レザークラフトの工具の手入れや調整法などについての説明を中心に紹介するページです。
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工具の仕立て

ステッチンググルーバー


 ご存じ手縫いの溝切り工具です。刃の部分などには手の加えようがほとんどないと思いますが、少し手を加えると作業性のよくなる部分があります。



「先端の加工」


 左側のグルーバーが購入したままの物、右側が加工した物です。

 この写真では、ちょっとわかりにくいですね。

 よ〜く見ると、右側のグルーバーの先端の形が形が変わっていることに、気が付かれるでしょうか。

 次の写真で、先端を拡大してみてみます。



 左がノーマル、右が改造版です。

 どうしてこのように削るかというと、軸の先端が太すぎて、薄い革に対してこの工具が使いにくくなっているからです。

 工具の性質上、極端に薄い革には用いませんし、何かの台の端で使用すれば、薄い革に対しても問題なく使うことができます。

 でも、形を写真のように加工すれば、厚みに対する問題は解決です。とても使いやすくなると思います。



 写真ではわかりにくいのですが、薄い革に溝を引いているところです。

 先端を削る時は、実は慎重にやらなければなりません。削りすぎると革への引っかかりが怪しくなってしまうからです。

 金工用のヤスリで削ったあと、耐水ペーパーで仕上げます。1000番くらいで仕上げるといいと思います。

 私はいつもペーパーに油を付けて磨きます。潤滑のためと鉄の粉が飛散しないようにするためです。

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「製品比較:いまむかし」


 左が昔の製品。右が今の製品です。(昔の製品と言っても、同じ構造の物がアメリカのカタログには、現行の商品として載っています。)

 製品が切り替わったのは、もうだいぶ前のことです。

 写真は、幅を最も狭くセットした時の物です。。昔の製品は軸にぴったりくっついていますが、現在の製品は、軸とかなり隙間があきます。

 現行の製品は、最も狭いところで3ミリと言ったところです。実際の作業ではほとんど問題ないのですが、個人的には収まりの悪さを感じています。

 最も狭いところに合わせると、現行の製品は刃がおかしげに傾いてしまいます。それがどうにも気持ち悪いんです。

 「俺はここに合わせたのに、どうしてそっちに行ってしまうんだ。」 という気持ちになってしまいます。 



 現行の製品が、狭くセットした時にピシッとしないのは、刃の形状と固定法による物です。

 誰が見ても一目瞭然のことなのですが、刃の曲げ角度・曲げ加工部の丸み、そして、その丸みの部分に当たってしまう固定枠が、何とも落ち着きないのです。

 以前の製品は、ドライバーを使って軸の中心の固定ネジを回して、刃を固定する構造でした。現在の製品になり、ドライバーを使わずに、手で固定できるように変わったのはよいのですが、それをさらに一歩進めて安定感を増した物に改良して頂けない物かと思います。

 手回しの操作性はそのままで、固定ポイントを軸の内部に持っていってもらえれば、シャキッとした工具になると思うのですが。この工具を作っている機械加工のプロの方、ちょいと部品を工夫してグレードアップしてもらえないものでしょうか。

 あるいは刃の形状を変えることによっても、シャキッとした工具になりそうですが、刃とボディのどちらを変えるのが合理的なのか。(もしかすると誰も変えたいと思っていないかな?)

 この道具についての違和感は、私だけが感じているわけではないと思うのですが、いかがなものでしょうか。

 ところで、この換え刃の曲げる向きを逆にすると、左利き用の刃になります。単純な作業なような気がしますし、左利き用の刃が用意されていても良いのではないかと思います。

 (左利き用に作った幅決めガイドを、特製工具のTUZIEの工具箱14で紹介しています。)

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「先端の加工ー2」


 先端の加工をしても、上記のようにどこかしっくりしないところがこの工具にはありました。何か良い方法はないかと思っていたのですが、とあるサイトで紹介されていた改造例がヒントになり、ここで紹介する加工を思いつきました。

 ステッチンググルーバーの軸に、ぴったりと合う内径の真鍮のパイプをはめ込み、形状を整え研磨しました。このパイプが加わることによって、刃の固定ネジを締め込んだ時の刃の角度などが安定するようになりました。

 加工前は、最も狭くても縫い代が3ミリくらいのところにしか溝が引けなかったものが、加工後は1ミリくらいの設定までできるようになりました。実際には、このような狭い縫い代で溝を切ることはないのですが、道具の動作が安定して気持ちよくこの道具を手にすることができるようになりました。

 真鍮のパイプをはめ込んだ部分の画像です。ロウ付けも半田付けもしていません。単にきつくはまり込んでいるだけです。

 ピンを打ったり、接着剤を使おうかとも思ったのですが、隙間もなくしっかりと付いているようだったので、何もしませんでした。

 パイプをはめ込んだ以外にも、いくつか加工はしておりますが、この道具を加工したいと思った人は、じっくりと道具を観察していろいろなことを考えてみてください。

 ちなみに、加工の時は、木柄から金属部分をはずして加工しました。

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