわが家の(自分の)アカンぶりにたどり着いてしまう。住まいをど
ないするか、のその前に、まずデザインし直すべきは、そうかそうか、自分自身
の考え方やってんな、とたったいま気づきましたがな。よおし、そうとわかれば、
きょうから俺そのものをDIYするでー。って言うてることが、ようわからんか。


(3 : 20/text and illustration by Yasuhiro Ohkura)


4月2日・金曜・151打席



最新のシャープペンシル思う春


■「もっともあたらしい」って、どんなのかな。あのときは急いでたから
チェックできなかったけど、近いうちに、またあの文具店へ行ってみよう。


newest-sharpen-photo   cherry-photo


(4 : 45/text and photograph by Yasuhiro Ohkura)


最新のトップページヘ

2004年6月30日時点のトップページヘ

published : June 10, 2003 ● copyright(c) : 2003-2004 the Baseball Office. All rights reserved.
art direction & design : Yasuhiro Ohkura ( th career homer)
お問合せは e-mail : baseball@tokyo.email.ne.jp までお気軽に ● リンクフリーです